1階かいに住すむ89歳さいの男性だんせいは、「誰だれかが扉とびらをドーンと蹴ける音おとで起おきました。もうすでに正面しょうめんの出入り口でいりぐちからは出でられなくなっていて、建物たてものには白しろい煙けむりが立たちこめていました。裏口うらぐちから避難ひなんできましたが、その時ときに煙けむりを吸すってしまいました。私わたしが見みるかぎり、1階かいの住民じゅうみんで避難ひなんできている人ひとは3人にん程度ていどしかいませんでした」と話はなしていました。

2階かいの角かく部屋へやに住すんでいたという河田かわた義美よしみさん（77）は、「火事かじがあった時ときはちょうど寝ねていましたが、『おーお-い、火事かじや火事かじや！』という声こえに気きづいて、靴くつに履はき替かえる暇ひまもなくスリッパのまま外そと階段かいだんを使つかって逃にげました。黒くろい煙けむりが充満じゅうまんして、2階かいにもまわってきて、逃にげる時ときに煙けむりを吸すって苦くるしい感かんじがしました」と当時とうじの様子ようすを語かたりました。

3階かいに住すむ60代だいの男性だんせいは「焦げ臭こげくさいにおいで目めが覚さめました。外そとに出でて1階かいの様子ようすを見みに行いって火事かじに気きづきました。部屋へやに戻もどるとすでに白しろい煙けむりが立たちこめていて、急いそいで荷物にもつをまとめて避難ひなんしました」と話はなしていました。

現場げんば近ちかくの鮮魚せんぎょ店てんで働はたらく65歳さいの男性だんせいは「建物たてものでは高齢こうれいの男性だんせいが出入でいりする様子ようすをよく見みかけます。火事かじが起おきたときは白しろい煙けむりが立ち上たちのぼっていて、建物たてものの2階かいの外そと階段かいだんには立ち尽たちつくすおじいさんがいました」と話はなしていました。