球磨村では記録的な豪雨で集落に続く道路や橋が寸断され、村や県によりますと、一時は78か所ある村内すべての集落が孤立状態になっていました。
その後、自衛隊などの救助で孤立していた人たちは避難所などに移され、12日、球磨村渡にある糸原集落で要請があった最後の住民の救助が行われました。
この住民は、自宅近くの川を流れる橋が崩れたため身動きがとれなくなっていました。
対岸から家族や友人が見守る中、自衛隊がヘリコプターで孤立した地域に着陸し、男性4人を乗せて飛び立ちました。
そして、村内の運動公園にヘリコプターが着陸すると、降りてきた4人は待っていた家族などと久しぶりに再会し、ほっとした表情で会話を交わしていました。
救助された糸原栄典さん(50)は「集落の救助では高齢者などを優先してもらって私はペットの犬と最後まで残っていました。家族と再会できてうれしいです」と話していました。
栄典さんの妻の輝美さん(52)は、「自宅はいつ土砂崩れが起きるか分からない場所だったので無事に救助されて安心しました。しばらくは避難所暮らしですが夫がいれば今後のことを考えるのにも心強いです」と話していました。
村によりますと、救助は完了したものの、集落への道路は寸断されたままのところが多く、村は引き続き復旧を進めることにしています。