このうち渡邉容疑者と小島容疑者は、フィリピン国内で別の暴力事件の裁判の被告となっていて、次の審理が6日、首都マニラの裁判所で行われます。
この裁判でフィリピンの検察は「虚偽の告訴」だとして棄却を求めていて、裁判所で棄却が決まれば、4人全員の引き渡しの法的な条件が整うことになります。
フィリピンの司法相は棄却が決まれば、7日にも4人全員を日本に引き渡す可能性があるとしていて、裁判所の判断が注目されます。
この職員は「収容者が食事の出前がほしい時、お気に入りの決まった職員に金を渡します。すると職員は勤務中その収容者に会うたびに、金をもらうことを期待するようになるのです。これは秘密裏にアイコンタクトで行われます」と語りました。 そのうえで、自分も収容者から金銭を受け取っていたと明かし、「私は一日に3000ペソをもらえなかったら、残念な気持ちになりました」と述べ、一日に日本円でおよそ7000円をもらっていたと明かしました。 そして「こうしたやり方はみんなやっていて、新しく施設に配属された職員も同じように手を染めるようになります。収容されている外国人は特権を欲しがるので、簡単にお金を稼ぐことができる、いわゆる『金脈』なのです」と話しました。
2人を知る男性の話からその接点が見えてきました。 男性は10年以上前、携帯電話関連の仕事で、札幌市内に住んでいた渡邉容疑者と会ったということです。 その際、一緒に事業をやらないかと持ちかけられたといい「渡邉容疑者から『何かいい話ないか』とか『もうけ話ないか』と聞かれ、さらに『会社を辞めて独立しないか』とも言われた」と話しました。 その後、札幌市内のマンションに呼ばれたときに会ったのが当時「宮本」という名前だった藤田容疑者で、2人はその部屋でオンライン上で女性と会話できるサービスを行っていたということです。 男性は「部屋を見せてもらったが、仕切りがあり、パソコンがたくさん並んでいてそこに女の子がいる感じで、チャットの事業をやっていると言っていた」と話しました。 渡邉容疑者と藤田容疑者の関係性については、渡邉容疑者のほうが上に感じたといいます。 男性は「対等な感じではあったが、イメージで言うとボスは渡邉容疑者だった。何かをするときや食事をするときにお金を出すのは渡邉容疑者だった」と話しました。 一方で、藤田容疑者が渡邉容疑者に不満を示すこともあったといい、「2か月給料をもらっていないと相談を受けたことがあった。愚痴を言っていたのに渡邉容疑者と一緒にいるのが不思議だった」と振り返りました。 渡邉容疑者については「お金もうけにすごい興味がありいろいろ提案するが『それはうまくいかないんじゃないか』と言うと、難しい顔をしていた。オレオレ詐欺などについても『うまくいくと思う』という趣旨の話をしていた」と話しました。 藤田容疑者については「男気のあるタイプだったが『どうせ捕まるだけ』とか『何年かしたら出られる』と言うこともあり、あまり逮捕されることに罪悪感はなかったのかもしれない」と話しました。
先月、東京 狛江市の住宅でこの家に住む大塩衣與さん(90)が殺害され高級腕時計などが奪われた強盗殺人事件で、警視庁は、全国で相次いでいる強盗事件の指示役とみられる「ルフィ」や「キム」などと名乗る人物らのグループが関与した疑いがあるとみて捜査しています。 こうした中、5日午前、東京 府中市の葬儀場で、亡くなった大塩さんの葬儀が営まれました。 大塩さんの息子によりますと、葬儀は近親者のみで行われ、骨つぼには、生前、大塩さんが愛用していたサングラスがおさめられたということです。 大塩さんの息子は「ことばになりませんが、亡くなった父親と天国で一緒にゆっくりしてくださいと心の中で伝えました。容疑者や指示役たちが捕まったとしても、母親は帰ってこない。憎いとか悔しいなどと感じてもしかたがありませんが、少しでも社会がよい方向に変わることを願ってます」と話していました。
入国管理局の職員 “収容者と職員の間での金銭授受は日常的”
渡邉容疑者と藤田容疑者の接点は
東京 狛江の強盗殺人事件で亡くなった女性の葬儀