自分の気持ちを言葉にして身近な人に話しかけるとき、抽象的な表現をしても、相手には何のことかピンと来ないことが多いはずです。「1」言いたいことは常に具体的に。これが大切です。
どうしても伝えたいことがある。しかし、わかりやすく表現できない。そんなときは、伝えたい内容を示す具体的な例はないかな、と考えてみるのです。
(中略)
あなたに誰かが話しかけてきたと考えてください。このとき、あなたが知っている人の名前や、行ったことがある土地の名前が出てくると、思わず話に引き込まれることがあるはずです。聞いたこともない国の地名が出てきて、その国が抱える問題点を聞かされても、「だから、どうしたの」と「2」聞き返したくなるかもしれません。
「3」会話は、相手が参加してくれてこそ成立します。だったら、相手を話題に引き込む材料が必要です。それが、具体例なのです。あるいは、お互いがよく知っている固有名詞なのです。
(池上彰『相手に「伝わる」話し方』による)
ピンと来ない:すぐには分からない
話に引き込まれる:話に興味を感じて聞く