JLPT N2 – Reading Exercise 72

#205

(1)日本人はだれがほんとうの責任者なのかわかりにくい、と言われている。日本人と会議をすると、すぐに「それは本社と相談して」と言われるからだ。その場で決めてくれない。会議に出ている社員ばかりではない。社員でさえ、いや日本の首相でさえ、その場で一人で決めることはできないである。まわりの一人々と相談して、全員の了解を取って、初めて決定できる。日本人はそれに時間をかける。

このことは、よく外国人から批判の対象になってきた。しかし、私はその批判に対して二つのことを言いたい。

第一に、(2)これは日本のことだけではないということだ。実はどこの国にもあることである。大統領でも首相でも、何でも一人で決めていたら大変なことになる。まわりと相談するのは当然のことだ。ただ日本のやり方はそれが徹底していて、ほかの国よりきびしいだけなのである。

第二に、そのおかげで日本人はまとまって次の行動ができるのである。つまり、決定には時間がかかるが、(___3___)。

したがって、「本社と相談しまして……」決して悪いことではないのだ。

Vocabulary (15)
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1
(1)「日本人はだれがほんとうの責任者なのかわかりにくい」のはなぜか。
1. 首相以外はものごとを一人で決められないから
2. ものごとを決定するとき、全員の了解が必要だから
3. ものごとを決定するとき、外国人の批判をさけているから
4. ものごとを決定するとき、責任者はいつも本社にいるから
2
(2)「これ」は何を指しているか。
1. ものごとを会議の場だけで決定しないこと
2. 会議に出ている人々で相談して決定すること
3. 大統領や首相にものごとの決定権があること
4. 首相の決定について外国から批判があること
3
(___3___)に入るものはどれか。
1. そのために、決定の後から反対があるのだ
2. その後で、責任者を決めることができるのだ
3. その後は、反対者もなく計画が進められるのだ
4. それまでは責任者は一人で計画が進められるのだ