愛子さまあす成年の行事にティアラにも関心集まる - Easy News

今月こんげつで20歳さいになった天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかの長女ちょうじょの愛子あいこさまは5日にち、勲章くんしょうの親授しんじゅなどの成年せいねんの行事ぎょうじに臨のぞまれます。

12月つき1日にちに20歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえ、成年せいねん皇族こうぞくとなった愛子あいこさまは学業がくぎょうに支障ししょうのない日曜日にちようびの5日にち、成年せいねんに伴ともなう主要しゅような行事ぎょうじに臨のぞまれます。

愛子あいこさまは午前ごぜん中ちゅう、皇室こうしつの祖先そせんなどをまつる宮中きゅうちゅう三さん殿どのを参拝さんぱいされ、宮殿きゅうでんで天皇てんのう陛下へいかから「宝冠ほうかん大だい綬章あきら」と呼よばれる勲章くんしょうを授さづけられます。

そして午後ごご、宮殿きゅうでんでティアラと呼よばれる髪かみ飾かざりや勲章くんしょうを身みにつけたロングドレス姿すがたで両りょう陛下へいかに成年せいねんのあいさつを行おこない、その後そのご、上皇じょうこうご夫妻ふさいにもあいさつされます。

続つづいて秋篠宮あきしののみやさまをはじめとする皇族こうぞく方かたや、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんなど三権さんけんの長ながから祝賀しゅくがを受うけられることになっています。

ティアラは新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいなどを踏ふまえ、新あらたな製作せいさくが見送みおくられているため、愛子あいこさまは天皇てんのう陛下へいかの妹いもうとで叔母おばの黒田くろだ清子きよこさんが使つかっていたものを借かりて行事ぎょうじに臨のぞまれるということです。

皇室こうしつで成年せいねんの行事ぎょうじが行おこなわれるのは平成へいせい26年ねんの秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいの次女じじょの佳子けいこさま以来いらい、7年ねんぶりになります。

皇室こうしつのティアラは明治めいじ時代じだいから

成年せいねんの行事ぎょうじでは、愛子あいこさまが着用ちゃくようされるティアラにも関心かんしんが集あつまっています。

ティアラは宝石ほうせきをちりばめた冠かんむり型がたの髪かみ飾かざりで、皇室こうしつでの歴史れきしは明治めいじ時代じだいにさかのぼります。

日本にっぽんが近代きんだい化かを目指めざす中なかで、明治めいじ19年ねん、宮中きゅうちゅうにおける女性じょせいの正式せいしきな服装ふくそうが洋装ようそうと定さだめられ、当時とうじの元老げんろう院いんの資料しりょうでは正装せいそうの例れいを示しめすスケッチにティアラのような髪かみ飾かざりが描えがかれています。

また、明治めいじ20年ねんの新聞しんぶん記事きじでは明治めいじ天皇てんのうのきさきの昭憲しょうけん皇太后こうたいごうのティアラの製作せいさくをドイツの職人しょくにんに依頼いらいし、60個このダイヤモンドが用もちいられると報ほうじられています。

このティアラは、通称つうしょう「皇后こうごうの第だい一いちティアラ」と呼よばれ、大正たいしょう天皇てんのうのきさきの貞明ていめい皇后こうごう、昭和しょうわ天皇てんのうのきさきの香こう淳じゅん皇后こうごう、そして上うえ皇后こうごうさまに事実じじつ上じょう、受け継うけつがれ、おととし11月つきの天皇てんのう陛下へいかの即位そくいにともなうパレードでは皇后こうごうさまがつけられました。

「皇后こうごうのティアラ」は、このほかにも菊きくのモチーフが日本にっぽんらしさを醸し出かもしだす、通称つうしょう「第だい二にティアラ」や、唐草からくさ模様もようのデザインが優雅ゆうがな「第だい三さんティアラ」があるとされています。

女性じょせい皇族こうぞくのティアラは

歴代れきだいの皇后こうごう以外いがいの女性じょせい皇族こうぞくのティアラは、成年せいねんを迎むかえる際さいなどに新調しんちょうされることが慣例かんれいとなっています。

近年きんねんは指名しめい競争きょうそう入札にゅうさつなどを行おこなって、皇室こうしつの公的こうてきな予算よさんにあたる「宮廷きゅうてい費ひ」で製作せいさくされることが多おおくなっています。

秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいの長女ちょうじょの眞子まこさんの場合ばあい、ほかの装飾そうしょく品ひんと一式いっしきで2856万まん円えん。

次女じじょの佳子けいこさまは、2793万まん円えんでした。

これらのティアラは国くにの所有しょゆうとなるため、女性じょせい皇族こうぞくが結婚けっこんなどで皇室こうしつを離はなれた場合ばあい、返却へんきゃくされ、宮内庁くないちょうが管理かんりすることになっています。

一方いっぽう、愛子あいこさまが着用ちゃくようされる黒田くろだ清子きよこさんのティアラは、公的こうてきな予算よさんではなく、天皇てんのう家かの生活せいかつ費ひなどにあてられる「内廷ないてい費ひ」で作つくられ、結婚けっこん後ごも黒田くろださんの所有しょゆうとなっています。

宮内庁くないちょうによりますと、今回こんかい、愛子あいこさまの頭あたまの形かたちに合あわせて調整ちょうせいが行おこなわれたということです。

側近そっきんによりますと、黒田くろださんが快こころよくティアラを貸かしてくれたことに、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと愛子あいこさまは深ふかく感謝かんしゃされているということです。

ティアラ製作せいさくデジタル技術でじたるぎじゅつと熟練じゅくれん職人しょくにんの技わざ

女性じょせい皇族こうぞくのティアラはどのように作つくられているのか。

秋篠宮あきしののみやご夫妻ふさいの長女ちょうじょの眞子まこさんのティアラなど複数ふくすうの皇室こうしつのティアラを製作せいさくしてきた東京とうきょう千代田ちよだ区くの工房こうぼうを取材しゅざいしました。

精巧せいこうで複雑ふくざつなデザインのティアラは、宝飾ほうしょく品ひんの中なかでも特とくに高たかい技術ぎじゅつが求もとめられるといいます。

デジタル技術でじたるぎじゅつが進すすんだ今いまは、コンピューターの設計せっけいシステムを使つかって、部品ぶひんの形かたちや傾かたむき、宝石ほうせきの大おおきさなどを調整ちょうせいしてデザインします。

構成こうせいする部品ぶひんのもとになる型かたは、3Dプリンターで作つくります。

部品ぶひんは1000個こ近ちかくに上のぼるということで、熟練じゅくれんの職人しょくにんがすべて手て作業さぎょうで組み立くみたてていきます。

そして、繰り返くりかえし研磨けんまして形かたちを整ととのえ、ダイヤモンドなどの宝石ほうせきを取り付とりつけます。

製作せいさく期間きかんは最短さいたんでも半年はんとし、皇室こうしつのテイアラではおよそ1年ねん半はんかかるものもあるといいます。

この工房こうぼう「アトリエマイエドール」の手て鹿しか正博まさひろ製作せいさく室長しつちょうは「ティアラは一般いっぱん的てきなジュエリーとは格かくが違ちがい、技術ぎじゅつの高たかさが問とわれていると思おもいます。特とくに皇室こうしつの方ほうのティアラに携たずさわるのは、本当ほんとうに名誉めいよなことで、特別とくべつな思おもいで作つくっています。歴史れきしに残のこるものなので、未来みらいの人ひとたちが僕ぼくが作つくったものを見みてきれいだなと思おもってくれたらいいなと思おもいます」と話はなしています。

製作せいさくの発注はっちゅう元もとで、皇室こうしつのティアラも手てがけてきた宝飾ほうしょく品ひんなどの専門せんもん店てん「和光わこう」の藤本ふじもと麻理子まりこアシスタントマネージャーは「ティアラの歴史れきしはとても古ふるくてギリシャ、ローマ時代じだいにさかのぼると言いわれています。非常ひじょうに壮麗そうれいで優雅ゆうがで、幸福こうふくの象徴しょうちょうであり、デザインや素材そざい、技術ぎじゅつ面めんにおいても宝飾ほうしょく製作せいさくのすべてが凝縮ぎょうしゅくされていると思おもいます。皇室こうしつの方ほうのティアラは、格調かくちょうの高たかさを象徴しょうちょうしていて、取り扱とりあつかう機会きかいに恵めぐまれたことを誇ほこりに思おもっています」と話はなしていました。

ティアラ着用ちゃくようは伝統でんとうの継承けいしょう

今回こんかい、愛子あいこさまが黒田くろだ清子きよこさんのティアラを借かりられることについて、皇室こうしつのファッションに詳くわしい歴史れきし文化ぶんか学がく研究けんきゅう者しゃの青木あおき淳子じゅんこさんは「天皇てんのうの娘むすめであった清子きよこさんが着用ちゃくようされたものを愛子あいこさまが着用ちゃくようされるということは、まさしく伝統でんとうの継承けいしょうと言いえると思おもいます。また、歴史れきし的てきに見みても、皇室こうしつには、物ものを長ながく、大切たいせつに使つかわってきた慣習かんしゅうがあります。コロナなどもあって、国民こくみんの苦くるしみに配慮はいりょされてご判断はんだんされたことに皇室こうしつの堅実けんじつな姿勢しせいを感かんじます」と話はなします。

また、成年せいねんの行事ぎょうじに臨のぞまれる愛子あいこさまについて「成年せいねんの行事ぎょうじにティアラを着用ちゃくようされるというのは、まさしくプリンセスの証あかしだと思おもいます。勲章くんしょう、ティアラと一式いっしきのアクセサリー、ローブ・デコルテを身みにまとわれる時とき、皇族こうぞく、皇室こうしつの一員いちいんであるという自覚じかくをお持もちになるのではないでしょうか」と話はなしていました。