そして、抽選の結果、届け出順は、
▽石破元幹事長、
▽菅官房長官、
▽岸田政務調査会長、
の順に決まりました。
このあと3人は、各陣営の出陣式に出席し、午後には、党本部で行われる立会演説会と共同記者会見に臨み、本格的な論戦が始まります。
今回の総裁選挙では、7年8か月にわたる安倍政権の政策を継続するかどうかをはじめ、新型コロナウイルス対策や経済の立て直し、それに地方の活性化などが争点となる見通しです。
総裁選挙は、今月14日の党大会に代わる両院議員総会で、国会議員と47の都道府県連の代表による投票が行われ、直ちに開票されて、新しい総裁が選ばれることになっています。
今後の日程は
8日告示された自民党総裁選挙は、今月14日の投開票に向けて選挙戦が始まります。
8日は、午前10時から党本部で立候補の受け付けが行われ、午後1時から立会演説会、そして午後3時から共同記者会見が行われます。
9日は、党の青年局と女性局が主催する討論会が行われるほか、12日には日本記者クラブ主催の討論会も予定されています。
投開票は、14日の午後2時から、東京・港区のホテルで開かれる両院議員総会で行われ、夕方までには新しい総裁が選ばれる見通しです。
一方、今回は、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、演説会や討論会の会場に入る人数が制限されるほか、各地での街頭演説会は行われないことになっています。
総裁選の仕組みは
今回の総裁選挙は、「国会議員票」394票と、47の都道府県連に3票ずつ割り当てられた141票の「地方票」の、合わせて535票で争われます。党員投票は行われません。
しかし、党内には、「党員の声を広く反映させるべきだ」といった意見も根強くあったため、各都道府県連の3票の投票先を決める際には、予備選挙などを行うよう促すことになりました。
NHKの取材によりますと、44の都府県連が予備選挙を行うとしているほか、北海道連や新潟県連は、党員などにアンケートを実施し、その結果を反映させるとしています。また、秋田県連は、地元選出の国会議員や県議会議員などで協議して3票の投票先を決めるとしています。
投開票は、今月14日に東京都内のホテルで開かれる両院議員総会で行われます。
「国会議員票」と「地方票」をあわせた535票のうち、有効票の過半数を得た候補者が当選となります。
いずれも過半数の票を獲得できなかった場合には、上位2人による決選投票が、国会議員と都道府県連の代表による535票で改めて行われます。
争点は
今回の総裁選挙では、安倍政権の政策をどこまで継続するかや、新型コロナウイルス対策、経済政策、それに地方の活性化などが争点となる見通しです。
安倍政権の政策の継続について、▽菅氏が、官房長官として政権を支えた立場から「継承して前に進める」としているのに対し、▽岸田氏は、継続すべきものは継続し、変えるべき部分は変えていくという姿勢です。一方、▽石破氏は、政権と距離を置いてきた立場から、独自の政策の実現も目指すとしています。
また、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への評価と経済政策について、▽菅氏は、株価の上昇や雇用情勢の改善につながったとして、「責任を持って引き継ぎ、さらに前に進める」としています。一方、▽岸田氏は、成果を評価しつつも、地方や中小企業まで行き渡っていないとして、中間層に配慮した経済政策を進めるとしています。また、▽石破氏は、企業の収益が増えたものの、所得の格差が固定化されていると指摘し、低所得者などへの支援を拡充するとしています。
新型コロナウイルス対策については、3人ともPCR検査の拡充やワクチン開発の促進などを目指すとしていますが、党内で見直しを求める声が出ている特別措置法の取り扱いについては違いがみられます。▽菅氏が、見直しの検討は、感染の収束後に本格化させたいとしている一方、▽岸田氏は、党内議論に前向きな姿勢を示していて、▽石破氏は、早期に議論を進めるべきだとしています。
一方、3人とも「地方の活性化」を重視する政策を掲げていて、▽菅氏は、ふるさと納税や、外国人観光客の誘致に取り組んだ実績を強調し、最低賃金の全国的な引き上げや農業改革などを政治主導で進めるとしています。▽岸田氏は、デジタル技術を活用して地方の利便性を向上させる「デジタル田園都市国家構想」を打ち出し、農林水産業を成長産業にすることも目指すとしています。▽石破氏は、新たに「東京一極集中是正担当大臣」を設け、農林水産業や中小企業の振興を図るなどして、今世紀中頃までにおよそ300万人の地方移住を実現させることを目指すとしています。