翻訳: Mika Ikeda 校正: Hiroko Kawano
翻訳: Mika Ikeda 校正: Hiroko Kawano
みなさま こんにちは
私は 「ねりまこども食堂」の 金子よしえと申します
まあ今日いらして
こども食堂のパンフレットも 入っていたと思うんですけれども
今日来る前に「こども食堂」 という言葉を知ってた方
どのくらいいらっしゃいますか?
結構いらっしゃいますね
その中で「こども食堂」の 意味も知っているという方は
どのくらい いらっしゃいましたか?
あんまりいらっしゃらない
「こども食堂」というのは
給食しか栄養が取れないとか
あるいは ひとりでご飯を食べている 兄弟で食べているという
いわゆる孤食と言われる子どもたち —
そういう子どもたちに 栄養たっぷりの バランスの取れたお食事を
無料で あるいは低価格で 提供するという食堂です
子どもがひとりでも 来られる食堂なんですよ
今 日本の ―
家庭の貧困というのが進んでいます
このデータは2009年 15.7%になっていますが
去年(2015年)厚生労働省が 発表した数字では16.3%です
つまり6人に1人が貧困
こちら側のグラフを見ていただくと
これは ひとり親家庭の数字です [日本の子どもの貧困率 15.7% (2009年)]
50.8%
シングルマザー シングルファーザーの ご家庭ということですね
つまり2人に1人の子が 貧困という状況なんです
[国際比較 子どもの貧困率(2010年)]
世界で見てみますと OECD加盟国34ヵ国中
この年(2010年)は10位でした
しかも平均を上回っています
先ほど申し上げた 50.8%という数字は
この34ヵ国中 最悪だそうです
偉そうにそんなことを言ってますけれども
実は私も1年半前までは 全然知りませんでした
テレビの番組で 子どもの貧困を扱っていたんですね
それを見た時に 食べられない子がいる
えー どこにいるの?本当なの?
驚きました
飽食の時代と言われている今
ご飯が食べられない子がいるなんて 信じられないです
でももし本当に私の周りに そういう子がいるのなら
ご飯を作って食べさせたいと思ったんです
勉強を教えるとかはね 難しくてできない —
みなさんはできるでしょうけど 私にはできませんし
でもご飯を作るくらいなら
毎日していることですから できるわけです
ですから食べさせたいと思いました
もう単純な理由なんです
私は福祉活動もしたことがありませんし
地域のネットワークもありませんし
子どももいませんから 学校との繋がりもありません
だけどご飯を食べさせるくらいなら できるかなと
ものすごく単純な ただのおせっかいで始めたんです
それで そのテレビで紹介していた
こども食堂というところに 見学に行きました
で じゃあ私も始めようと 始めたんです
それが去年(2015年)の4月です
まず場所です
近所の真宗会館という ―
これは浄土真宗の大谷派東本願寺
という所の研修施設ですね
大きな建物です
そこ[に]広いキッチンと 広い台所があることを知っていました
お昼ごはんは そこの職員の方たちが 毎日召し上がっているんですけど
夜は空いているなと思ったので
月に2回貸していただけないか お願いに行きました
そうしましたら「お寺というのは 昔は地域にすごく密着したものだった
ところが最近はどうも 地域との繋がりが持てない
ここでこども食堂を開いてくださって 地域の人が出入りをする —
ましてや子どもが出入りを するなんて大歓迎だ」と言って
快く貸してくださったんです
しかも無料で タダですよ
これ大事なんですね — 大事です
水道光熱費も無料なんです
ただ ご覧のように
ものすごく立派すぎて 入りにくいんですね
それでかわいい看板を作りました
私の友達のデザイナーがデザインをして
知り合いの大工さんが 作ってくださいました
無料で (笑)
そして子供は無料 大人は300円ということで
月に2回 始めることにしました
資金はですね 最初ありませんから
私が友人知人に手紙をばーっと出して こういうことをしたい[と言ったら]
「ぜひ協力したい」と言って 20万円集まりました
ボランティアです
ボランティアもホームページを作って
そしたらあっという間に集まりました
でもほとんどの方が 仕事を持っている方なので
何とか仕事をやりくりして時間を作って
交通費ゼロ 日当ゼロで がんばってるんですよ
人も決まりました — お金も それから場所も
次に大事なのは何でしょう?
どうやって困っている子を探すかです
そこでチラシを作りました 3000枚
私は本当に無知でしたから チラシさえ作れば
福祉事務所でも児童館でも 小学校でも幼稚園でも
どこでも置いてもらえると思ってたんです
どこにも置いてもらえません
それは1年半くらい前って
こども食堂[を]誰も知らなかったんです
「何それ?子供がご飯作るの?」 って聞かれたりしました
それから経験を積んだNPOでもなくて
「金子よしえ」という個人の団体です
怪しいです
こんな怪しい団体のチラシなんか 置いてくれるわけがないんですね
仕方がないので児童館の外で待ってて 出てくる子に渡したり
幼稚園や学校の外で 迎えに来たお母さんに渡したりとか
それからポスティングもしました
公園で遊んでいる親子にも渡しましたし 道を歩いている人にも渡しました
もう考えられることは全部しました
初めはそれでも2組くらいかな — お客様は少なかったです
でもだんだん口コミで増えてきました
それからマスコミの力が大きいんです
テレビや新聞やラジオで 報じられるようになると
どんどんお客様が集まってきました
料理は — ちょっと見にくいですかね?
バイキングにしています
それは 実はね
テレビでやっていたそのこども食堂 — 私見学に行ったんですけど
そこで食べた時にお膳に1人前って こう乗ってるんですがね
物足りなかったんです — 全然足りなかったの (笑)
それでね まあ私が食いしん坊の せいもありますけど
おなかいっぱい食べさせたい — そんな思いと
それから自分で食べるものは 自分でチョイスする
そして 残さない — 食べ物を大事にするということも教えたくて
バイキングにしました
これはある日のメニューです おいしそうでしょ?
おいしいんです それから そう おいしいんですよ
季節の食品 — 季節の一品というのを必ず入れています
だんだん有名になってくると 全国各地から
[島根県からの野菜・会津からの野菜] お野菜なんかが届くようになりました
[千葉から人参 北海道からジャガイモ] あちこちからお野菜が届きました
珍しい野菜が届いた時には 使ってしまわないで 受付に置いて
子供たちに 見せたり触らせたりしています
こちらの 何だと思いますか? ご存知の方いますか?
「そうめんかぼちゃ」という珍しいものです
それからこちらの 真ん中にある細長い大根 —
これが有名な練馬大根です
お野菜だけではありません お米も調味料も届きました
それから韓国のりもいただきました
去年はカブトムシまで届いて
子どもたちは嬉しくてね
ご飯を食べる間中 片時も そばから離しませんでした
子どもたちを見てて思うんですけども
家庭とか学校以外の 知らない大人と食事をしたことが少ない —
そういう経験を持つ子が 非常に少ないことです
こども食堂では 知らないおばちゃんが話しかけてきます
「残しちゃダメだよ」と 知らないおじちゃんに怒られます
「きれいに食べたね」って 大学生のお姉ちゃんが褒めてくれたりします
そういう知らない大人と関わり合う — 他者との関わり方を学んで
心の枠を広げていって ほしいなと思っています
ひとりで家でゲームをしながら ご飯を食べている子もいると思います
まあそれはそれでいいです
でも「こども食堂に来てみんなで 食べるのも楽しいよね」と話しています
みんなで同じものを食べるということは
親しく話せるというベースができるんです
しかも おいしいものを食べて おなかいっぱいだと
幸せな気分になりますよね
気持ちも優しくなりますよね
だから みんなで食べることは 楽しい おいしいという事を
知ってもらいたくてやっています
食べ終わった後は隣に 大きな和室がありまして
そこでみんなで遊びます
遊んでいる子もいれば 宿題を持ってきてやっている子もいます
知らない子同士が仲良くなります
知らないお母さん同士も話が弾むんです
では最後に こども食堂に来ている 子どもたちのことをお話しします
大半が ひとり親家庭の子です
シングルマザーのお母さんが 子どもと一緒に来ます
「もうね~1日働いて 本当にくたびれて家に帰った時には
もうご飯を作る気力がないの 昨日はカップ麺でした」
なんていう声を聞きます
小学生のお姉ちゃんと妹 2人だけで来ている子がいます
お母さんが8時半にしか 家に帰ってこないからです
仕事が忙しいからですね
こども食堂でご飯を食べて 絵本を読んだりして
8時過ぎてから家に帰って行きます
シングルファーザーのあるお宅です
中学生のお姉ちゃんが 毎日夕ご飯を作って
小学校6年の男の子と 一緒に食べているそうです
その小学校6年の男の子を 学校の先生が連れて来てくださいました
おいしそうに食べます 笑っています はしゃいでいます
学校の先生がおっしゃいました
「あんな笑顔 学校では見たことないわ」
嬉しい話 たくさんあります
例えば 「家じゃあ 全然ニンジン食べないのに
ここに来るとニンジン食べるんですよ」 とか
「あなたトマト好きだったの? 知らなかったわ」
なんてお母さんもいます
もう1軒シングルファーザーのお宅
高校1年の男の子がいます
お父さんはほとんど家に 帰って来ないそうです
おじさんという方が
「甥っ子と久しぶりに会ったら 痩せているようだし
それからどうも話を聞くと ご飯を食べてないようだから」と言って
こども食堂に一緒に来てくれました
その日は炊き込みご飯でした
彼は5杯もおかわりしました
メールでもお礼をいただいたりするので ちょっとご紹介しますね
初めて来たお母さんと 7歳の女の子からのメールです
「参加前に想像していたよりも ずっと あたたかで アットホームで
みなさん気さくに話しかけてくださり
ご飯もものすごくおいしかったです
普段主人は単身赴任でいませんので
娘と2人静かな食事です
というより会話がないんです
ずーっと2人だけでいると もう何だかいっぱいいっぱいなんです
今日はいろんなお話ができましたし
子どもにも話しかけてくださり
恥ずかしがっていましたが とてもおいしく 楽しかったようです
帰り道に子どもと『こども食堂』の ご飯のおいしかった話 —
楽しい時間だったね という話をして帰りました」
そんなメールをいただきました
私はこの1年間 — まだたった1年ですけども
こども食堂を運営してきて
子どもたちが本当に様々な環境で 育っているんだということを実感しました
私たちから見ると「かわいそうね」 という環境の子がたくさんいます
でもその子にとったら その環境は当たり前なんです
その家庭が当たり前 — 他の家庭を知らないからです
ところがだんだん大きくなって
「違う家庭もあるんだ」 ということを知るようになります
そうすると「なんで僕だけ?」 「どうして私だけ?」
という疑問を持つようになりますね
もっと大きくなってくると そのまま進んでしまうと
「僕なんか」「どうせ私なんか」と なってしまうかもしれません
そうならないためにも こども食堂という場所が
家庭と学校ともうひとつの —
いろんなおじちゃんおばちゃん いろんな大人と知り合える —
子どものひとつの居場所として
成立したらなと今願っています
子どもの環境が少しでも広がることで
子どもの未来が 広がるんじゃないかな と期待しています
最初に貧困の話をしました
グラフをお見せしました
あれは経済的な貧困です
でも貧困というのはどうでしょう?
経済的なものだけではないと思います
コミュニケーションの貧困
心の貧困
こども食堂というのは
単におなかをいっぱいにするだけではなくて 別の役割があるんじゃないかなと
今そんな風に実感していますし また そうありたいと願っています
どうもありがとうございました
No word list
Japanese Words - Spring Activities
佳子さま「みどりの感謝祭」名誉総裁として挨拶(2022年5月7日)
すかいらーくHD 持ち帰り用のスプーンなど木製に(2021年10月6日)
期限迫ればシールで値引き コンビニ食品ロス削減(2021年7月13日)
あなた以上
10年桜
【OL必見!女の本音が面白い】連続川柳ドラマ【第2話】
告られ度が90%当たる10の質問 あなたがどのタイプか今すぐチェック
ありがとう
好きな人がいること
You need to upgrade to a premium account to using this feature
Are you sure you want to test again?
Please upgrade your account to read unlimited newspapers