関西の
映画文化を
けん引し、
多くの
人に
親しまれてきた
大阪 北区のミニシアター「テアトル
梅田」が30
日、32
年の
歴史に
幕を
下ろしました。
最後の
日を
迎え、
映画館には、
別れを
惜しむ多くの
映画ファンが
集まりました。
「テアトル梅田」は1990年、大阪 北区の阪急梅田駅近くにオープンしたミニシアターで、32年間にわたって2000作品以上の映画を上映してきました。
これまで、関西の映画文化をけん引してきましたが、運営会社が業務を集約するなかで30日を最後に32年の歴史に幕を下ろしました。
最後の日を迎えた30日は開館当時から通っていたというファンなど多くの人たちが集まりました。
劇場の前のロビーにはこれまでに上映された作品のチラシが貼られ、ファンの人たちは懐かしいチラシの写真を撮って、最後の別れを惜しんでいました。
「テアトル梅田」では、話題作にこだわらず、アジアや中東の日本では珍しい作品や、新人監督が自主制作したものなど、埋もれる可能性のあったさまざまなジャンルの作品に光をあててきたということです。
26年間「テアトル梅田」に勤め、イベント企画などに携わった瀧川佳典さんは「閉館が決まってファンから感謝のことばを聞くようになり、『やってきてよかった』と改めて思いました。ミニシアターとして経営的に厳しい時もありましたが、多くのファンの方々に支えられ感謝の気持ちでいっぱいです。ミニシアターに少しでも興味を持っていただけたらと思います」と話していました。
支配人「大阪のミニシアターのたすきをつないでほしい」
テアトル
梅田では、
午後6
時半ごろ、
閉館前最後の
上映が
終わると、「
この世界の
片隅に」で
監督を
務めた
片渕須直さんが
登壇して、「
映画を
撮る人、
映す人、
見る人の
距離が
近い映画館がなくなるのは
残念ですが、
ここで
映画を
見た
記憶は
残るので、
大団円にしましょう」と
語りました。
集まったファンは、スタッフにお礼を言ったり、ロビーに飾られた過去の上映作品のチラシを撮影したりして、別れを惜しみました。
最後に、木幡明夫支配人があいさつに立ち、声を詰まらせながら「映画館は閉館しますが、映画と映画館で体験したことは、ひとりひとりの中に残っていくと思います。大阪にはほかにも魅力的なミニシアターがあるので、ぜひ劇場に足を運んでいただき、たすきをつないでいただければと思います。32年間ご愛顧いただきまして、ありがとうございました」と話しました。
すると、残っていた多くのファンの間から拍手が巻き起り、拍手はしばらく鳴りやみませんでした。
そして午後8時22分、テアトル梅田は、32年の歴史に幕を下ろしました。