開幕戦は、20日午後7時45分から東京・調布市の東京スタジアムで行われ、世界ランキング10位の日本が世界20位のロシアと対戦します。
日本は、その後、今月28日に世界1位のアイルランド、来月5日に世界16位のサモア、来月13日に世界7位のスコットランドと1次リーグで対戦します。
日本は、前回のイングランド大会で強豪の南アフリカから歴史的な勝利をあげ、「世紀の番狂わせ」として世界を驚かせましたが、今大会では、これまで成し遂げていないベスト8以上を目標に掲げていて、ランキング上位のアイルランドやスコットランドから勝利をあげる必要があります。
また、ニュージーランドが史上初の大会3連覇を成し遂げるかも注目で、21日、世界4位の強豪、南アフリカとの初戦は1次リーグ屈指の好カードとして注目されています。
アジアで初開催のW杯
ラグビーワールドカップ日本大会はアジアで初めて開催される大会です。
10年前に日本で開かれることが決まって、全国12の会場で整備が進み、東日本大震災で被災した岩手県釜石市にはスタジアムが新設され、東大阪市の花園ラグビー場は大規模な改修が行われました。
全国22都道府県の52か所が公認キャンプ地に選ばれたほか、事前キャンプ地としてチームを受け入れた自治体も多く、国内でのラグビーの広がりにつながりました。
ラグビーは、日本ではメジャーなスポーツとは言えず、およそ180万枚のチケットの売れ行きが心配されました。
組織委員会によりますと、96%のチケットは販売の見通しが立つなど、ラグビー熱が高まってきました。
チケットを購入した人は国内が7割、海外が3割です。多いほうからイギリス、オーストラリア、アイルランド、フランスと続く中で、アジアの国と地域である香港とシンガポールが8番目、9番目に入りました。
これまでワールドカップは強豪国や伝統国ばかりで開かれてきた中、初めてアジアで開催されることがラグビーの広がりに大きな影響を与えたことを印象づけています。
大会の統括責任者を務めるワールドラグビーの最高執行責任者、アラン・ギルピン氏は、「日本とアジアがラグビーと関わる機会が増えることが大会の成功だ。日本のファンがいかに海外からの代表チームと結び付いているかを見ている。その観点から、成功はすでに見えている」と手応えを述べました。
王者NZの3連覇か混戦か
ワールドカップは日本大会が9回目の開催です。
これまでの8回の優勝チームを見ると、ニュージーランドが3回、南アフリカとオーストラリアが2回、イングランドが1回で南半球のチームの強さが際立っています。
今回も優勝候補の最有力はニュージーランドですが、先月、10年近く守り続けてきた世界ランキング1位の座を明け渡し、混戦ムードも感じられます。
ニュージーランドに代わって初めて1位に上がったのはウェールズで、ことしのヨーロッパの6か国対抗戦で全勝優勝しました。ただ、大会の直前のランキングでは5位に下がりました。
そして、同じヨーロッパ勢のアイルランドが初めて1位になって大会を迎えます。
アイルランドは、国際統括団体「ワールドラグビー」の年間最優秀選手に選ばれた司令塔のジョナサン・セクストン選手を中心に戦力が充実していて、ウェールズとともに優勝候補の一角と見られています。
さらに世界4位の南アフリカも前回大会のあと、不調が続いていましたが、去年、ヘッドコーチが代わってからニュージーランドに勝利するなど調子をあげていて、こちらも優勝候補の一角と言えます。
このほかにも世界3位のイングランドや、世界6位のオーストラリアも優勝をねらう力は十分にあります。こうした世界の強豪たちの争いに日本代表がどこまで食い込めるのかも注目です。
大会方式と決勝トーナメント進出の鍵
大会は、出場20チームが5チームずつ4つのグループに分かれて1次リーグを戦い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進みます。
1次リーグは勝ち点で順位が決まり、勝ちで「4」ポイント、引き分けで「2」ポイントが与えられ、負けは「0」ポイントとなります。
そのうえで、ラグビーならではのボーナスポイントが設けられていて、勝敗にかかわらずトライを4つ以上決めたチームには「1」ポイント、7点差以内の負けにも「1」ポイントが与えられます。
日本は、前回のイングランド大会の1次リーグでは3勝1敗の成績を残し、勝敗の数では、南アフリカとスコットランドに並びました。しかし、ボーナスポイントを獲得できず3位となり、決勝トーナメント進出を逃しました。
日本代表が目標に掲げるベスト8以上の成績をおさめるには勝利はもちろんのこと、ボーナスポイントを獲得することも重要になってきます。
また、勝ち点が並んだ場合は、直接対決の結果や全試合の得失点の差などの項目によって順位が決まります。