北朝鮮国営の
朝鮮中央テレビは、25
日午後3
時すぎからキム・ジョンウン
総書記の
立ち会いのもとで24
日、
新型のICBMだとする「
火星17
型」が
発射された
際の
映像を、
およそ16
分間にわたって
放送しました。
映像では、サングラス姿のキム総書記が見守る中、片側11輪の移動式発射台に載せられた「火星17型」が格納庫から空港の一角へ移動し、垂直に立ち上げられる様子が映っています。
そして、カウントダウンのあと、発射ボタンが押されると、オレンジ色の炎を吹き出しながらごう音とともに上昇するミサイルが、さまざまな角度から捉えられています。
また、ミサイルに搭載されたカメラで撮影したとみられる、地表が遠のいていく映像や、上空でミサイルが切り離される様子のほか、軍の幹部らとともに喜び合うキム総書記の姿などが確認できます。
北朝鮮としては、発射の翌日に映像を公開することで、アメリカ全土を射程に収める可能性があるICBM級ミサイルの能力を誇示することで、バイデン政権を強くけん制する狙いがあるとみられます。
北朝鮮が去年1月に打ち出した「国防5か年計画」には、
▽固体燃料を用いたICBMの開発や、
▽ミサイルに複数の弾頭を積む「多弾頭化」、それに
▽核兵器の小型化・軽量化などが盛り込まれていて、
今後、ICBM級のさらなる発射や7回目の核実験など、北朝鮮が核・ミサイル開発をいっそう加速させることが懸念されています。
専門家「日本上空を越え太平洋に撃ち込むことも想定を」
北朝鮮が
発射した
新型のICBM=
大陸間弾道ミサイルだとする「
火星17
型」について、ミサイルの
専門家で、
未来工学研究所の
西山淳一研究参与は「
最大射程が1
万5000
キロぐらいで、
アメリカ本土全域を
カバーできるだけではなく、
技術的には
それよりも
近い場所は
当然狙えるということを
示している」と
指摘し、アメリカ
本土への
攻撃を
念頭に
置いたミサイルで、
安全保障上の
脅威がいっそう
高まったという
見方を
示しました。
その上で、「技術者としては実際に近い軌道で飛ばせるかを確認したいと思うので、日本の上空を越えて太平洋に撃ち込むということも想定しておかなければいけない」と述べ、同様の発射を繰り返すだけでなく日本の上空を越える形での発射も警戒すべきだと指摘しました。
その上で、2017年に発射したICBM級の「火星15型」との比較について「『火星15型』のエンジンが2つだったのに比べて、『火星17型』は4つになっていて、重いミサイルを打ち上げ、遠くまで飛ばすことができるようになっている」として、北朝鮮のミサイル技術が向上しているとする見方を示しました。