東京都は20日午後、都内の感染状況と医療提供体制を分析・評価する「モニタリング会議」を開きました。
このうち感染状況について、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、新たな感染の確認が直近7日間の平均で256人となり、前の週と比較して減少傾向にあるものの、高い水準を維持していて、都の全域やリスクの高い高齢者に広がっていると報告しました。
そのうえで「感染が拡大していると思われる」と評価し、4段階あるレベルのうち、最も深刻な表現を6週連続で維持しました。
また医療提供体制について、大曲センター長は「重症患者の増加は加速している。通常の医療との両立を保ちつつ、重症患者のための病床を確保する必要がある」と指摘しました。
そして「体制強化が必要であると思われる」と評価し、7週連続で4段階あるレベルのうち、上から2番目の表現としました。
大曲センター長「重症者の数 まだ頭打ちではない 」
モニタリング会議のあと、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、記者団から都内の感染者数は減少傾向にあるのかと聞かれたのに対し、「慎重に捉えるべきだと思う。新規陽性者の数字が本当に下がっている可能性もあるが、お休みの時期でもあったので、検査件数が少ないことが影響しているかもしれず、現状ではわからない」と述べました。
そのうえで、「結果がみえてくるのは10日から2週間後なので、お盆休みの影響ももうしばらく見ないとわからず慎重に物事を判断すべきだと思う」と述べました。
また、重症者の推移については、「患者が一定以上増えて、重症者の数が増え始めるのにだいたい2週間の差がある。まだ頭打ちではないと思っていて、あまり楽観的にはみていない。重症の状態はすぐには改善しないので重症者の人数としては積み上がっていくことになる」と述べました。
小池知事「重症化しやすい高齢者に感染させない意識を」
都内で今月17日までの1週間に感染が確認された人のうち、感染経路がわかっている人を都が分析したところ、家庭内での感染がおよそ41%と最も多いものの、職場内や会食での感染も引き続き確認されています。
これに関連して小池知事は「家庭では日用品やタオル、歯磨きのときのコップを別々にするなど、日常生活におけるさまざまな行動にも気をつけていただきたい。今は、各世代に感染が広がっているので、なかでも重症化しやすい高齢者の皆さんに感染させないという認識を全世代で共有し意識を深めていただきたい」と呼びかけました。
また、「会食の際には万全の対策をとることや、手洗いや消毒などを徹底してお願いしたい」と呼びかけました。