伊豆諸島への影響 長期化も
シミュレーションはJAXAの衛星が観測した軽石のデータと独自の海流モデルなどを用いて行われ、風の影響については▽影響が無い場合と▽ある程度ある場合▽強い場合の3つのシナリオで計算されていてます。
シミュレーションでは、まとまった軽石が静岡県の沖合を東に進み、伊豆諸島に向かうとされています。
これまでの想定よりも沿岸に近くなっていて、本州に漂着するようには見えないものの、専門家は「あくまでもシミュレーションで、周辺の海域では注意が必要だ」としています。
しかし、沖縄からの軽石が再び近づく動きが確認でき、専門家は、伊豆諸島では影響の長期化が懸念されるとしています。
海洋研究開発機構のシミュレーションは当面、数日おきに更新されるということです。
及川主任研究員は、これまで沖縄県で軽石の調査に当たってきました。 今回の軽石は小笠原諸島の海底火山の噴火で噴出したものと見られていますが、沖縄県で漁業などに大きな影響が出ていることについて、「明治以降の国内の火山噴火としては最大クラスの規模だったため、これだけの多くの量が海岸に漂着している」と説明しました。 そして、伊豆諸島の三宅島に漂着した軽石の映像から、沖縄県の軽石と比較すると、三宅島のものの方が全体的に小さく丸みを帯びたものが多いように見えると分析しました。 これは、海流に流され波にもまれるうちに小さく丸くなった可能性があるということです。 さらに及川主任研究員は、「流れる時間が長ければそれだけ面的な広がりを持つため、沖縄と比べれば密集の程度は薄まるはずだ」と指摘しました。 一方、今後の見通しについては「潮の満ち干などによって軽石は移動していくが、その過程で波にもまれ小さくなり、穴の数も減って海中に沈んでいく。この動きは数年から10年という単位で進むだろう」としたうえで、「海面からは見えなくなっても海底に沈むまでの間に海中を漂っているということもありえる。船舶の運航には当面の間、十分に注意する必要がある」と指摘しています。
沖縄 奄美 軽石の停滞続く
分析をした専門家「来月中旬にも新たな軽石接近の可能性」
火山の専門家「海面からは見えなくなっても海中漂う可能性」