くわしく】100ねんまえうら?プーチン大統領だいとうりょう演説えんぜつ 全文ぜんぶん分析ぶんせき
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Apr 19, 2022 19:04
Furigana
Japanese newspaper
ロシアぐんがウクライナに侵攻しんこうして、およそ1か月かげつはん

プーチン大統領だいとうりょうはいったい、いつになったら戦闘せんとうをやめるのか。

侵攻しんこうのねらいはなんなのか?

きゅうソビエト時代じだいから長年ながねんにわたってロシアを取材しゅざいしてきたNHKの石川いしかわ一洋かずひろ解説かいせつ委員いいんに、プーチン大統領だいとうりょう演説えんぜつ発言はつげん分析ぶんせきしてもらいました。

今回こんかい分析ぶんせきからは

1.100ねんまえうら

2.側近そっきんかたよ

というキーワードが浮かび上うかびあがってきました。

演説えんぜつ全文ぜんぶん記事きじ後半こうはんにあります)

今回こんかい注目ちゅうもくした演説えんぜつは?

すこさかのぼりますが、2つき21にち緊急きんきゅう安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎのち国民こくみんけたテレビ演説えんぜつです。24にち、ウクライナに侵攻しんこうする直前ちょくぜんのものです。
緊急きんきゅう安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎのあと、プーチン大統領だいとうりょうは、ウクライナの東部とうぶ2しゅううちしんロシア事実じじつじょう支配しはいしている地域ちいきについて、独立どくりつ国家こっかとして一方いっぽうてき承認しょうにんする大統領だいとうりょうれい署名しょめい

このあとにおこなわれたこの演説えんぜつではロシア国民こくみんだけでなく、「ウクライナの同胞どうほうたち」にもびかけるということばではじまりました。

演説えんぜつではなにを?

100ねんまえからのロシアとウクライナの歴史れきしです。

演説えんぜつなかで、プーチン大統領だいとうりょうは、きゅうソビエト時代じだいのロシアとウクライナの境界きょうかい決め方きめかたについて、うらみ、つらみをぶちまけています。

いまのウクライナの国境こっきょうは、ソビエト共産きょうさんとう創設そうせつしゃ指導しどうしゃのレーニンがロシアから本来ほんらい領土りょうど取り上とりあげて、作り上つくりあげたものだとべたのです。

いまのウクライナのひとにとってはいがかりのようなものですね。

境界きょうかい決め方きめかたとは?

そのまえに、すこロシアの歴史れきしについてお話おはなします。

1917ねんだい1世界せかい大戦たいせんのさなか、2つき革命かくめいでロシア帝国ていこく崩壊ほうかいし、社会しゃかい主義しゅぎ革命かくめい、10つき革命かくめいてロシアではレーニンひきいるボルシェビキ共産党きょうさんとう権力けんりょくにぎります。

それから5ねんちょうどいまから100ねんまえの1922ねんにソビエト社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわこく連邦れんぽう建国けんこくします。

ソビエト連邦れんぽう略称りゃくしょうばれたくにで、世界せかい最初さいしょ社会しゃかい主義しゅぎ国家こっかです。

ソビエト連邦れんぽうは、ロシアやウクライナという社会しゃかい主義しゅぎくにたばねた連邦れんぽう国家こっかというかたちをとっていました。

ロシア、ウクライナ、ベラルーシなど自由じゆう参加さんかした社会しゃかい主義しゅぎ連邦れんぽうというかたち建て前たてまえとしてとっていました。

ただ実質じっしつは、ソビエト共産党きょうさんとう秘密ひみつ警察けいさつKGBが支配しはいする独裁どくさい国家こっかでした。

これらのことについて、プーチン大統領だいとうりょう演説えんぜつなかつぎのようにはなしています。

(プーチン大統領だいとうりょう演説えんぜつより)

現代げんだいのウクライナはすべてロシアによって、正確せいかくにはボルシェビキ、共産きょうさん主義しゅぎのロシアによってつくられたということからはじめたい。このプロセスは、1917ねん革命かくめいほぼ直後ちょくごはじまった。ちなみにレーニンとその仲間なかまたちは、ロシア自身じしんにとってかなり手荒てあらやり方やりかたで、すなわち、ロシアの歴史れきしてき領土りょうど一部いちぶ分離ぶんり切断せつだんすることによってそれおこなった。その土地とちんでいたなんひゃくまんにんもの人々ひとびと意見いけんなど当然とうぜんだれなにことはしなかった。

その後そのごだい祖国そこく戦争せんそう前後ぜんごで、スターリンはすでに、それまでポーランド、ルーマニア、ハンガリーの領土りょうどだったいくつかの土地とちをソビエト連邦れんぽう併合へいごうし、ウクライナに引き渡ひきわたした。そのさい、スターリンは、一種いっしゅ補償ほしょうとして、もともとドイツりょうだった土地とち一部いちぶをポーランドに割譲かつじょうした。1954ねんにはフルシチョフがなぜかロシアからクリミアを取り上とりあげ、ウクライナにあたえた。のところ、このようにしてソビエトのウクライナりょう形成けいせいされたのだ」

うらみつらみとは?

これはつまり、ウクライナは、ロシアの土地とちをソビエト共産きょうさんとう創設そうせつしゃ指導しどうしゃのレーニンが奪い取うばいとって、つくられたくにだとかたっているのです。

そしてここからがおそろしい部分ぶぶんです。

(プーチン大統領だいとうりょう演説えんぜつより)

実際じっさい、すでにべたように、ボルシェビキの政策せいさくによってしょうじたのがソビエトのウクライナであり、現在げんざいも『ウラジーミル・イリイチ・レーニンのウクライナ』とばれるにふさわしい。かれその作者さくしゃであり設計せっけいしゃであるこのことは、ウクライナに文字もじどおり押し込おしこめられたドンバスに対にたいするレーニンのきびしい指令しれいなど文書ぶんしょによって、完全かんぜん裏付うらづけられている。

それなのにいま、『おんかんじている子孫しそんたち』はウクライナにあるレーニンぞう取り壊とりこわした。

かれこれ共産きょうさんんでいる。

あなたかたは、共産きょうさんのぞんでいるのか。

まあそれもいいだろう。

しかしよくわれるように、中途ちゅうと半端はんぱわってはならない。ウクライナにとってしん共産きょうさんなに意味いみするのか、あなたかたせる準備じゅんびはできている」

どうおそろしいの?

プーチン大統領だいとうりょう主張しゅちょうこうです。

ウクライナでは、だつレーニン、共産きょうさんのプロセスがつづいているのだろう。

では、われわれが本当ほんとう意味いみでのだつレーニンということがどういうことかおしえてあげましょう。

と、っているのです。

つまり、レーニンがあげたものをすべて、われわれにかえしてくださいねと、この演説えんぜつではっているのです。

これためには、ウクライナのロシアへの感情かんじょう理解りかいする必要ひつようがあります。

じつウクライナは共産きょうさん主義しゅぎのソビエト体制たいせいへのうらほねずいまでしみこんでいます。

たとえばウクライナ西部せいぶはナチス・ヒトラーとスターリンの密約みつやくによってだい2世界せかい大戦たいせん開始かいし直後ちょくごに、きゅうソビエトが占領せんりょうし、自国じこくりょうきゅうソビエトのなかのウクライナにくわえた土地とちです。

そのソビエトなかですさまじい弾圧だんあつおこなわれました。

とくウクライナ西部せいぶあるリビウというまちは、歴史れきしてきはんロシアの感情かんじょうがある地域ちいきで、ソビエト体制たいせいへの反発はんぱつつよところです。

わたし取材しゅざいしましたが、ソビエト崩壊ほうかい直前ちょくぜんの1990ねん4つきごろには、まちちゅうのすべてのレーニンぞうたおされていました。

ほかにもスターリン時代じだい富農ふのう撲滅ぼくめつ農業のうぎょう集団しゅうだんともなだいきんなど、さまざまな弾圧だんあつがあり、プーチン大統領だいとうりょうにウクライナはきゅうソビエトによってつくられたとわれたら、ウクライナのひとたちは反発はんぱつしかないでしょう。

ウクライナのひとたちはどうおも

これはウクライナのひとたちにとってはたまらないですよね。

100ねんまえのことをちだされても。

歴史れきしてきにどこがロシアでどこがウクライナなのか、それぞれ領土りょうど大陸たいりく国家こっか主張しゅちょうしあったら、いたところ領土りょうど紛争ふんそうきてしまいます。

それめましょうというのが国際こくさい秩序ちつじょ原則げんそくで、それを一方いっぽうてきやぶったのがプーチン大統領だいとうりょうです。

しかもプーチン大統領だいとうりょう最近さいきん30年間ねんかんのウクライナとロシアの歴史れきし完全かんぜん無視むししています。

歴史れきし無視むしとは?

ウクライナとロシアのでは、30ねんまえに、こんな約束やくそくむすばれています。

1991ねん12つき、ロシアのエリツィン大統領だいとうりょうとウクライナのクラフチュク大統領だいとうりょうそしてベラルーシのシュシケビッチ議長ぎちょう調印ちょういんしたベロベーシの合意ごうい、ソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかい独立どくりつ国家こっか共同きょうどうたい創設そうせつ合意ごういです。

そのだい5じょうで「加盟かめいこく領土りょうど一体いったいせい国境こっきょう不可侵ふかしん共同きょうどうたいわくない承認しょうにんし、尊重そんちょうする」といています。

つまりエリツィン・クラフチュクりょう大統領だいとうりょうは、いろいろ不満ふまんがあっても領土りょうど問題もんだい持ち出もちだせば戦争せんそうになりかねないという危険きけんせい認識にんしきし、ソビエト崩壊ほうかいときに「国境こっきょうせんうごかさない」というもっと重要じゅうよう原則げんそく合意ごういしたのです。

そのときわたし取材しゅざいをしていましたが、領土りょうど問題もんだい持ち出もちだせば戦争せんそうになりかねないとの危険きけんかんじていました。

それけるための首脳しゅのうかん英知えいちだったのです。

その後そのごロシアとウクライナは2こくかん条約じょうやくかたちなん陸上りくじょう部分ぶぶん国境こっきょうについては合意ごういしています。

こうした最近さいきんの30年間ねんかん歴史れきしをプーチン大統領だいとうりょう無視むししているのです。

ほかにもうらみつらみが?

演説えんぜつでは、ソビエト崩壊ほうかいも、ロシアがどれほどウクライナを支援しえんしてきたのかわすれてはならないということにもれています。

つまり、ソビエト崩壊ほうかい、ロシアがどれだけの善意ぜんいをウクライナにしめし、あたえてきたかと強調きょうちょうしています。

(プーチン大統領だいとうりょう演説えんぜつより)

「わが国民こくみんは、まさに国民こくみんは、ソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいあらわれたあたらしい地政学ちせいがくてき現実げんじつ受け入うけいれ、あら独立どくりつ国家こっかみとめた。みとめただけではない。ロシア自身じしん当時とうじ非常ひじょう困難こんなん状況じょうきょうにありながらも、ウクライナをふくCIS諸国しょこくのパートナーたちを支援しえんした。こうした国々くにぐにからは、独立どくりつ宣言せんげんした直後ちょくごから、数多かずおお物資ぶっし支援しえん依頼いらい舞い込まいこんできた。そしてわが国わがくには、ウクライナの尊厳そんげん主権しゅけん尊重そんちょうしながら、そうした支援しえん実施じっしした。ロシアがウクライナに提供ていきょうしたエネルギー資源しげん価格かかく優遇ゆうぐうてき融資ゆうし経済けいざい貿易ぼうえきにおける特恵とっけいてき待遇たいぐうなど算出さんしゅつした専門せんもんらの試算しさんによると、1991ねんから2013ねんまでにウクライナの国庫こっこけた利益りえき総額そうがくは、やく2500おくドルだった」

「パートナーシップのわりに、依存いぞん関係かんけいがはびこり、それときとしてウクライナ政権せいけんがわからのまったくあつかましい性格せいかくびるようになった。エネルギー輸送ゆそう分野ぶんやにおける絶え間たえまない恐喝きょうかつと、いつもガス盗用とうよう思い出おもいだせば十分じゅうぶんだ」

プーチン大統領だいとうりょう侵攻しんこうのねらいは?

この演説えんぜつの3にちに、実際じっさいにプーチン大統領だいとうりょうはウクライナに侵攻しんこうします。
わたしは、この演説えんぜつまでは、軍事ぐんじ侵攻しんこう可能かのうせい認識にんしきしても、まさかそんな無謀むぼうなことはしないだろうとおもい、期待きたいしていました。

しかしこの演説えんぜついたとき軍事ぐんじ侵攻しんこう東部とうぶのドンバスだけでなく、おそらくウクライナへの全面ぜんめん侵攻しんこうなる確信かくしんしました。

プーチン大統領だいとうりょうが100ねんまえ歴史れきしまでさかのぼり、ウクライナ国家こっか正統せいとうせいをロシア目線めせん否定ひていしたからです。

プーチン大統領だいとうりょう異変いへん

フリージャーナリストで、ロシア政治せいじ内情ないじょう非常ひじょうくわしいミハイル・ズガリは、プーチン大統領だいとうりょうは、経済けいざいなどいまのロシアに興味きょうみがなく、歴史れきしにしか関心かんしんがないといます。

また側近そっきん意見いけんかなくなっているとっています。

わたしそのかんが間違まちがっていないとおもいます。

じつ、プーチン大統領だいとうりょう側近そっきんには、かつては、いろいろタイプひとたちがいました。経済けいざい政策せいさく担当たんとうには、非常ひじょうにリベラルな経済けいざい学者がくしゃおおくいました。

プーチン大統領だいとうりょう自身じしん会合かいごうで、いろいろひとあつめて、議論ぎろんしてめるというタイプひとでした。

それが、ウクライナ侵攻しんこう直前ちょくぜんごろから、演説えんぜつでも、非常ひじょうかたよったというか、1つの見方みかた執着しゅうちゃくするような傾向けいこうがみられます。

それ特異とくい歴史れきし認識にんしき隣国りんごくへの異常いじょう執着しゅうちゃくです。

大統領だいとうりょう個人こじんとして、そうした歴史れきし認識にんしきことはあるでしょうが、その考え方かんがえかたもとづいて隣国りんごくとの政策せいさく決定けっていする、実際じっさい軍事ぐんじ侵攻しんこうまでするというのはおどろです。

プーチン大統領だいとうりょうは、いまは、新型しんがたコロナのなか側近そっきんとの接触せっしょくすくなくなり、大統領だいとうりょう直言ちょくげんできる側近そっきんがいなくなったのかもしれません。

全文ぜんぶん】2つき21にち プーチン大統領だいとうりょう テレビ演説えんぜつ

親愛しんあいなるロシア国民こくみん皆様みなさま親愛しんあいなる友人ゆうじん皆様みなさま

この演説えんぜつテーマは、ウクライナの情勢じょうせいであり、それなぜわたしたちにとって、ロシアにとって重要じゅうようなのかということだ。

もちろん、これはウクライナの同胞どうほうたちにびかけるものでもある

じっくりと、くわしくはな必要ひつようある

問題もんだい非常ひじょう深刻しんこくだ。

ドンバス情勢じょうせいは、ふたた危機ききてき深刻しんこくになっている。

そしてきょう、あなたがたに直接ちょくせつびかけるのは、現状げんじょう評価ひょうかするためだけでなく、どのような決定けっていくだされているのか、この方向ほうこうせい今後こんごどのような展開てんかいになりかについて、みなさんお知おしらせするためでもある

あらためて強調きょうちょうしておく。

ウクライナは、わたしたちにとってたんなる隣国りんごくではない。

それは、わたしたちの独自どくじ歴史れきし文化ぶんか精神せいしん世界せかいから切り離きりはなことのできないいち部分ぶぶんだ。

同僚どうりょう友人ゆうじん、かつての戦友せんゆうだけでなく、親戚しんせき血縁けつえん家族かぞくきずなでつながっている人々ひとびとなどわたしたちの同志どうしであり、親族しんぞくでもあるのだ。

歴史れきしてきなロシアの土地とち南西なんせい人々ひとびとは、ずっとむかしから、自分じぶんたちのことをロシアじんでありせい教徒きょうとあるしょうしてきた。

17世紀せいきこれら土地とち一部いちぶがロシア国家こっかさい統合とうごうされたまえも、そうだった。

このことは、基本きほんてきみなっており、周知しゅうち事実じじつあるわたしたちはおもっている。

しかし現在げんざいきていることを理解りかいし、ロシアの行動こうどう動機どうきわたしたちが追求ついきゅうする目標もくひょうについて説明せつめいするためには、すくなくともこの問題もんだい歴史れきしひと言ひとことれておく必要ひつようある

まず、現代げんだいのウクライナはすべてロシアによって、正確せいかくにはボルシェビキ、共産きょうさん主義しゅぎのロシアによってつくられたということからはじめたい。

このプロセスは、1917ねん革命かくめいほぼ直後ちょくごはじまった。

ちなみにレーニンとその仲間なかまたちは、ロシア自身じしんにとってかなり手荒てあらやり方やりかたで、すなわち、ロシアの歴史れきしてき領土りょうど一部いちぶ分離ぶんり切断せつだんすることによってそれおこなった。

その土地とちんでいたなんひゃくまんにんもの人々ひとびと意見いけんなど当然とうぜんだれなにことはしなかった。

その後そのごだい祖国そこく戦争せんそう前後ぜんごで、スターリンはすでに、それまでポーランド、ルーマニア、ハンガリーの領土りょうどだったいくつかの土地とちをソビエト連邦れんぽう併合へいごうし、ウクライナに引き渡ひきわたした。

そのさい、スターリンは、一種いっしゅ補償ほしょうとして、もともとドイツりょうだった土地とち一部いちぶをポーランドに割譲かつじょうした。

1954ねんにはフルシチョフがなぜかロシアからクリミアを取り上とりあげ、ウクライナにあたえた。

のところ、このようにしてソビエトのウクライナりょう形成けいせいされたのだ。

しかしこことく注目ちゅうもくしたいのは、ソビエト連邦れんぽう誕生たんじょうしてもない時期じきある

それわたしたちにとってきわめて重要じゅうようあるかんがえる

いわば、遠回とおまわする必要ひつようあるのだ。

1917ねんの10つき革命かくめいそれつづ内戦ないせんのち、ボルシェビキがあたらしいくにづく着手ちゃくしゅしたが、そのさいかれかなり意見いけん相違そういがあったことを思い出おもいだしてほしい。

1922ねんにロシア共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいんかい書記しょきちょう民族みんぞく問題もんだい人民じんみん委員いいん兼任けんにんしたスターリンは、自治じち原則げんそくもとづくくにづくりを提案ていあんした。

つまり将来しょうらい行政ぎょうせい領土りょうど単位たんいある共和きょうわこくに対にたい統一とういつ国家こっか編入へんにゅうするさい広範こうはん権限けんげん付与ふよするというものだった。

レーニンはこの計画けいかく批判ひはんし、かれ当時とうじ無党派むとうはそう」とんでいた民族みんぞく主義しゅぎしゃらに譲歩じょうほすることを提案ていあんした。

まさにこの本質ほんしつてき連邦れんぽうせい国家こっか体制たいせいつくべきというレーニンの構想こうそうと、分離ぶんりまでをもふく民族みんぞく自決じけつ権利けんりについてのスローガンが、ソビエト国家こっか基盤きばんとなった。

まず1922ねんにソビエト連邦れんぽう樹立じゅりつ宣言せんげん明記めいきされ、その後そのご、レーニンの死後しご、1924ねんのソビエト連邦れんぽう憲法けんぽうにも明記めいきされた。

ここですぐにおお疑問ぎもんしょうじる

そのうちの1つ実際じっさいもっと重要じゅうようなものは、なぜきゅう帝国ていこく周辺しゅうへん地域ちいき絶え間たえまなくたかまっていく民族みんぞく主義しゅぎしゃたちの野心やしんたしてやる必要ひつようがあったのか、ということである

しばしば恣意しいてき形成けいせいされたあら行政ぎょうせい単位たんいある連邦れんぽう共和きょうわこくに、広大こうだいで、しばしばなに関係かんけいもない領土りょうど譲渡じょうとする必要ひつようがあったのか。

繰り返くりかえが、歴史れきしてきなロシアの人口じんこう一緒いっしょ引き渡ひきわたしたのだ。

しかも事実じじつじょうこれら行政ぎょうせい単位たんいには国民こくみん国家こっか地位ちい形態けいたいあたえられていた。

あらためてかんがえてみると、なぜそのような、もっと熱烈ねつれつ民族みんぞく主義しゅぎしゃたちでさえそれまでゆめこともしなかったような気前きまえよい贈り物おくりものをし、しかも統一とういつ国家こっかから離脱りだつする権利けんり共和きょうわこく条件じょうけんあたえる必要ひつようがあったのだろうか。

一見いっけんこれまった理解りかい不能ふのうな、狂気きょうき沙汰さたのようだ。

しかしそれ一見いっけんしたところだけのはなしで、説明せつめいはつくのだ。

革命かくめい、ボルシェビキの重要じゅうよう課題かだいは、どんな代償だいしょうはらってでも権力けんりょくみとどまるということだった。

まさにどんな代償だいしょうはらってでも

そのためにかれはなんでもやった。

カイザーのドイツとその同盟どうめいこく軍事ぐんじてきにも経済けいざいてきにもきわめてくるしい状況じょうきょうにあり、だいいち世界せかい大戦たいせん結果けっかほぼまっていた時期じきに、ブレスト=リトフスク条約じょうやく屈辱くつじょくてき条件じょうけん受け入うけいれたし、国内こくない民族みんぞく主義しゅぎしゃたちからのあらゆる要求ようきゅう要望ようぼうこたえようともしていた。

ロシアの国家こっか国民こくみん歴史れきしてき運命うんめい観点かんてんかられば、国家こっか形成けいせいにおけるレーニンの原則げんそくは、たんなるあやまだっただけでなく、ぞくあやまちよりもはるかにわるかった、ということだ。

1991ねんにソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいしたあと、そのことが完全かんぜんあきらかになった。

もちろん、過去かこ出来事できごとえることはできない。

しかしわたしたちはすくなくともそれについて率直そっちょく誠実せいじつに、なに条件じょうけんもつけず、政治せいじしょくくわえることなくかたらなくてはならない。

わたしから付け加つけくわえることができるのは、どんな政治せいじてき考察こうさつも、ある時期じきに、いかにそれ華々はなばなしく有利ゆうりえたとしても、それを国家こっか体制たいせい基本きほんてき原則げんそく基礎きそにすることは、どんな状況じょうきょうにおいてもあってはならないし、ありえない、ということだけだ。

いまだれかをめようとしているわけではない。

内戦ないせんそしてその前夜ぜんや国内こくない状況じょうきょうは、しんがたほどに複雑ふくざつ危機ききてきだった。

きょういたいのは、なにもかもまさにそのような状況じょうきょうだったということだけだ。

それ歴史れきしてき事実じじつだ。

実際じっさい、すでにべたように、ボルシェビキの政策せいさくによってしょうじたのがソビエトのウクライナであり、現在げんざいも「ウラジーミル・イリイチ・レーニンのウクライナ」とばれるにふさわしい。

かれはその作者さくしゃであり設計せっけいしゃである

このことは、ウクライナに文字もじどおり押し込おしこめられたドンバスに対にたいするレーニンのきびしい指令しれいなど文書ぶんしょによって、完全かんぜん裏付うらづけられている。

それなのにいま、「おんかんじている子孫しそんたち」はウクライナにあるレーニンぞう取り壊とりこわした。

かれこれ共産きょうさんんでいる。

あなたかたは、共産きょうさんのぞんでいるのか。

まあそれもいいだろう。

しかしよくわれるように、中途ちゅうと半端はんぱわってはならない。

ウクライナにとってしん共産きょうさんなに意味いみするのか、あなたかたせる準備じゅんびはできている。

この問題もんだい歴史れきしはなしもどと、繰り返くりかえなるが、1922ねんきゅうロシア帝国ていこく空間くうかんにソビエト連邦れんぽう誕生たんじょうした。

しかしすぐに現実げんじつは、これだけ広大こうだい複雑ふくざつ領土りょうど維持いじすることも、かたちのない事実じじつじょう連邦れんぽうせい原則げんそくもとづいて領土りょうど統治とうちすることも、とにかく不可能ふかのうあるということをしめした。

現実げんじつからも歴史れきしてき伝統でんとうからもまったかけ離かけはなれていたのだ。

赤色あかいろテロとスターリンの独裁どくさいへの急速きゅうそく移行いこう共産きょうさん主義しゅぎイデオロギーの支配しはい共産党きょうさんとうによる権力けんりょく独占どくせん国有こくゆう国家こっか計画けいかく経済けいざい

これらすべてが、形式けいしきてきには提唱ていしょうされたものの機能きのうしない国家こっか原則げんそくを、たんなる宣言せんげんえてしまったのは当然とうぜんだ。

現実げんじつでは、連邦れんぽう共和きょうわこくにはなに主権しゅけんまれることなく、存在そんざいすらしなかった。

実際じっさいには、きわめて中央ちゅうおう集権しゅうけんてきな、完全かんぜんなる単一たんいつ国家こっか誕生たんじょうしたのだ。

スターリンは、事実じじつ、レーニンではなく、自分じぶん自身じしん国家こっか機構きこうについてのかんが完全かんぜん実践じっせん実現じつげんした。

しかし基本きほんてき文書ぶんしょ憲法けんぽう相応そうおう修正しゅうせいくわえることはしなかった。

宣言せんげんされたソビエト連邦れんぽう樹立じゅりつのレーニンの原則げんそく正式せいしき改訂かいていすることもしなかった。

たしに、おそらくそのような必要ひつようはなかったのだろう。

全体ぜんたい主義しゅぎ体制たいせいのもとですべてが機能きのうし、外見がいけんてきにはうつくしく、魅力みりょくてきで、ちょう民主みんしゅ主義しゅぎてきにさええた。

それにしても残念ざんねんだ。

革命かくめい触発しょくはつされたまわしいユートピアてき空想くうそうが、これはまともなくににとってきわめて破滅はめつてきなものだが、それが、わが国わがくに全体ぜんたい基本きほんてき正式せいしき法的ほうてき基礎きそからすみやか一掃いっそうされなかったことは、非常ひじょう残念ざんねんだ。

以前いぜんからわが国わがくにではよくあったことだが、だれ将来しょうらいのことをかんがえなかった。

共産きょうさんとう指導しどうしゃたちは、強固きょうこ統治とうち体制たいせい形成けいせいすることができた、自分じぶんたちの政策せいさくによって民族みんぞく問題もんだい完全かんぜん解決かいけつすることができたと確信かくしんしていたようだ。

しかしかいざん概念がいねんすり替すりか世論せろん操作そうさまんなどはたかくつく。

民族みんぞく主義しゅぎしゃ野心やしんのバチルスがえてなくなったわけではなかった民族みんぞく主義しゅぎ感染かんせんに対にたいする国家こっか免疫めんえきりょくよわめるためにめられていた地雷じらいは、まさに爆発ばくはつしようとしていた。

繰り返くりかえが、その地雷じらいとは、ソビエト連邦れんぽうから分離ぶんり独立どくりつする権利けんりだった。

1980年代ねんだいなか社会しゃかい経済けいざい問題もんだい深刻しんこくしていき、計画けいかく経済けいざいあきらか危機ききにひんしていたなか民族みんぞく問題もんだいますます先鋭せんえいしていった。

問題もんだい本質ほんしつ国民こくみん期待きたいたされない願望がんぼうというよりもむしろ、地方ちほうのエリートたちの増大ぞうだいする欲求よっきゅうであった。

しかしソビエト共産きょうさんとう指導しどうは、状況じょうきょうふか分析ぶんせきし、まず経済けいざいにおいて適切てきせつ処置しょちこうじ、また段階だんかいてき熟慮じゅくりょかさねて計画けいかくてき政治せいじ体制たいせい国家こっか機構きこう変革へんかくしていくわりに、民族みんぞく自決じけつのレーニンの原則げんそく復活ふっかつさせるという露骨ろこつ言い回いいまわ終始しゅうしした。

さらに、共産きょうさん党内とうない権力けんりょく闘争とうそう展開てんかいされるなか対立たいりつする各派かくは支持しじ基盤きばん拡大かくだいしようと、民族みんぞく主義しゅぎてき機運きうん軽率けいそつ刺激しげき助長じょちょうしてそれ利用りようするようになり、潜在せんざいてき支持しじしゃらがのぞものはなんでも約束やくそくするようになった。

民主みんしゅ主義しゅぎや、市場しじょう経済けいざい計画けいかく経済けいざい基礎きそとしたかがやかしい未来みらいについて、うわべだけの大衆たいしゅう迎合げいごうてきむだ話むだばなしおこなわれるなか、その一方いっぽう人々ひとびと現実げんじつ貧困ひんこん全体ぜんたいてきなモノ不足ふそくにあえぐなか権力けんりょくしゃだれいちにんとして、くににとって悲劇ひげきてき結末けつまつけられないであろうとかんがえたものはいなかった。

その後そのご自分じぶんたちの党内とうないはぐくまれた民族みんぞく主義しゅぎエリートたちの野心やしん満足まんぞくさせるという、ソビエト連邦れんぽう黎明れいめい確立かくりつされたみちこととなった。

かれは、ソビエト共産きょうさんとう手中しゅちゅうには(さいわなことだが)国家こっかテロやスターリンのような独裁どくさいしゃといった、権力けんりょくおよびくにそのものを維持いじするための手段しゅだんもうということをわすれていた。

とう悪名あくめいたか指導しどうてき役割やくわりさえ、まるで朝霧あさぎりのように跡形あとかたもなくまえから消え去きえさろうとしていたのに。

そして1989ねん9つきのソビエト共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいんかい総会そうかいで、運命うんめいてき文書ぶんしょ採択さいたくされた。

それは、現状げんじょうにおけるとう民族みんぞく政策せいさくばれる、ソビエト共産きょうさんとう綱領こうりょうだった。

その内容ないようは、引用いんようするとつぎのようなものだった。

連邦れんぽう共和きょうわこくは、主権しゅけんてき社会しゃかい主義しゅぎ国家こっかとしての地位ちい相応そうおうするすべての権利けんりゆうする

もう1つはこうだ。

連邦れんぽう共和きょうわこく最高さいこう代表だいひょう機関きかんは、その領土りょうどにおいて、連邦れんぽう政府せいふ決議けつぎ命令めいれい不服ふふくとし、その効力こうりょく停止ていしすることができる

そして最後さいごこれだ。

かく連邦れんぽう共和きょうわこくは、独自どくじ市民しみんけんゆうし、その市民しみんけんをすべての住民じゅうみん適用てきようさせることができる

このような考え方かんがえかた決定けっていなにをもたらすかは、あきらかだったのではないだろうか。

いまここは、くに法律ほうりつ憲法けんぽう問題もんだい踏み込ふみこんだり、市民しみんけん概念がいねん自体じたい定義ていぎしたりする時間じかんでも場所ばしょでもない。

それにしてもやはり疑問ぎもんしょうじる

ただでさえきびしい状況じょうきょうなかで、なぜこれほどまでにくにるがす必要ひつようがあったのだろうか。

しかし事実じじつ事実じじつだ。

ソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいする2ねんまえ時点じてんで、その運命うんめい実質じっしつまっていた。

いま過激かげき民族みんぞく主義しゅぎしゃが、どこよりもまずウクライナにいるそうしたものたちが、独立どくりつ獲得かくとくしたのは自分じぶんたちの手柄てがらだとっている。

かりのように、それまったちが

わたしたちの統一とういつ国家こっか崩壊ほうかいしたのは、ボルシェビキの指導しどうしゃたち、ソビエト共産きょうさんとう指導しどうが、くにづくりや経済けいざい政策せいさく民族みんぞく政策せいさくにおいて、その時々ときどき歴史れきしてき戦略せんりゃくてきあやまおかしてきたからだ。

ソビエト連邦れんぽうという歴史れきしてきなロシアの崩壊ほうかいは、かれ責任せきにんある

あらゆるロシアの不正ふせいまん、あからさまな略奪りゃくだつにもかかわらず、わが国民こくみんは、まさに国民こくみんは、ソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいあらわれたあたらしい地政学ちせいがくてき現実げんじつ受け入うけいれ、あら独立どくりつ国家こっかみとめた。

みとめただけではない。

ロシア自身じしん当時とうじ非常ひじょう困難こんなん状況じょうきょうにありながらも、ウクライナをふくCIS諸国しょこくのパートナーたちを支援しえんした。

こうした国々くにぐにからは、独立どくりつ宣言せんげんした直後ちょくごから、数多かずおお物資ぶっし支援しえん依頼いらい舞い込まいこんできた。

そしてわが国わがくには、ウクライナの尊厳そんげん主権しゅけん尊重そんちょうしながら、そうした支援しえん実施じっしした。

ロシアがウクライナに提供ていきょうしたエネルギー資源しげん価格かかく優遇ゆうぐうてき融資ゆうし経済けいざい貿易ぼうえきにおける特恵とっけいてき待遇たいぐうなど算出さんしゅつした専門せんもんらの試算しさんによると、1991ねんから2013ねんまでにウクライナの国庫こっこけた利益りえき総額そうがくは、やく2500おくドルだった。

しかしそれだけではない。

1991ねんまつには、ソビエト連邦れんぽう外国がいこく国際こくさい基金ききんに対にたいする債務さいむは、やく1000おくドルにたっしていた。

当初とうしょこれら債務さいむは、すべてのきゅうソビエト諸国しょこく連帯れんたいして、それぞれ経済けいざいりょくおうじて返済へんさいすることになっていた。

しかし、ロシアはソビエトの債務さいむ返済へんさいをすべて引き受ひきうけ、完済かんさいした。

2017ねんにこのプロセスを完了かんりょうした。

そのわりに、あら独立どくりつした国々くにぐには、ソビエトの対外たいがい資産しさん放棄ほうきすることになった。

ウクライナとは、そのような合意ごういが1994ねん12つき成立せいりつした。

しかしキエフはこの合意ごうい批准ひじゅんせず、あとになって履行りこうすることを拒否きょひし、ダイヤモンド基金ききんきむ準備じゅんびきんその他そのたきゅうソビエトの対外たいがい資産しさんなど要求ようきゅうした。

よくられたこれら問題もんだいにもかかわらず、ロシアはつねウクライナとオープン誠実せいじつに、そして繰り返くりかえが、その国益こくえき尊重そんちょうしながら協力きょうりょくしてきた。

わたしたちの関係かんけい幅広はばひろ分野ぶんやにおいて発展はってんしていった。

このようにして2011ねんには、こくかん貿易ぼうえきだかは、500おくドルをえた。

っておくが、2019ねんのウクライナのEU諸国しょこく全体ぜんたいとの貿易ぼうえきだかは、つまりパンデミック以前いぜんであっても、この指標しひょうにはおよばなかった。

それ同時どうじ、ウクライナ政権せいけんが、ロシアとの関係かんけいにおいてあらゆる権利けんり利点りてんちながら、いかなる義務ぎむわないように行動こうどうすることをこのんだことは特記とっきすべきである

パートナーシップのわりに、依存いぞん関係かんけいがはびこり、それときとしてウクライナ政権せいけんがわからのまったくあつかましい性格せいかくびるようになった。

エネルギー輸送ゆそう分野ぶんやにおける絶え間たえまない恐喝きょうかつと、いつもガス盗用とうよう思い出おもいだせば十分じゅうぶんだ。

それくわえ、キエフはロシアとの対話たいわを、西側にしがわとの駆け引かけひ材料ざいりょう使つかおうとしていた。

モスクワに接近せっきんするとおどして優遇ゆうぐう措置そちもとめた。

そうでなければ、ウクライナに対にたいするロシアの影響えいきょうりょくって。

ウクライナ政権せいけん当初とうしょから、ここ強調きょうちょうしておきたいのだが、まさに最初さいしょ段階だんかいから、わたしたちを結び付むすびつけているあらゆるものを否定ひていすることによって自国じこくきずこうとし、ウクライナにぜん世代せだいすうひゃくまんにんもの人々ひとびと意識いしき歴史れきしてき記憶きおくをゆがめようとした。

ウクライナ社会しゃかいが、攻撃こうげきてきなロシア恐怖症きょうふしょうとネオナチズムというかたちをとって台頭たいとうした極端きょくたん民族みんぞく主義しゅぎ直面ちょくめんしたのは当然とうぜん結果けっかだ。

このせいで、ウクライナの民族みんぞく主義しゅぎしゃとネオナチがきたコーカサスのテロリスト集団しゅうだん関与かんよし、ロシアに対にたいして領土りょうど要求ようきゅうするこえがさらにつよまった。

外部がいぶ勢力せいりょく一翼いちよくになった。

それらはNPOや治安ちあん機関きかん幅広はばひろネットワークを使つかって、ウクライナで顧客こきゃく開拓かいたくし、その代表だいひょうらを権力けんりょく押し上おしあげた。

ウクライナは、本質ほんしつてきに、しん国家こっかとしての確固かっこたる伝統でんとうゆうしたことがいちもない、ということも理解りかいしておく必要ひつようある

1991ねん以来いらい歴史れきしからもウクライナの現実げんじつからも切り離きりはなされた、よそのモデル機械きかいてき模倣もほうするというみちあゆんできた。

くに政治せいじ機構きこうは、急速きゅうそく台頭たいとうしてきた勢力せいりょくにとって有利ゆうりなるよう、かれ打算ださんてき私利しり私欲しよくわせるよう、つねつくえられてきた。

それはウクライナ国民こくみん全体ぜんたいてき利益りえきとはなに関係かんけいなかった。

ウクライナのオリガルヒ政権せいけんいわゆるおや欧米おうべい文明ぶんめいてき選択せんたくをした意義いぎは、国民こくみん幸福こうふくのためによりよい条件じょうけん作り出つくりだことではなく、ロシアの地政学ちせいがくてきライバルに隷属れいぞくてき便宜べんぎはかことで、オルガルヒがウクライナの人々ひとびとからぬすって西側にしがわ銀行ぎんこう口座こうざ隠し持かくしもっているすうじゅうおくドルをまもことにあったし、いまもまたそうである

一部いちぶ産業さんぎょう金融きんゆうグループや、その傘下さんかある政党せいとう政治せいじたちは、最初さいしょから民族みんぞく主義しゅぎしゃ過激かげき依存いぞんしていた。

また、ロシアとの良好りょうこう関係かんけいや、文化ぶんか言語げんご多様たようせいとなえ、そのような志向しこうこころから支持しじする南東なんとうすうひゃくまんにん住民じゅうみんふくめた国民こくみんからのひょうて、権力けんりょくについたものもいた。

しかし就任しゅうにんしたとたん、かれ有権者ゆうけんしゃ裏切うらぎり、みずからの公約こうやく放棄ほうきし、実際じっさい政策せいさく過激かげきとおりに実施じっしし、ときにはきのうまでの仲間なかまある、バイリンガル主義しゅぎやロシアとの協力きょうりょく支持しじしていた社会しゃかい団体だんたい弾圧だんあつしたりもした。

かれは、自分じぶん支持しじしゃたちは、原則げんそくとして法律ほうりつ順守じゅんしゅし、穏健おんけん立場たちばで、権力けんりょく信頼しんらいすることにれており、過激かげきとはちがって攻撃こうげきてきになることもないし、違法いほう行為こういはしこともないということを利用りようしたのだ。

一方いっぽう過激かげきあつかましくなっていき、としごとにかれ要求ようきゅう増大ぞうだいしていった。

かれは、よわ政権せいけんに対にたい自分じぶんたちの意志いし繰り返くりかえしつけることが容易よういあることをった。

政権せいけん民族みんぞく主義しゅぎ汚職おしょくのウイルスにおかされており、国民こくみんしん文化ぶんかてき経済けいざいてき社会しゃかいてき利益りえきや、しんのウクライナの主権しゅけんを、さまざまな民族みんぞく主義しゅぎてき思惑おもわく外形がいけいてき民族みんぞくがくてき属性ぞくせいに、たくすり替すりかえた。

ウクライナでは安定あんていした国家こっか成立せいりつしたことはなく、政治せいじ選挙せんきょ手続てつづは、さまざまなオリガルヒの権力けんりょく財産ざいさんさい分配ぶんぱいするためのカモフラージュ、かくれみのにすぎない。

汚職おしょくは、うたがようもなく、ロシアをふくめ、おおくににとって課題かだいであり問題もんだいとなっているが、ウクライナではすでに特殊とくしゅ性質せいしつびるようになっている。

それ文字もじどおり、ウクライナの国家こっか体制たいせい全体ぜんたいあらゆる権力けんりょく枝葉えだはにまで浸透しんとうし、むしばんでいる。

過激かげきは、人々ひとびと正当せいとう不満ふまん利用りようして抗議こうぎ活動かつどう触発しょくはつし、2014ねんにはマイダンをクーデターへとみちびいた。

そのときかれ外国がいこくから直接ちょくせつ援助えんじょけていた。

入手にゅうしゅした情報じょうほうによると、キエフの独立どくりつ広場ひろばにあったいわゆる抗議こうぎキャンプアメリカ大使館あめりかたいしかんおこなった資金しきんめんでの支援しえんは、1にち100まんドルにのぼった。

それくわえ、かなり大金たいきんが、はん体制たいせい指導しどうしゃたちの銀行ぎんこう口座こうざ直接ちょくせつ臆面おくめんもなく振り込ふりこまれていた。

すうせんまんドルというがくだ。

実際じっさいにけがをった人々ひとびと、キエフやその他そのた都市とし路上ろじょう広場ひろば誘発ゆうはつされた衝突しょうとつくなった人々ひとびと遺族いぞくは、結局けっきょくいくら受け取うけとっただろうか。

これについてはかないほうがいいだろう。

権力けんりょく掌握しょうあくした過激かげきは、憲法けんぽう違反いはんした行動こうどう反対はんたいとなえた人々ひとびとに対にたい弾圧だんあつまさに恐怖きょうふ政治せいじおこなった。

政治せいじジャーナリスト社会しゃかい活動かつどうらをしいたげ、公然こうぜん侮辱ぶじょくした。

ウクライナの都市としには、集団しゅうだん虐殺ぎゃくさつ暴力ぼうりょくなみ押し寄おしよせ、大胆だいたん野放のばな殺人さつじん数多かずおおきた。

平和へいわてき抗議こうぎ活動かつどう参加さんかしゃ残忍ざんにん殺害さつがいされ、労働ろうどう組合くみあい会館かいかんきたままかれるというオデッサのおそろしい悲劇ひげき記憶きおくに、戦慄せんりつおぼえずにはいられない。

この悪事あくじはたらいた犯罪はんざいしゃばっせられてもいないだれかれのことをさがしてもいない。

しかしわたしたちはかれ名前なまえっており、かれらをばっし、捜し出さがしだして裁判さいばんかけるために、できるかぎりのことをやるつもりだ。

マイダンによって、ウクライナが民主みんしゅ主義しゅぎ進歩しんぽちかづくことはなかった。

クーデーターをこした民族みんぞく主義しゅぎしゃや、かれ支持しじした政治せいじ勢力せいりょくは、完全かんぜん事態じたい行き詰いきづまらせ、ウクライナを内戦ないせんという奈落ならく突き落つきおとした。

あれから8ねんがたち、くに分裂ぶんれつしている。

ウクライナはきびしい社会しゃかい経済けいざい危機ききある

国際こくさい機関きかん情報じょうほうによると、2019ねん、およそ600まんにんのウクライナじんが、っておくがこれ労働ろうどう人口じんこうではなく、ぜん人口じんこうの15%に相当そうとうするのだが、そうした人々ひとびとしょくもとめて国外こくがいことを余儀よぎなくされた。

しかもおお場合ばあい原則げんそくとして、日雇ひやと単純たんじゅん労働ろうどう仕事しごとだ。

つぎのような事実じじつ特徴とくちょうてきだ。

すなわち、パンデミックのもと、2020ねん以降いこう、6まんにんあま医師いし医療いりょう従事じゅうじしゃくにった。

2014ねん以降いこう水道すいどうだいは3わりちか電気でんきだいすうばい、ガスだいすうじゅうばい値上ねあがりした。

光熱こうねつ支払しはらお金おかねのない人々ひとびとたくさんいる。

かれ文字もじどおり生き延いきのびることに必死ひっしなのだ。

なにきたのか。

なぜこんなことになったのか。

こた明白めいはくだ。

ソビエト時代じだいだけでなく、ロシア帝国ていこくからも受け継うけついだ遺産いさんを、浪費ろうひし、ぬすんだからだ。

ロシアとの緊密きんみつ協力きょうりょくもあったおかげで、人々ひとびと安定あんていした収入しゅうにゅうあたえ、国庫こっこ税金ぜいきんをもたらしていたすうまんすうじゅうまんという雇用こよううしなわれた。

機械きかい製造せいぞう機器きき製作せいさく電子でんし産業さんぎょう造船ぞうせん航空こうくう製造せいぞうなど分野ぶんやは、低迷ていめいしているか、もしくはすっかり崩壊ほうかいしてしまった。

かつては、ウクライナだけでなく、ソビエト連邦れんぽう全体ぜんたいほこであったのに。

2021ねんには、エカテリーナ2せい時代じだいはじめて造船ぞうせんしょ建設けんせつされた、ニコラエフの黒海こっかい造船ぞうせんしょ解体かいたいされた。

有名ゆうめいメーカーある「アントノフ」は2016ねん以降いこう、1航空こうくう生産せいさんていないし、ミサイルや宇宙うちゅう機器きき生産せいさんとくした工場こうじょう「ユジマシュ」は倒産とうさん寸前すんぜんだ。

クレメンチュグ製鋼せいこうしょもそうだ。

このかなしいリストはまだまだつづけることができる

ソビエト連邦れんぽう全土ぜんど建設けんせつしたガス輸送ゆそうシステムについてえば、運用うんようにはおおきなリスクをともない、環境かんきょうコストがかさんでしまうほどにまで老朽ろうきゅうした。

ここ疑問ぎもんしょうじる

貧困ひんこん窮地きゅうち産業さんぎょう技術ぎじゅつりょく損失そんしつ

これが、なんひゃくまんにんもの人々ひとびと楽園らくえん約束やくそくしながら、長年ながねんにわたってかれをだましてきた、あのおや欧米おうべい文明ぶんめいてき選択せんたくなのだろうかと。

実際じっさいは、ウクライナ経済けいざい崩壊ほうかいしたことで国民こくみんから臆面おくめんもなく略奪りゃくだつする行為こういしょうじ、ウクライナ自体じたい外部がいぶからの管理かんりいやられるという結果けっかになった。

これは、西側にしがわ諸国しょこくからの指示しじだけでなく、ウクライナに展開てんかいする、外国がいこくじんアドバイザーやNPO、その他そのた機構きこうなどのネットワーク全体ぜんたいを通をつうじて現地げんち直接ちょくせつおこなわれている。

かれは、あらゆる主要しゅよう人事じんじ決定けっていや、中央ちゅうおうから地方ちほうまですべての権力けんりょく枝葉えだはに、また、「ナフトガズ」「ウクルエネルゴ」、ウクライナ鉄道てつどう、「ウクルオボロンプロム」「ウクルポーチタ」、ウクライナ海港かいこう管理かんりきょくなどの主要しゅよう国営こくえい企業きぎょう公社こうしゃにも、直接ちょくせつてき影響えいきょうりょくっている。

独立どくりつした裁判所さいばんしょはウクライナには存在そんざいしない。

西側にしがわ要求ようきゅうおうじて、ウクライナ政権せいけんは、最高さいこう司法しほう機関きかんある司法しほう評議ひょうぎかい高等こうとう裁判官さいばんかん選考せんこう委員いいんかいのメンバー選出せんしゅつする優先ゆうせんけんを、国際こくさい機関きかん代表だいひょうらにあたえた。

またアメリカ大使館あめりかたいしかんは、国家こっか汚職おしょく防止ぼうしちょう国家こっか汚職おしょく防止ぼうしきょく汚職おしょく防止ぼうし専門せんもん検察庁けんさつちょう汚職おしょく防止ぼうし最高さいこう裁判所さいばんしょを、直接ちょくせつ支配しはいしている。

これはすべて、汚職おしょくとのたたかをより効果こうかてきなものにするためという、もっともらしい口実こうじつのもとにおこなわれている。

それよいとして、その結果けっかどこあるのか。

汚職おしょくはな咲き乱さきみだれ、いま、かつてよりもさらに咲き誇さきほこっている。

ウクライナの人々ひとびとこのように支配しはいされていることをっているのだろうか。

自分じぶんたちのくに政治せいじてき経済けいざいてき保護ほごにすらなく、傀儡かいらい政権せいけんによる植民しょくみんしてしまっていることに気付きづいているのだろうか。

国家こっか私物しぶつによって、「愛国あいこくしゃちから」を自称じしょうする政権せいけんは、国家こっかとしての性格せいかくうしない、一貫いっかんして完全かんぜん主権しゅけんうしな方向ほうこうへとかっている。

ロシア強制きょうせいてき同化どうか政策せいさくつづけられている。

ウクライナ最高さいこう議会ぎかい絶え間たえまなくあら差別さべつてき法令ほうれい生み出うみだしている。

いわゆる先住民せんじゅうみんぞくに関にかんする法律ほうりつもすでに施行しこうされている。

自分じぶんのことをロシアじんだとかんがえ、自分じぶんのアイデンティティ、言語げんご文化ぶんかまもっていきたいとかんがえている人々ひとびとは、ウクライナではよそ者よそものあるということを思い知おもいしらされたのだ。

教育きょういくほう国語こくごとしてのウクライナ機能きのうに関にかんする法律ほうりつにより、ロシアは、学校がっこうから一般いっぱん商店しょうてんいたまで、あらゆる公共こうきょうから追放ついほうされた。

いわゆる権力けんりょく浄化じょうかに関にかんする法律ほうりつによって、のぞましくない公務員こうむいん処分しょぶんすることができるようになった。

ウクライナの治安ちあん機関きかんに、表現ひょうげん自由じゆうことなる見解けんかいきびしくおさえこみ、はん体制たいせい弾圧だんあつするための根拠こんきょあたえるような法令ほうれいどんどんまれている。

世界せかいでは、他国たこく外国がいこく個人こじん法人ほうじんに対にたいして一方いっぽうてき非合法ひごうほう制裁せいさいというかなしむべき慣習かんしゅうひろられている。

ウクライナは、西側にしがわ監督かんとくしゃ出し抜だしぬき、自国じこく国民こくみん企業きぎょうテレビ局てれびきょくその他そのたメディア、さらには議会ぎかい議員ぎいんに対にたいして制裁せいさいという手段しゅだんかんがえついた。

キエフは、モスクワそう主教しゅきょうちょうけいウクライナ正教せいきょうかいにも制裁せいさいくわえる準備じゅんびつづけている。

これ感情かんじょうてき評価ひょうかではなく、具体ぐたいてき決定けってい文書ぶんしょしめしていることだ。

教会きょうかい分裂ぶんれつ悲劇ひげきを、ウクライナ政権せいけんは、皮肉ひにくにも政治せいじ道具どうぐえてしまった。

現在げんざいくに指導しどうは、聖職せいしょくしゃ権利けんり侵害しんがいするような法律ほうりつ廃止はいししてほしいというウクライナ国民こくみん要望ようぼうこたえようとしない。

さらに、モスクワそう主教しゅきょうちょうけいウクライナ正教せいきょうかい聖職せいしょくしゃすうひゃくまんにん信徒しんとに対にたいするあら法案ほうあん最高さいこう議会ぎかい登録とうろくされている。

クリミアについてひと言ひとことべたい。

半島はんとう住民じゅうみんは、自由じゆう選択せんたくとして、ロシアと共とともあることをえらんだ。

このはっきりとした明確めいかく人々ひとびと意志いしに、ウクライナ政権せいけんなに意義いぎとなえることはできない。

だから攻撃こうげきてき行動こうどうこし、イスラム過激かげき主義しゅぎ組織そしきふく過激かげきグループ活性かっせいし、重要じゅうようインフラにテロ攻撃こうげきをしかけたりロシアじん誘拐ゆうかいするための破壊はかい工作こうさくグループを投入とうにゅうすることにおもいているのだ。

このような攻撃こうげきてき行動こうどうが、外国がいこく特殊とくしゅ部隊ぶたい支援しえんけておこなわれていることの直接ちょくせつてき証拠しょうこわたしたちはっている。

2021ねん3つき、ウクライナはあら軍事ぐんじ戦略せんりゃく採択さいたくした。

この文書ぶんしょ実質じっしつ全体ぜんたいてきにロシアとの対立たいりつテーマとなっており、わが国わがくにとの対立たいりつ外国がいこく引きずり込ひきずりこことを目標もくひょうとしてかかげている。

この戦略せんりゃくは、ロシアのクリミアと、ドンバス領土りょうどで、テロリストの地下ちか組織そしきつくことを提案ていあんしている。

また想定そうていされる戦争せんそう輪郭りんかくえがいており、いまのキエフの戦略せんりゃくたちは、つぎのように終結しゅうけつするはずだとかんがえているようだ。

以下いか引用いんようする。

国際こくさい社会しゃかい協力きょうりょくのもと、ウクライナに有利ゆうり条件じょうけんで」

さらに、現在げんざいキエフでどのように表現ひょうげんされているか、これについても引用いんようするので、よく注意ちゅういしていてほしい。

「ロシア連邦れんぽうとの地政学ちせいがくてき対立たいりつにおいて国際こくさい社会しゃかいからの軍事ぐんじてき支援しえんけて」

ようするにこれは、わが国わがくにロシアに対にたいする軍事ぐんじ行動こうどうけた準備じゅんびにほかならない。

われわれはまた、ウクライナが独自どくじ核兵器かくへいき製造せいぞうしようとしているとの声明せいめいがすでにていることをっている。

それ虚勢きょせいではない。

実際じっさい、ウクライナはソビエトのかく技術ぎじゅつその運搬うんぱん手段しゅだんまだ保有ほゆうしている。

航空こうくうや、ソビエトの設計せっけいによる射程しゃてい距離きょり100キロえる戦術せんじゅつミサイル「トーチカU」などだ。

しかしそれよりもっとおおのものをつくだろう。

これ時間じかん問題もんだいだ。

ソビエト時代じだいからの下地したじあるのだ。

このように、ウクライナにとって戦術せんじゅつ核兵器かくへいきことは、どこくにかここで名指なざはしないが、そのような開発かいはつすすめているほかいくつかのくによりもはるかに容易よういであろう。

とく外国がいこくからの技術ぎじゅつてき支援しえんがあった場合ばあいは。

わたしたちはこのようなことも排除はいじょすべきではない。

ウクライナに大量たいりょう破壊はかい兵器へいきあらわれるようなことになれば、世界せかいヨーロッパとくわたしたちロシアにとって、状況じょうきょう激変げきへんするだろう。

このしん危険きけん対応たいおうしないわけにはいかない。

とりわけ西側にしがわ後援こうえんしゃたちが、わが国わがくにに対にたいするあら脅威きょうい作り出つくりだために、ウクライナにそのような兵器へいき出現しゅつげんするのを助長じょちょうする可能かのうせいがあるのだから。

ウクライナ政権せいけん武器ぶき供与きょうよしつようすすめられていることをわたしたちはっている。

アメリカだけでも、2014ねん以降いこう武器ぶき装備そうび調達ちょうたつ専門せんもん養成ようせいなどすうじゅうおくドルをついやしている。

ここすう月間げっかんで、西側にしがわ兵器へいき次々つぎつぎと、これみよがしに世界中せかいじゅう人々ひとびとれるかたちで、ウクライナへと送り込おくりこまれている。

ウクライナのぐん特殊とくしゅ部隊ぶたい活動かつどうは、外国がいこくのアドバイザーが指揮しきしている。

わたしたちはそのことをよくっている。

ここすうねん演習えんしゅうという口実こうじつのもとに、ウクライナ国内こくないにはほぼ常時じょうじ、NATOぐん部隊ぶたい駐留ちゅうりゅうしてきた。

ウクライナぐん指揮しき統制とうせいシステムはすでにNATOのそれ統合とうごうされている。

それはつまり、ウクライナぐん個々ここ部隊ぶたい支隊したいであっても、NATO本部ほんぶから直接ちょくせつ指令しれいけることができるということだ。

アメリカとNATOは、こりうる軍事ぐんじ活動かつどう舞台ぶたいとしてウクライナ領土りょうどあつかましく開発かいはつはじめた。

定期ていきてき合同ごうどう演習えんしゅうは、あきらかはんロシアてきなものだ。

去年きょねんだけで、2まん3000にんあま軍人ぐんじんと1000をえる兵器へいき演習えんしゅう参加さんかした。

2022ねん多国たこくかん演習えんしゅう参加さんかするため他国たこくぐんがウクライナに入国にゅうこくすることをみとめる法律ほうりつ採択さいたくされている。

それおもにNATOぐんのことをしめしているのはかりきったことだ。

そしてことしは、すくなくとも合同ごうどう演習えんしゅうが10かい予定よていされている。

このようなイベントが、NATOぐん部隊ぶたい素早すばやくウクライナ国内こくない増強ぞうきょうするためのカモフラージュになっていることはあきらかだ。

しかもアメリカ援助えんじょによって近代きんだいされた、ボリスポリ、イワノ・フランコフスク、チュグエフ、オデッサなどかく空港くうこうのネットワークは、最短さいたん期間きかん部隊ぶたい移動いどうさせることを可能かのうにしている。

ウクライナの領空りょうくうは、アメリカ戦略せんりゃく偵察ていさつよう航空こうくうやロシア領土りょうど監視かんしするために使つかわれるドローンの飛行ひこう開放かいほうされている。

さらにっておくが、アメリカによって設立せつりつされたオチャコフの海上かいじょう作戦さくせんセンターは、こう精度せいど武器ぶきをロシア黒海こっかい艦隊かんたい黒海こっかい沿岸えんがんのインフラに対にたいして使用しようするといったNATO艦船かんせん活動かつどう可能かのうにしている。

アメリカいち時期じき同様どうよう施設しせつをクリミアにもつくろうとしていた。

しかし、クリミアとセバストポリの人々ひとびとこの計画けいかく阻止そしした。

わたしたちはこのことをずっとおぼえている。

繰り返くりかえが、現在げんざいこのようなセンター展開てんかいされており、すでにオチャコフに配置はいちされている。

18世紀せいき、アレクサンドル・スヴォーロフの兵士へいしたちがこの都市としのためにたたかったことを思い出おもいだしてほしい。

かれ勇敢ゆうかんさのおかげで、この都市としはロシアの一部いちぶとなった。

18世紀せいき当時とうじ、オスマン帝国ていこくとのたたか結果けっか、ロシアに編入へんにゅうされた黒海こっかい沿岸えんがん土地とちは、ノヴォロシアとばれた。

いま、この歴史れきし重要じゅうよう節目ふしめが、ロシア帝国ていこく軍人ぐんじん名前なまえとともに忘れ去わすれさられようとしている。

かれはたらなくしては、現代げんだいのウクライナの主要しゅよう都市としおおく、また黒海こっかいへのアクセスさえ存在そんざいなかっただろうに。

最近さいきん、ポルタワで、アレクサンドル・スヴォーロフのぞう撤去てっきょされた。

それでなにいたいのか。

あなたたちは自身じしん過去かこ否定ひていするのか。

ロシア帝国ていこくいわゆる植民しょくみん時代じだい遺産いさんを?

それならばすじとおしてほしい。

つぎこう。

ウクライナ憲法けんぽうだい17じょうは、外国がいこく軍事ぐんじ基地きち自国じこく領土りょうどへの配備はいびみとめていないということを指摘してきしておきたい。

しかしこれ簡単かんたん回避かいひできる慣習かんしゅうにすぎないことが判明はんめいした。

ウクライナでは、NATO諸国しょこく養成ようせい訓練くんれんミッションが展開てんかいしている。

これは、実質じっしつ外国がいこく軍事ぐんじ基地きちある

たん基地きちのことをミッションとんでごまかしているだけだ。

キエフでは以前いぜんからNATOの加盟かめい目指めざ戦略せんりゃくてき方針ほうしん打ち出うちだしている。

たしに、当然とうぜんながら、どのくににも、自分じぶん安全あんぜん保障ほしょう体制たいせい選択せんたくし、軍事ぐんじ同盟どうめいむす権利けんりある

1つの「しかし」をのぞけば、まさにそうあるようにおもわれる。

国際こくさい文書ぶんしょには対等たいとうかつ可分かぶん安全あんぜん保障ほしょう原則げんそく明記めいきされている。

そこには、よくられているように、他国たこく安全あんぜん保障ほしょう犠牲ぎせいにして自国じこく安全あんぜん保障ほしょう強化きょうかしないという義務ぎむふくまれている。

これについて、1999ねんにイスタンブールで採択さいたくされた欧州おうしゅう安全あんぜん保障ほしょう憲章けんしょうや、2010ねんのOSCEアスタナ宣言せんげんれいげることができる

いかえれば、安全あんぜん保障ほしょう手段しゅだん選択せんたくが、他国たこくにとっての脅威きょうい作り出つくりだしてはならないということだ。

ウクライナのNATO加盟かめいは、ロシアの安全あんぜん保障ほしょうにとって直接ちょくせつてき脅威きょういある

2008ねん4つき、NATOのブカレストサミットで、アメリカが、ウクライナを、ちなみにグルジアも、NATOのメンバーにするという決定けっていつよしたことを思い出おもいだしてほしい。

ヨーロッパ同盟どうめいこくおおは、当時とうじすでに、そのような見通みとおともなあらゆるリスクについて承知しょうちしていた。

しかしかれはシニアパートナーの意思いし受け入うけいれざるをなかった。

アメリカは、明確めいかくはんロシア政策せいさく推し進おしすすめるために、かれただ利用りようしたのだ。

NATO加盟かめいこくには、ウクライナの加盟かめいまだ懐疑かいぎてきくにすくなくない。

同時どうじ、こうしたヨーロッパ諸国しょこくから、わたしたちは「なに懸念けねんしているのか。文字もじどおり明日あしたきるというわけではない」というシグナルを受け取うけとっている。

じつアメリカおなようなことをっている。

それに対にたいわたしたちはこうこたえる

「いいだろう。明日あしたでなければ、あさってだ。歴史れきしてきそれなにわるのか。実質じっしつなにわらない」と。

さらに、もしウクライナがNATOの基準きじゅんたし、汚職おしょく問題もんだい克服こくふくすることができれば、ウクライナ東部とうぶにおける活発かっぱつ戦闘せんとう行為こういは、このくにのNATO加盟かめい可能かのうせい排除はいじょするものではないという、アメリカ指導しどう立場たちば発言はつげんわたしたちは承知しょうちしている。

しかしかれは、NATOは平和へいわてき純粋じゅんすい防衛ぼうえいてき同盟どうめいあると、わたしたちをなん説得せっとくしようとしてきた。

ロシアに対にたいする脅威きょういなどないといながら。

ここでもまた、ことばをしんじろとのだ。

しかしそのようなことばの本当ほんとう価値かちわたしたちはよくっている。

1990ねん、ドイツ統一とういつ問題もんだい議論ぎろんされたとき、ソビエトの指導しどうに対にたいアメリカがわは、NATOの管轄かんかつ軍事ぐんじてきプレゼンスを1インチもひがし拡大かくだいしないと約束やくそくした。

そして、ドイツの統一とういつは、NATOの東方とうほう拡大かくだいにはつながらないと。

これ引用いんようだ。

さんざんしゃべり、口約束くちやくそく繰り返くりかえしたが、すべてはかえした。

のちに、なか東欧とうおう諸国しょこくのNATO加盟かめいは、モスクワとの関係かんけい改善かいぜんし、これら国々くにぐに重苦おもくるしい歴史れきしてき遺産いさん恐怖きょうふから解放かいほうし、ロシアに友好ゆうこうてき国々くにぐにベルト地帯ちたいつくことになると、ロシアを説得せっとくするようになっていった。

すべてはまったぎゃく状況じょうきょうになった。

いくつかの東欧とうおう諸国しょこく政権せいけんは、ロシア恐怖症きょうふしょう駆け引かけひ使つかいながら、自分じぶんたちの劣等れっとうかんやロシアの脅威きょういに関にかんするステレオタイプをNATOに持ち込もちこみ、おもにロシアに対にたいして展開てんかいされるべき集団しゅうだんてき防衛ぼうえいりょく増強ぞうきょうすべきだと主張しゅちょうした。

ちなみにこれは、わたしたちの開放かいほうせい好意こういおかげで、ロシアと西側にしがわ関係かんけいもっとたかレベルにあった1990年代ねんだいから2000年代ねんだい初頭しょとうにかけてきたことだ。

ロシアは自分じぶん義務ぎむはすべてたした。

ドイツやなか東欧とうおう諸国しょこくから部隊ぶたい撤退てったいさせ、冷戦れいせん遺産いさん克服こくふくするために多大ただい貢献こうけんをした。

わたしたちは一貫いっかんして、ロシア・NATO理事りじかいやOSCEの枠組わくぐなどふく、さまざまな協力きょうりょくあり方ありかた提案ていあんした。

さらにここで、これまでいちおおやけったことのないことをっておきたい。

はじめてべることだ。

2000ねん退任たいにんするアメリカビル・クリントン大統領だいとうりょうがモスクワを訪問ほうもんしたさいわたしかれにこうたずねた。

「NATOがロシアを受け入うけいれることについて、アメリカどうおもだろうか」と。

この会話かいわ詳細しょうさいかすことはしないが、わたし質問しつもんに対にたいする反応はんのうは、外面がいめんてきには、ってみればかなり抑制よくせいされたものだった。

しかしこの可能かのうせいについてアメリカ本当ほんとうのところどうおもったかは、わが国わがくにに対にたいしてかれ実際じっさいにとった行動こうどうればほぼかることだ。

それきたコーカサスのテロリストへの公然こうぜんたる支援しえん、NATO拡大かくだいにおける安全あんぜん保障ほしょうじょうわたしたちの要求ようきゅう懸念けねんに対にたいする関心かんしん、ABM条約じょうやくからの脱退だったいなどだ。

こういかけたくなる

なぜなのか。これらすべては一体いったいなにのためなのか」と。

わたしたちを友人ゆうじん同盟どうめいこくとしてたくないのはまだいいとしても、なぜてきまわ必要ひつようあるのか。

こたたったひと

わたしたちの政治せいじ体制たいせいがどうのこうのという問題もんだいではない。

ロシアのような自立じりつした大国たいこく必要ひつようないだけなのだ。

すべての質問しつもんこたここある

これこそがアメリカ伝統でんとうてきたいロシア政策せいさく源流げんりゅうだ。

安全あんぜん保障ほしょう分野ぶんやにおけるわたしたちのあらゆる提案ていあんへの対応たいおうここからている。

現在げんざい、NATOを東方とうほう拡大かくだいさせないとの約束やくそく西側にしがわ諸国しょこくがいかに「まもってきた」かは、地図ちず一目いちもくだけでかる

あっさりとだましたのだ。

わたしたちは、つぎからつぎへとNATO拡大かくだいなみを5かいけてきた。

1999ねん、ポーランド、チェコ、ハンガリーがNATOに加盟かめいした。

2004ねんにはブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、2009ねんにはアルバニアとクロアチア、2017ねんにはモンテネグロ、2020ねんにはきたマケドニアだ。

その結果けっか同盟どうめいとその軍事ぐんじインフラは、じかにロシア国境こっきょうにまで進出しんしゅつしてくることとなった。

これこそが、ヨーロッパ安全あんぜん保障ほしょう危機きき主要しゅよう原因げんいんの1つとなり、国際こくさい関係かんけいシステム全体ぜんたい非常ひじょうわる影響えいきょうおよぼし、相互そうご信頼しんらい喪失そうしつをもたらした。

状況じょうきょうは、戦略せんりゃくてき分野ぶんやにおいても悪化あっかつづけている。

ルーマニアとポーランドでは、世界せかいてきなミサイル防衛ぼうえいシステムつくろうとするアメリカのプロジェクトの一環いっかんとして、迎撃げいげきミサイル設備せつび配備はいびすすんでいる。

そこある発射はっしゃ装置そうちから、攻撃こうげきシステムである巡航じゅんこうミサイル「トマホーク」を使用しようできるということはひろられている。

またアメリカでは、万能ばんのうがたミサイル「スタンダード6」の開発かいはつおこなわれている。

防空ぼうくう・ミサイル防衛ぼうえいくわえ、地上ちじょう洋上ようじょうのターゲットを破壊はかいすることもできるものだ。

つまり防御ぼうぎょてきであるはずアメリカのミサイル防衛ぼうえいシステム拡大かくだいし、あら攻撃こうげきりょくまれているのだ。

わたしたちが情報じょうほうは、ウクライナのNATO加盟かめいと、それともなウクライナ国内こくないへのNATOの設備せつび展開てんかいはすでにまったことであり、時間じかん問題もんだいだとかんがえる根拠こんきょ十分じゅうぶんしめしている。

そのようにことすすめば、ロシアに対にたいする軍事ぐんじ脅威きょういレベルなんばいにも飛躍ひやくてきたかまるであろうことを、わたしたちはよく理解りかいしている。

わが国わがくにへの奇襲きしゅう攻撃こうげき危険きけんせいなんばいにもであろうことにとく注意ちゅういしてほしい。

はっきりさせておくが、アメリカ戦略せんりゃく計画けいかく文書ぶんしょには、てきのミサイル施設しせつへのいわゆる先制せんせい攻撃こうげき可能かのうせい明記めいきされている。

そしてアメリカとNATOの主要しゅよう敵国てっこくだれなのかも、わたしたちはっている。

それはロシアだ。

NATOの文書ぶんしょには、わが国わがくには、ヨーロッパ大西洋たいせいよう地域ちいき安全あんぜん保障ほしょうに対にたいする主要しゅよう脅威きょういある公式こうしきかれている。

そしてそのような攻撃こうげき拠点きょてんなるのがウクライナだ。

もしわたしたちの祖先そせんこれいたら、おそらくかれしんじないだろう。

いまわたしたちもしんじたくはないが、事実じじつそうなのだ。

このことをロシアでもウクライナでも理解りかいしてほしい。

おおのウクライナの空港くうこうが、わが国わがくに国境こっきょうちかある

そこ配備はいびされたNATOの戦術せんじゅつそれにはこう精度せいど兵器へいき運搬うんぱん手段しゅだんふくまれるが、それらはわが国わがくに領土りょうど奥深おくふかく、ボルゴグラード、カザン、サマラ、アストラハンをむす範囲はんいまで攻撃こうげきすることができる

ウクライナ国内こくないにレーダー偵察ていさつ設備せつび展開てんかいすることで、NATOはロシアのウラルまでの領空りょうくうきっちり管理かんりすることができるようになる

そして最後さいごに、アメリカ中距離ちゅうきょりかく戦力せんりょく全廃ぜんぱい条約じょうやく破棄はきしたあと、ペンタゴンはすでに、おお地上ちじょう配備はいびがた兵器へいき開発かいはつ公然こうぜんすすめている。

そのなかには、最大さいだい射程しゃてい距離きょり5500キロ巡航じゅんこうミサイルもふくまれている。

このようなシステムがウクライナに配備はいびされれば、かれは、ロシアのヨーロッパ地域ちいき全体ぜんたい標的ひょうてきを、そしてウラルをえたこうあるものまでも、破壊はかいすることができるようになる

巡航じゅんこうミサイル「トマホーク」のモスクワまでの飛行ひこう時間じかんは35びょうじゃくだ。

ハリコフからの弾道だんどうミサイルは7-8ふんごくちょう音速おんそく兵器へいきであれば4-5ふんだ。

これまさにいわゆるのど元のどもとナイフきつけられている」状態じょうたいだ。

そしてかれその計画けいかく実現じつげんしようとしていると、わたし確信かくしんしている。

過去かこなんもNATOを東方とうほう拡大かくだいし、軍事ぐんじインフラと兵器へいきをロシア国境こっきょうへと押し出おしだし、わたしたちの懸念けねん抗議こうぎ警告けいこく完全かんぜん無視むししてきたように。

それらにつばき、自分じぶんのやりたいこと、必要ひつようだとおもことをやってきた。

そしてもちろん、「いぬはほえるが、キャラバンはすす」という有名ゆうめいなことわざにあるように、今後こんごおなように行動こうどうするつもりなのだ。

ことわっておくが、わたしたちはそれ同意どういなかったし、今後こんご同意どういすることもけっしていない。

ロシアはつねもっと困難こんなん問題もんだい政治せいじてき外交がいこうてき手段しゅだんで、交渉こうしょうテーブルについて解決かいけつすべきだとってきたいまもそうっている。

わたしたちには、地域ちいきおよび世界せかい安定あんていに対にたいするおおきな責任せきにんあることをよく理解りかいしている。

2008ねん、ロシアは欧州おうしゅう安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやく締結ていけつするためのイニシアチブを提唱ていしょうした。

その主旨しゅしは、ヨーロッパ大西洋たいせいよう地域ちいきあるどんなくにも、どんな国際こくさい機関きかんも、みずからの安全あんぜん保障ほしょう強化きょうかするために他者たしゃ安全あんぜん保障ほしょう犠牲ぎせいにしてはならない、ということだった。

しかし、ロシアがNATOの活動かつどう制限せいげんすることはゆるされないとわれ、わたしたちの提案ていあん門前払もんぜんばらされた。

さらに、法的ほうてき拘束こうそくりょくある安全あんぜん保障ほしょうことができるのはNATO加盟かめいこくだけだと、はっきりわれた。

去年きょねん12つきわたしたちは、ロシアとアメリカ安全あんぜん保障ほしょうに関にかんする条約じょうやくあんと、ロシアとNATO加盟かめいこくとの安全あんぜん保障ほしょう措置そちに関にかんする協定きょうていあんを、西側にしがわのパートナーたちにわたした。

アメリカとNATOからの回答かいとうおおはありきたりな内容ないようだった。

合理ごうりてき箇所かしょすこばかりあったが、それらはすべて副次的ふくじてき事案じあんに関にかんするもので、はなしをそらそうとしているようにえた。

わたしたちは相応そうおう対応たいおうをし、交渉こうしょう準備じゅんびはできているが、すべての問題もんだいを、ロシアの基本きほんてき提案ていあん事項じこうから切り離きりはなことなく、一括いっかつ検討けんとうすることが条件じょうけんある強調きょうちょうした。

そこには3つの重要じゅうようポイントある

ひとは、NATOのさらなる拡大かくだい阻止そしすること。

ふたは、NATOがロシア国境こっきょう攻撃こうげき兵器へいき配備はいびするのをやめること。

そして最後さいごは、NATOの軍事ぐんじりょくとインフラを、ロシア・NATO基本きほん議定ぎていしょ署名しょめいされた1997ねん当時とうじ状態じょうたいにまでもどことだ。

まさにこうしたわたしたちの基本きほんてき提案ていあん無視むしされた。

西側にしがわのパートーナーたちは、またもや、どんなくにも、自国じこく安全あんぜん保障ほしょう手段しゅだん自由じゆうえら権利けんりと、いかなる軍事ぐんじ連合れんごう同盟どうめいにも加盟かめいする権利けんりゆうしているというもんがたこた繰り返くりかえした。

つまりかれ立場たちばなにわらず、NATOの悪名あくめいたか門戸もんこ開放かいほう政策せいさく引用いんようしただけだった。

さらにわたしたちをふたたおどそうとしている。

制裁せいさいによってふたたおびやかしている。

ちなみにこれら制裁せいさいは、ロシアの主権しゅけんつよまり、わが国わがくに軍事ぐんじりょくしていくに従にしたがっていずれにせよ導入どうにゅうされるのだ。

つぎ制裁せいさい攻撃こうげき口実こうじつは、どんなときつかる簡単かんたんにでっちあげることもできる

しかもウクライナ情勢じょうせいとは関係かんけいなく。

目的もくてきは1つ、ロシアの発展はってんさまたげることだ。

かれは、これまでもそうしてきたように、形式けいしきてき口実こうじつすらなくても今後こんごそれ実施じっしするだろう。

わたしたちがみずからの主権しゅけん国益こくえき自国じこく価値かちかんけっしてゆずらないというだけの理由りゆうで。

はっきりっておきたい。

原則げんそくてき問題もんだいについて対等たいとう対話たいわもとめるわたしたちの提案ていあんが、事実じじつじょうアメリカとNATOから無視むしされ、わが国わがくにに対にたいする脅威きょういレベル顕著けんちょたかまっている状況じょうきょうでは、ロシアには自国じこく安全あんぜん確保かくほするために対抗たいこう措置そち権利けんりある

そしてまさにそうするつもりだ。

ドンバス情勢じょうせいについては、ウクライナ政権せいけんは、紛争ふんそう解決かいけつのためのミンスク合意ごうい履行りこうする意思いしはなく、平和へいわてき解決かいけつには興味きょうみがないということをつね公言こうげんしている。

それどころか、2014ねんと2015ねんにやったように、ドンバスふたた電撃でんげきせんをやろうとしている。

こうした冒険ぼうけんてき行為こういどのような結末けつまつむかえたか、わたしたちはおぼえている。

現在げんざい実際じっさい、1にちたりともドンバス住宅じゅうたく銃撃じゅうげきりやむことはない。

だい規模きぼ部隊ぶたい絶え間たえまなく攻撃こうげきドローンや大型おおがた兵器へいき、ミサイル、大砲たいほうロケットほうなど使つかっている。

民間みんかんじん殺害さつがい封鎖ふうさども女性じょせい高齢こうれいしゃらへの虐待ぎゃくたいいままることがない。

ぞくわりのない状況じょうきょうだ。

いわゆる文明ぶんめい世界せかいその唯一ゆいいつ代表だいひょうしゃであると西側にしがわ諸国しょこく自称じしょうしているが、その世界せかいこれ気付きづかないふりをしている。

まるでこの悪夢あくむ、400まんにんもの人々ひとびとけているジェノサイドなど存在そんざいしないかのように。

これら人々ひとびとが、2014ねん西側にしがわ支援しえんしたウクライナのクーデターに賛同さんどうせず、原始げんしてき攻撃こうげきてき民族みんぞく主義しゅぎやネオナチズムへとかっていく国家こっか高揚こうようかん異議いぎとなえたというだけの理由りゆうで。

かれは、自分じぶんたちの土地とちらし、自分じぶんたちの言語げんごはなという基本きほんてき権利けんりのため、自分じぶんたちの文化ぶんか伝統でんとうまもためにたたかっている。

この悲劇ひげきいつまでつづのだろうか。

あとどれくらい我慢がまんできるだろうか。

ロシアは、ウクライナの領土りょうど保全ほぜんのために、あらゆることをやってきた。

ドンバス情勢じょうせい解決かいけつするための2015ねん2つき12にちのミンスク合意ごういについて明記めいきした、2015ねん2つき17にち国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎ2202を履行りこうするために、このすう年間ねんかんずっと粘り強ねばりづよ忍耐にんたいつよたたかってきた。

すべてはむだにわった。

大統領だいとうりょう議員ぎいんわっても、ウクライナの権力けんりょく掌握しょうあくしている体制たいせい自身じしん攻撃こうげきてき民族みんぞく主義しゅぎてき性質せいしつ本質ほんしつわらない。

これ完全かんぜんに、2014ねんのクーデターの産物さんぶつであり、当時とうじ暴力ぼうりょく流血りゅうけつ無法むほうみちあゆんだしゃたちは、ドンバス問題もんだい軍事ぐんじてき方法ほうほう以外いがい解決かいけつすることをみとめなかったいまみとめないだろう。

これかんがみ、ながたれていた決定けっていくだ必要ひつようあるかんがえる

それすみやかにドネツク人民じんみん共和きょうわこくとルガンスク人民じんみん共和きょうわこく独立どくりつ主権しゅけんみとめることだ。

ロシア連邦れんぽう議会ぎかいには、この決定けってい支持しじしてほしい。

そしてその後そのごりょう共和きょうわこくとの友好ゆうこうおよび相互そうご援助えんじょに関にかんする条約じょうやく批准ひじゅんしてほしい。

この2つの文書ぶんしょは、すみやか作成さくせいし、署名しょめいするつもりだ。

キエフで権力けんりょく掌握しょうあく維持いじしようとしているものたちには、ただちに戦闘せんとう行為こういをやめるようもとめる

さもなければ、継続けいぞくしてこりうる流血りゅうけつに対にたいするすべての責任せきにんは、完全かんぜんに、ウクライナを統治とうちする政権せいけん良心りょうしんかかることになる

本日ほんじつ決定けってい発表はっぴょうするにあたり、ロシア国民こくみん、および、すべての愛国あいこくてき勢力せいりょくから支持しじられると確信かくしんしている。

清聴せいちょう感謝かんしゃする。

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ハラスメントで辞職じしょく町長ちょうちょう2にんがそれぞれ会見かいけん謝罪しゃざい
岐阜ぎふけん池田いけだまち岡崎おかざき和夫かずお町長ちょうちょう(76)は、第三者だいさんしゃ委員いいんかい調査ちょうさ女性じょせい職員しょくいんなど15にんに対にたいするセクハラがあったと認定にんていされたことをけて、25にち午前ごぜん辞職じしょくねがい提出ていしゅつしました。愛知あいちけん東郷とうごうまち井俣いまた憲治けんじ町長ちょうちょう(57)は、まち職員しょくいん複数ふくすうのハラスメント行為こういおこなっていたと第三者だいさんしゃ委員いいんかいから認定にんていされ、24にち辞職じしょくねがい提出ていしゅつしています。2にん町長ちょうちょうは25にち、それぞれ会見かいけんひらいて職員しょくいん町民ちょうみん謝罪しゃざいしました。これまでの経緯けいい認定にんていされたハラスメント行為こうい、2にん町長ちょうちょう会見かいけんかたった内容ないようをまとめました。
Source: NHK Apr 25, 2024 17:04
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消滅しょうめつする可能かのうせいがある”744自治体じちたい 全体ぜんたいの4わり人口じんこう戦略せんりゃく会議かいぎ
民間みんかん有識者ゆうしきしゃグループ「人口じんこう戦略せんりゃく会議かいぎ」は全体ぜんたいの4わりにあたる744の自治体じちたいで、2050ねんまでに20だいから30だい女性じょせい半減はんげんし、「最終さいしゅうてきには消滅しょうめつする可能かのうせいがある」とした分析ぶんせき公表こうひょうしました。
Source: NHK Apr 24, 2024 13:04
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栃木とちぎ 遺体いたい遺棄いき事件じけん 容疑ようぎしゃ前日ぜんじつよる複数ふくすうじん合流ごうりゅう くるましたか
栃木とちぎけん那須なすまちで、全身ぜんしんかれた男女だんじょ遺体いたいつかった事件じけんで、逮捕たいほされた容疑ようぎしゃ前日ぜんじつよる都内とないのコンビニで複数ふくすう人物じんぶつ合流ごうりゅうし、くるましたとみられることが捜査そうさ関係かんけいしゃへの取材しゅざいでわかりました。くるまからは血痕けっこんつかっていて、男性だんせいつまとみられる女性じょせいのDNAがた一致いっちしたということで警視庁けいしちょうなどはくわしいいきさつを調しらべています。
Source: NHK Apr 23, 2024 11:04
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ホテルたか観光かんこう需要じゅよう回復かいふくなどで「宿泊しゅくはくりょう」25%上昇じょうしょう
たかい!」大型おおがた連休れんきゅうまえにホテルを予約よやくしようとしたとき、そうかんじたほうもいるのではないでしょうか。昨年度さくねんど平均へいきん消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすう発表はっぴょうされ、ホテルなどの「宿泊しゅくはくりょう」は、まえ年度ねんどより25てん5%上昇じょうしょうしました。影響えいきょうは、はたらひとの「出張しゅっちょう」にも…。上昇じょうしょうはいつまでつづくのか、取材しゅざいしました。
Source: NHK Apr 19, 2024 18:04
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ドイツ “軍事ぐんじ施設しせつへの破壊はかい工作こうさく計画けいかく” 2にん逮捕たいほ
ドイツの検察けんさつ当局とうきょくは、軍事ぐんじ施設しせつなどへの破壊はかい工作こうさく計画けいかくしていたなどとしてドイツとロシア双方そうほう国籍こくせきつ2にん逮捕たいほしたと発表はっぴょうしました。ウクライナへの軍事ぐんじ支援しえん妨害ぼうがいをねらっていたとされ、地元じもとメディアはウクライナぐん兵士へいし訓練くんれんける軍事ぐんじ施設しせつなどが標的ひょうてきとされていたとつたえています。
Source: NHK Apr 19, 2024 09:04
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保育ほいく一斉いっせい退職たいしょく勤務きんむ環境かんきょう 改善かいぜんを”こども家庭かていちょう 自治体じちたい通知つうち
各地かくち保育ほいくしょなどで処遇しょぐう労使ろうしかんのトラブルなどで複数ふくすう保育ほいく一斉いっせい退職たいしょくする事例じれい相次あいついでいることをけて、こども家庭かていちょう自治体じちたいに対にたいし、離職りしょく防止ぼうしのためくに支援しえん制度せいどなどを活用かつようして、勤務きんむ環境かんきょう改善かいぜんすすめるよう通知つうちしたことがかりました。
Source: NHK Apr 18, 2024 21:04
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しん基準きじゅん金属きんぞくバット 5しゃ基準きじゅんたさず使用しよう禁止きんし高野連こうやれん
高野連こうやれん日本にっぽん高校こうこう野球やきゅう連盟れんめいは、ことしから導入どうにゅうした反発はんぱつりょくおさえたしん基準きじゅん金属きんぞくバットのうち、5つのメーカーのバットが基準きじゅんたしていないことがわかったとして、19にちから使用しよう禁止きんしすると発表はっぴょうしました。
Source: NHK Apr 18, 2024 21:04
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べい タイム世界せかいもっと影響えいきょうりょくある100にん」に宮崎みやざき駿しゅん
アメリカの雑誌ざっし「タイム」はことしの「世界せかいもっと影響えいきょうりょくがある100にん」を発表はっぴょうし、日本にっぽんからはアニメーション映画えいが監督かんとく宮崎みやざき駿しゅん社会しゃかい学者がくしゃ上野うえの千鶴子ちづこなどがえらばれました。
Source: NHK Apr 18, 2024 09:04
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えゆくまち本屋ほんや陳列ちんれつ工夫くふう 独自どくじ目利めき活路かつろ
ネット通販つうはん電子でんし書籍しょせき普及ふきゅうなどで、10ねんで4600てんあまりの書店しょてん閉店へいてんしています。文化ぶんか拠点きょてん役割やくわりがある地域ちいき書店しょてん支援しえんけ、17にち齋藤さいとう経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん書店しょてん経営けいえいしゃらと意見いけん交換こうかんしました。きびしい状況じょうきょうのなか、ユニークなアイデアでファンをやす「まち本屋ほんや」もてきています。
Source: NHK Apr 17, 2024 21:04
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自民じみん 茂木もぎ 政治せいじ団体だんたい解消かいしょうグループ活動かつどう継続けいぞくする方針ほうしん
自民党じみんとう派閥はばつ政治せいじ資金しきんパーティーをめぐる問題もんだい関連かんれんし、茂木もぎは、17にち会合かいごうで、政治せいじ団体だんたい解消かいしょうすることをめました。一方いっぽうで、グループとしての活動かつどう継続けいぞくする方針ほうしんで、運営うんえいあり方ありかたなどを今後こんご検討けんとうしていくことにしています。
Source: NHK Apr 17, 2024 18:04