Actualités japonaises: オミクロン株 “かつてない感染拡大” 今できることは【1/19】

「オミクロン株かぶ」によって全国ぜんこく各地かくちで新型しんがたコロナの感染かんせんが始はじまって以来いらい、最多さいたとなる感染かんせん者しゃ数すうが報告ほうこくされ、欧米おうべいなどで見みられた急激きゅうげきな感染かんせん拡大かくだいが今いままさに日本にっぽん国内こくないで起おきています。いまや、国内こくないで検出けんしゅつされる新型しんがたコロナウイルスのほとんどがオミクロン株かぶに。感染かんせん力りょくが強つよい一方いっぽう、重症じゅうしょう化かするリスクはデルタ株かぶなどと比くらべると低ひくいことも分わかってきていますが、それでも感染かんせんの急きゅう拡大かくだいに伴ともなって入院にゅういんする人ひとは急増きゅうぞうし、病床びょうしょうの使用しよう率りつは日に日ひにひに上あがってきています。感染かんせんはどんなところで広ひろがっているのか。これだけ広ひろがっているいま、感染かんせんを防ふせぐためにはどうすればいいのか。分わかってきたことをまとめました。（2022年ねん1月つき19日にち現在げんざい）

経験けいけんない感染かんせん拡大かくだいのペース

新型しんがたコロナの全国ぜんこくでの感染かんせん確認かくにんの発表はっぴょうは、1月つき19日にちに初はじめて一いち日にちで4万まん人にんを超こえ、2022年ねん1月つき1日にちの456人にん（検疫けんえきでの確認かくにん除のぞく）と比くらべ、実じつにおよそ90倍ばいとなっています。

オミクロン株かぶによって、都市とし部ぶだけでなく、これまでの感染かんせんの波なみでは大おおきな拡大かくだいになっていなかった地域ちいきも含ふくめて全国ぜんこく各地かくちでの急激きゅうげきな拡大かくだいとなっています。

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくについて助言じょげんする厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうは2022年ねん1月つき13日にち、オミクロン株かぶへの置おき換がわりによって都市とし部ぶだけでなく各地かくちで「これまでに経験けいけんしたことのない速はやさで新規しんき感染かんせん者しゃ数すうが増加ぞうかしている」と指摘してきしました。

沖縄おきなわ県けん・広島ひろしま県けん・山口やまぐち県けんに加くわえて、東京とうきょうなど首都しゅと圏けん、愛知あいち県けんなど東海とうかい、熊本くまもと県けんなどの九州きゅうしゅうまでの1都と12県けんにも、21日にちからまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちが適用てきようされることが決きまりました。

デルタ株かぶからオミクロン株かぶへの置き換おきかわりは急速きゅうそくで、「変異へんい株かぶPCR検査けんさ」の結果けっかから見みると2022年ねん1月つき9日にちまでの1週間しゅうかんで全国ぜんこくでもオミクロン株かぶの疑うたがいがあるウイルスは84％を占しめるに至いたっています。

日本にっぽん国内こくないでは、2021年ねん11月つき28日にちに入国にゅうこくした人ひとから検疫けんえき所しょで検出けんしゅつされたのが初はじめてのケースで、初はじめて市中しちゅう感染かんせんが報告ほうこくされたのは2021年ねん12月つき22日にちでした。

検疫けんえき所しょでの検出けんしゅつから1か月かげつ余あまり、市中しちゅう感染かんせんの報告ほうこくから半月はんつきほどで、ほとんどを占しめるに至いたっています。

イギリスやアメリカでは、年末ねんまつ・年始ねんしの段階だんかいで、初はじめての感染かんせん確認かくにんから1か月かげつほどでオミクロン株かぶにほぼ置き換おきかわったことが報告ほうこくされていました。

いま、およそ半はん月遅つきおくれで日本にっぽんで同おなじことが起おきていると言いえます。

潜伏せんぷく期間きかん短みじかく感染かんせん広ひろがるサイクルが短みじかい

オミクロン株かぶの感染かんせん拡大かくだいのペースが速はやい背景はいけいとして、感染かんせんしてから発症はっしょうするまでの潜伏せんぷく期間きかんが短みじかいことがあると考かんがえられています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの暫定ざんてい報告ほうこくによりますと、オミクロン株かぶに感染かんせんし発症はっしょうした113人にんについて分析ぶんせきした結果けっか、平均へいきん的てきな潜伏せんぷく期間きかんは3日にち余あまりでした。

ウイルスにさらされた翌日よくじつまでに発症はっしょうしたのは9％弱じゃく、2日にち後ごまでが30％余あまり、3日にち後ごまでが53％余あまりと、半数はんすうが3日にち後ごまでに発症はっしょうしていました。

そして、6日にち後ごまでにはおよそ90％が発症はっしょうし、9日にち後ごまでだと98％を超こえる人ひとが発症はっしょうしていました。

感染かんせんから発症はっしょうまでのスパンがこれまでの新型しんがたコロナウイルスよりも短みじかいために、感染かんせんが速はやく広ひろがりやすくなっているとみられています。

飲食いんしょくなどで感染かんせん

オミクロン株かぶでも感染かんせん経路けいろはこれまでの新型しんがたコロナウイルスと変かわりません。

飛ひまつや「マイクロ飛ひまつ」と呼よばれる密閉みっぺいされた室内しつないを漂ただよう小ちいさな飛ひまつが主おもで、ウイルスがついた手てで鼻はなや口くちなどを触さわることによる接触せっしょく感染かんせんもあります。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょが1月つき13日にちに出だしたオミクロン株かぶに感染かんせんしたケースの疫学えきがく調査ちょうさの結果けっかでは、オミクロン株かぶでも飲食いんしょく店てんでの職場しょくば同僚どうりょうとの忘年ぼうねん会かいや自宅じたくでの親族しんぞくとの会食かいしょくなど飲食いんしょくを通つうじた感染かんせんが見みられていて、飛ひまつ感染かんせんが多おおくなっています。

職場しょくばでの密みつな環境かんきょうでの作業さぎょうを通をつうじて感染かんせんするケースも報告ほうこくされています。

政府せいふ分科ぶんか会かいの尾身おみ会長かいちょうは19日にち、対策たいさくのキーワードは「人数にんずう制限せいげん」だとしたうえで「オミクロン株かぶの感染かんせん経路けいろの調査ちょうさで分わかってきたのは、多おおくの人ひとが集あつまって、飲食いんしょくして、大声おおごえを出だし、換気かんきが悪わるい環境かんきょうで多おおくの感染かんせんが起おきているということだ。感染かんせんリスクの高たかい状況じょうきょうに集中しゅうちゅうして対策たいさくを行おこなうことが重要じゅうようだ。家庭かていや職場しょくばでも人ひとが集あつまって大声おおごえが出でるパーティーなど、感染かんせんリスクの高たかい場面ばめんを避さけることが重要じゅうようだ」と述のべました。

マスクをとった会話かいわや飲食いんしょくの場面ばめんで感染かんせんするリスクが高たかく、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうは、ワクチン接種せっしゅ者しゃも含ふくめマスクの正ただしい着用ちゃくよう、手て指ゆび衛生えいせい、換気かんきなどの徹底てっていを継続けいぞくすることが必要ひつようで「1つの密みつでもできるだけ避さけたほうがよい」としています。

重症じゅうしょう化かリスク↓も　病床びょうしょう使用しよう率りつ↑に

オミクロン株かぶは感染かんせん力りょくは強つよい一方いっぽうで、感染かんせんしたときに重症じゅうしょう化かする割合わりあいは低ひくいという見方みかたが強つよまっています。

WHOは1月つき11日にちの週報しゅうほうで、オミクロン株かぶによる入院にゅういんと重症じゅうしょう化かのリスクは「下さがっていると見みられる」とまとめました。

オミクロン株かぶの症状しょうじょうについて、鼻はなやのどといった上気じょうき道どうの炎症えんしょうを引き起ひきおこしやすいものの、ほかの変異へんいウイルスと比くらべて肺はいまで達たっして重症じゅうしょう化かするリスクは低ひくいという見解けんかいがWHOなどから示しめされています。

イギリスの保健ほけん当局とうきょくによりますと、オミクロン株かぶに感染かんせんして入院にゅういんに至いたるリスクはデルタ株かぶの場合ばあいに比くらべて3分ぶんの1になっているとしています。

ただ、イギリスでは3回かい目めの追加ついか接種せっしゅを受うけた人ひとが2022年ねん1月つき17日にちの時点じてんで63.6％に上のぼっていて、1月つき19日にち時点じてんで1.3％にとどまっている日本にっぽんとは状況じょうきょうが異ことなるため注意ちゅういが必要ひつようです。

オミクロン株かぶによる重症じゅうしょう化かリスクについて、国内こくないでは沖縄おきなわ県けんでの初期しょき段階だんかいのデータが示しめされています。

1月つき4日にちの時点じてんで無む症状しょうじょうや軽症けいしょうは92.3％、肺炎はいえんがみられる中等ちゅうとう症しょう1が4.0％、酸素さんそ投与とうよが必要ひつような中等ちゅうとう症しょう2が3.7％、人工じんこう呼吸こきゅう器きが必要ひつような重症じゅうしょうは0％でした。

ただ専門せんもん家かは、現時点げんじてんで沖縄おきなわでのオミクロン株かぶの感染かんせん者しゃは若者わかものが圧倒的あっとうてきに多おおく、今後こんご高齢こうれい者しゃにも感染かんせんが広ひろがった場合ばあい、重症じゅうしょう者しゃ数すうが増ふえる可能かのう性せいがあるとしています。

沖縄おきなわ県けんでは60代だい以上いじょうの高齢こうれい者しゃの割合わりあいが1月つき18日にちの時点じてんでおよそ15％と、ここ数すう日にちで徐々じょじょに上昇じょうしょうしてきています。

病床びょうしょうの使用しよう率りつは日に日ひにひに上あがってきていて、1月つき19日にち時点じてんで沖縄おきなわ県けんでは60.5％、大阪おおさか府ふでは31.3％、東京とうきょう都とでは25.9％などとなっています。

WHOは入院にゅういんに至いたるリスクが下さがっているにもかかわらず感染かんせん者しゃ数すうが非常ひじょうに多おおいことから、入院にゅういんや重症じゅうしょう化か、死亡しぼう例れいは大おおきく増加ぞうかしていて、医療いりょう体制たいせいに大おおきな負荷ふかがかかっているとしています。

国内こくないでは亡なくなる人ひとの数かずは少すくない状態じょうたいが続つづいていますが、日本にっぽんより早はやくオミクロン株かぶの感染かんせんが拡大かくだいした海外かいがいでは死者ししゃ数すうも増加ぞうかしています。

イギリスでは1月つき18日にちまでの1週間しゅうかんでの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうはおよそ67万まん4000人にんと、前まえの1週間しゅうかんと比くらべておよそ40％減げん少すこしピークアウトしたようにも見みえますが、同おなじ直近ちょっきん1週間しゅうかんの死者ししゃの数かずは1900人にん余あまりとおよそ15％増加ぞうかし増加ぞうか傾向けいこうが続つづいています。

日本にっぽんでも感染かんせんが広ひろがり続つづけると、重症じゅうしょう患者かんじゃや死者ししゃの数かずが増ふえるおそれがあります。

子こどもの感染かんせん拡大かくだい各国かっこくで懸念けねん

オミクロン株かぶでは子こどもの感染かんせん拡大かくだいにも注目ちゅうもくが集あつまっています。

国内こくないでは、厚生こうせい労働ろうどう省しょうのウェブサイトによりますと、1月つき11日にちまでの1週間しゅうかんでの10歳さい未満みまんの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは2238人にんでした。

1月つき4日にちまでの1週間しゅうかんでは353人にん、2021年ねん12月つき28日にちまでの1週間しゅうかんでは149人にんで、年明としあけに急増きゅうぞうしています。

アメリカでも1月つき13日にちまでの1週間しゅうかんで子こどもの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは98万まん1000人にんと、前まえの週しゅうの1.69倍ばいとなり過去かこ最多さいたとなっています。

アメリカ小児しょうに科か学会がっかいは、子こどもが症状しょうじょうが重おもくなり入院にゅういんに至いたる率りつは0.1から1.5％、死亡しぼう率りつは0から0.02％と報告ほうこくしています。

また、特とくにワクチン接種せっしゅの対象たいしょう年齢ねんれいに達たっしていない4歳さい以下いかの子こどもの入院にゅういん率りつが上昇じょうしょうしていて、CDC＝疾病しっぺい対策たいさくセンターによりますと、この年代ねんだいで1月つき1日にちまでの入院にゅういん率りつが人口じんこう10万まん当あたり4.3人にんと、その前まえの週しゅうの2.6人にんから大おおきく増ふえています。

イギリスでも子こどもの入院にゅういんが増ふえています。

保健ほけん当局とうきょくの資料しりょうによると2021年ねん12月つき下旬げじゅんには0歳さいから17歳さいまでの入院にゅういん患者かんじゃ数すうは40人にん程度ていどでしたが、2週間しゅうかん後ごの1月つき上旬じょうじゅんには3倍ばいのおよそ120人にんにまで増加ぞうかしました。

これまでの変異へんいウイルスとの比較ひかく

感染かんせん力りょくや病原びょうげん性せいなど、いま分わかっていることをWHOや国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょ、各国かっこくの公的こうてき機関きかんなどの情報じょうほうをもとに、ほかの「懸念けねんされる変異へんい株かぶ＝VOC」と比較ひかくする形かたちでまとめました。

▼感染かんせん力りょく

オミクロン株かぶの感染かんせん力りょくの強つよさを示しめすデータが、各国かっこくから報告ほうこくされています。

WHOの週報しゅうほうでは家庭かてい内ないでの「2次じ感染かんせん率りつ」はデルタ株かぶの21％に対にたいし、オミクロン株かぶは31％だったとする2021年ねん12月つきのデンマークでの分析ぶんせき結果けっかを紹介しょうかいしています。

アメリカのCDC＝疾病しっぺい対策たいさくセンターは、オミクロン株かぶの感染かんせん力りょくは最大さいだいでデルタ株かぶの3倍ばいとするデータがあるとしています。

▼病原びょうげん性せい

『アルファ株かぶ』→入院にゅういん・重症じゅうしょう化か・死亡しぼうのリスク高たかい可能かのう性せい

『ベータ株かぶ』→入院にゅういんのリスク・入院にゅういん時じの死亡しぼう率りつ高たかい可能かのう性せい

『ガンマ株かぶ』→入院にゅういん・重症じゅうしょう化かのリスク高たかい可能かのう性せい

『デルタ株かぶ』→入院にゅういんのリスク高たかい可能かのう性せい

『オミクロン株かぶ』→入院にゅういん・重症じゅうしょう化かリスク低ひくい

オミクロン株かぶでは入院にゅういんに至いたるリスクや重症じゅうしょう化かリスクがデルタ株かぶに比くらべて低ひくいという報告ほうこくが相次あいついでいます。

一方いっぽうでイギリスの保健ほけん当局とうきょくは、オミクロン株かぶは重症じゅうしょう化かリスクが低ひくいといっても感染かんせん拡大かくだいのスピードの速はやさや免疫めんえきから逃のがれる性質せいしつがあるため、必かならずしも医療いりょう機関きかんへの負荷ふかが減へることを意味いみしないと強調きょうちょうしています。

▼再さい感染かんせんのリスク

『アルファ株かぶ』→ウイルスを抑おさえる抗体こうたいの働はたらきは維持いじ、再さい感染かんせんのリスクは従来じゅうらい株かぶと同おなじか

『ベータ株かぶ』→ウイルスを抑おさえる抗体こうたいの働はたらきは減へる、ウイルスを攻撃こうげきする細胞さいぼうの働はたらきは維持いじ

『ガンマ株かぶ』→ウイルスを抑おさえる抗体こうたいの働はたらきはやや減へる

『デルタ株かぶ』→ウイルスを抑おさえる抗体こうたいの働はたらきは減へる

『オミクロン株かぶ』→再さい感染かんせんのリスク上あがる

WHOでは、ワクチンや過去かこの感染かんせんによって免疫めんえきを持もつ人ひとでも再さい感染かんせんしやすくなる変異へんいがあるとしています。

イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンは、オミクロン株かぶの再さい感染かんせんのリスクはデルタ株かぶに比くらべて5.41倍ばいと高たかくなっているとする報告ほうこくを出だしています。

▼ワクチンの効果こうか（ファイザー・モデルナのmRNAワクチン）

『アルファ株かぶ』→感染かんせん予防よぼう・発症はっしょう予防よぼう・重症じゅうしょう化か予防よぼうともに変かわらず

『ベータ株かぶ』→発症はっしょう予防よぼう・重症じゅうしょう化か予防よぼうともに変かわらず

『ガンマ株かぶ』→感染かんせん予防よぼう・発症はっしょう予防よぼう・重症じゅうしょう化か予防よぼうともに変かわらず

『デルタ株かぶ』→感染かんせん予防よぼう・発症はっしょう予防よぼう・重症じゅうしょう化か予防よぼうともに変かわらず（感染かんせん予防よぼう・発症はっしょう予防よぼうは下さがるという報告ほうこくも）

『オミクロン株かぶ』→発症はっしょう予防よぼう効果こうか低下ていか・重症じゅうしょう化か予防よぼう効果こうかはあるという報告ほうこくも　3回かい目め接種せっしゅで発症はっしょう予防よぼう効果こうか・重症じゅうしょう化か予防よぼう効果こうかも上あがる報告ほうこくも

オミクロン株かぶは2回かいのワクチン接種せっしゅを完了かんりょうした人ひとでも感染かんせんするケースが報告ほうこくされています。

発症はっしょう予防よぼう効果こうかは接種せっしゅから時間じかんを経へるごとに下さがるものの、重症じゅうしょう化かを予防よぼうする効果こうかは一定いってい程度ていど保たもたれるというデータが出でてきています。

また、3回かい目めの追加ついか接種せっしゅで発症はっしょう予防よぼう効果こうか、重症じゅうしょう化か予防よぼう効果こうかが上あがるという報告ほうこくも出でてきています。

イギリスの保健ほけん当局とうきょくが示しめしたデータでは、オミクロン株かぶに対にたいしては、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンで2回かいの接種せっしゅから2週間しゅうかんから4週間しゅうかん後ごには発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかが65～70％でしたが、20週しゅうを超こえると10％程度ていどに下さがっていました。

ファイザーのワクチンを2回かい接種せっしゅした人ひとが3回かい目めにファイザーかモデルナの追加ついか接種せっしゅをすると、2週間しゅうかんから4週間しゅうかん後ごには発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかは65％～75％に上あがりました。

ただ、5週間しゅうかんから9週間しゅうかん後ごでは55～70％に、10週しゅうを超こえると40～50％に下さがりました。

その一方いっぽうで、重症じゅうしょう化かして入院にゅういんするリスクを下さげる効果こうかは発症はっしょうを防ふせぐ効果こうかより高たかくなっています。

ファイザーやモデルナ、それにアストラゼネカのワクチンを接種せっしゅした人ひとで分析ぶんせきすると、入院にゅういんに至いたるのを防ふせぐ効果こうかは2回かいの接種せっしゅ後ご2週間しゅうかんから24週間しゅうかんでは72％、25週しゅうを超こえても52％、3回かい目めの追加ついか接種せっしゅをしたあと2週しゅう以降いこうだと88％となっていました。

▼治療ちりょう薬やくの効果こうか

重症じゅうしょう化かを防ふせぐために感染かんせんした初期しょきに投与とうよされる「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」は、効果こうかが低下ていかするとされています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうはオミクロン株かぶに感染かんせんした患者かんじゃには、投与とうよを推奨すいしょうしないとしています。

一方いっぽうで、ウイルスの増殖ぞうしょくを防ふせぐ仕組しくみの飲のみ薬やくには影響えいきょうが出でないのではないかと考かんがえられています。

東京とうきょう大学だいがくなどの研究けんきゅうグループは、軽症けいしょう患者かんじゃ用ようの飲のみ薬やく「ラゲブリオ（一般いっぱん名めいモルヌピラビル）」を投与とうよした時ときに体内たいないに出でる物質ぶっしつや、中等ちゅうとう症しょう以上いじょうの患者かんじゃに投与とうよされる「レムデシビル」の作用さようを調しらべたところ、オミクロン株かぶに対にたいしてデルタ株かぶと同おなじ程度ていどの効果こうかが得えられたとする実験じっけん結果けっかを紹介しょうかいしています。

またWHOは、重症じゅうしょう患者かんじゃに使つかわれる免疫めんえきの過剰かじょう反応はんのうを防ふせぐ薬くすりやステロイド剤ざいは引き続ひきつづき効果こうかが期待きたいされるとしています。

専門せんもん家かは

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのメンバーで国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがくの和田わだ耕治こうじ教授きょうじゅは「感染かんせん拡大かくだいはまだ途中とちゅうで、今後こんごさらに増ふえていくことを想定そうていしないといけない。感染かんせん者しゃが増ふえると多おおくの人ひとが同時どうじに感染かんせんして医療いりょうや物流ぶつりゅう、交通こうつうに、一時いちじ的てきに大おおきな影響えいきょうが出でる懸念けねんもある。発熱はつねつなどの症状しょうじょうのある人ひとは、今いまはほかの人ひととの接触せっしょくを避さけてもらって感染かんせんリスクの高たかい場面ばめんをできるかぎり減へらし、感染かんせんのピークができるだけ高たかくならないようにすることが重要じゅうようだ」と話はなしています。

また、小児しょうに科か医いでワクチンに詳くわしい北里きたざと大学だいがくの中山なかやま哲夫てつお特とく任にん教授きょうじゅは、感染かんせんが拡大かくだいする中なか、重症じゅうしょう化かしにくいとされる子こどもでもワクチン接種せっしゅのメリットはあるとしています。

「子こどもでも、どの子こが感染かんせんして重症じゅうしょう化かするか事前じぜんに特定とくていはできず、ワクチンを接種せっしゅして備そなえるのは大切たいせつなことだ。オミクロン株かぶは上気じょうき道どう、鼻はなやのどで増ふえると言いわれていて、子こどもはたんを出だしにくかったり気道きどうが小ちいさかったりして、激はげしくせきこんだり呼吸こきゅう困難こんなんになったりすることも考かんがえられる。塾じゅくや学童がくどう保育ほいく、お稽古けいこ事ごとなど、不ふ特定とくてい多数たすうが密みつに集あつまる場面ばめんでの感染かんせん事例じれいは実際じっさいに起おきている。感染かんせんして隔離かくりされると子こどもにとって大おおきな負担ふたんなので、接種せっしゅのメリットはある」と話はなしています。

対策たいさくは変かわらない

私わたしたちができる対策たいさくはこれまでと変かわりません。

ただ、感染かんせん力りょくが強つよいため、密みつにならないようにしてマスクを外はずすときにはより注意ちゅういした方ほうがよさそうです。

とくに飲食いんしょくの場面ばめんの対策たいさくが重要じゅうようです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうも、ワクチン接種せっしゅの推進すいしんに加くわえて、特とくに会話かいわ時じなどでのマスクの着用ちゃくよう、消毒しょうどくや手洗てあらい、換気かんきや密みつを避さけるといった基本きほん的てきな対策たいさくを続つづけるよう呼よびかけています。