ヤクルトはこのあと、8回に同点に追いつかれましたが、9回は抑えのマクガフ投手が締め、ことしのクライマックスシリーズは延長戦を行わないため、規定により、9回表終了2対2のコールドゲームで引き分けました。
ヤクルトは、アドバンテージを含めた対戦成績を3勝1分けとし、巨人が残り試合を全勝しても上回ることができないため、6年ぶりの日本シリーズ進出を決めました。
また、ファイナルステージを振り返り「期待して初戦に送り込んだ奥川投手がチームに勢いをつけてくれた。あそこまでやってくれるとは思っていなかった」と評価していました。 そのうえで「日本一になる挑戦権を得たので、ファンのために戦って必ず日本一になりたい」と意気込んでいました。
そして「今シーズンはいろいろなことがありながら選手たちもスタッフもよく頑張った。結果的にきょうが終戦になった」と総括しました。
追いかける展開の中、貴重な一本を打ったのは、39歳のベテランでした。 ヤクルトは、第1戦、第2戦ともに序盤で先制し、試合を優位に進め、日本シリーズ進出に王手をかけていました。
序盤から緩急を生かしたピッチングに得点を奪えず、5回までノーヒット。 6回に、ようやくチーム初ヒットが出て1アウト一塁三塁とメルセデス投手を攻めましたが、4番の村上宗隆選手を迎える絶好の場面でしたが、レフトフライ。 続く5番のサンタナ選手は空振り三振に倒れ、再び得点を奪えませんでした。 それでも7回。 2人目のデラロサ投手から2アウト満塁のチャンスを作り、バッターボックスには2番の青木宣親選手。 ベテランらしく、ここからマウンドにあがった巨人3人目の中川皓太投手のかわりばなの初球を捉え、逆転の2点タイムリーヒットとしました。 ヤクルトは、このあと同点とされましたが、規定により日本シリーズ進出を決めました。
2試合連続で完封負けを喫して崖っぷちとなった巨人。 レギュラーシーズン、全試合で4番として出場し、2年連続でタイトルを2冠した岡本選手が上半身のコンディション不良で欠場となり、打線は4番に短期決戦の経験が豊富な丸佳浩選手を据えて臨みましたが、第2戦までのファイナルステージのチーム打率が1割3分1厘と打線が完璧に抑え込まれ、流れをつかめていませんでした。 ファイナルステージ前に「ベンチ全員で戦う」と話した原監督は、12日の第3戦で打順を組み替えました。 ファイナルステージ2試合で8打数ノーヒット、5三振と当たっていない1番の松原聖弥選手を8番に下げて6打数でヒット2本の吉川尚輝選手を1番に据えました。 さらに、今シーズンかぎりで引退するベテランの亀井善行選手を2番に、大城卓三選手を6番、キャッチャーで起用しました。 3回にはフォアボールを選んだ吉川選手を一塁に置き、亀井選手が追い込まれてからもしぶとくライト前に運び、一塁三塁とチャンスメークをしました。 そして、3番の坂本勇人選手の犠牲フライでファイナルステージ、21イニング目にして初得点をあげて先制しました。 しかし、その後は再三、チャンスを作るものの1点しか奪えず、2対2で引き分けました。 巨人打線は3試合でタイムリーヒットは1本。 打線の組み替えも実らず、3試合でわずか2点しか奪えず、日本シリーズ進出はなりませんでした。
そして、日本シリーズについて聞かれると「日本一になるチャンスがあるのは2チーム。よくあるチャンスではないのでつかみたい。セ・リーグの代表として日本一になりたい」と話し、20年ぶりの頂点を見据えていました。 39歳のベテラン、青木宣親選手は、7回の逆転の2点タイムリーヒットについて「打席に入るときは久々にドキドキした。打てたあとはうれしかったですね」と振り返りました。 日本シリーズに向けては「勝ち上がることができた。今度は日本一になることが目標だ」と次を見据えていました。 第1戦で完封勝利を挙げ、クライマックスシリーズのMVP=最優秀選手に選ばれた20歳の奥川恭伸投手は「皆さんの力があってこそなので、とてもうれしい」と喜びを語りました。 日本シリーズに向けては「日本シリーズではベストを尽くせるよう頑張る。攻めのピッチングで自分の持ち味を発揮できるように頑張る」と活躍を誓いました。 1番バッターとして3試合で打率4割をマークし、日本シリーズ進出に貢献した塩見泰隆選手は好調の要因について「レギュラーシーズンが終わって有意義に調整することができた。いろいろな人にアドバイスをもらったことがいちばん」と話しました。 そして、日本シリーズに向けては「持ち味の積極性を生かしてどんどん攻めて出塁してクリーンアップにつなげていきたい」と意気込んでいました。
第1戦と第2戦がオリックスの本拠地、京セラドーム大阪で行われ、その後は両チームの本拠地が使用できないため、第3戦から第5戦が東京ドーム、第6戦と第7戦がほっともっとフィールド神戸で行われます。
ヤクルト 高津監督「必ず日本一に」
巨人 原監督「あと1本が出なかった」
ヤクルト 39歳青木が逆転タイムリー
巨人 打順変更も 最後まで打線つながらず
ヤクルト 監督と選手が記者会見
日本シリーズは11月20日から