性的せいてきマイノリティーの人権じんけん「守まもられている」が9％ NHK世論せろん調査ちょうさ

調査ちょうさの対象たいしょうになったのは3275人にんで、47.1％にあたる1544人にんから回答かいとうを得えました。

また、若わかい世代せだいで同性どうせいどうしの結婚けっこんを「法的ほうてきに認みとめるべきだと思おもう」という回答かいとうが全体ぜんたいより高たかかったことについては「2001年ねんにオランダで同性どうせい婚こんが初はじめて可能かのうになり、若わかい世代せだいはそうした国くにが普通ふつうに存在そんざいする社会しゃかいで暮くらしてきた。同性どうせい婚こんを当たり前あたりまえのように選択肢せんたくしの1つとして捉とらえ、関心かんしんが『認みとめるべきか』ではなく『認みとめなくていいのか』というフェーズに移うつっていると感かんじる」と話はなしています。

同性どうせいのパートナーと一緒いっしょに暮くらす部屋へやを探さがした際さいに「家族かぞく向むけの物件ぶっけんで同性どうせいカップルは入居にゅうきょできない」と断ことわられるなど、差別さべつ的てきな対応たいおうを受うけた経験けいけんもあり、「憲法けんぽうが保障ほしょうする人権じんけんが守まもられていないと感かんじる」といいます。

一方いっぽうで、SNSなどの普及ふきゅうにより若わかい世代せだいを中心ちゅうしんに理解りかいも進すすんでいると感かんじるということです。

松岡まつおかさんは「社会しゃかいの生いきづらさは自分じぶんのせいだと考かんがえている性的せいてきマイノリティーの人ひとも多おおいが、憲法けんぽうには『差別さべつされない』とか、『個人こじんの尊重そんちょう』などが書かかれていて、その中なかにはマイノリティーも含ふくまれていると思おもう。自分じぶんらしく生いきられることを保障ほしょうした憲法けんぽうの理念りねんが社会しゃかいに落とし込おとしこまれるような政治せいじや法律ほうりつを作つくっていってほしい」と話はなしていました。

日本にっぽん大学だいがくの憲法けんぽう学がくのゼミでは、討論とうろんのテーマを学生がくせいから募つのっていますが、ここ数すう年ねん、性的せいてきマイノリティーに関にかんする話題わだいを議論ぎろんしたいという声こえが多おおいということです。

先月せんげつの授業じゅぎょうでは「同性どうせいどうしの結婚けっこん」をテーマに今いまの法律ほうりつで同性どうせいどうしの結婚けっこんが認みとめられていないことが憲法けんぽうに違反いはんするかどうか、20人にん余あまりの学生がくせいが条文じょうぶんの解釈かいしゃくなどを検討けんとうしました。

議論ぎろんでは婚姻こんいんの自由じゆうを保障ほしょうした憲法けんぽう24条じょうについて、条文じょうぶんにある「両性りょうせい」という表現ひょうげんが男女だんじょに限定げんていされるのかどうかが論点ろんてんとなり、学生がくせいの1人にんは「憲法けんぽうの解釈かいしゃくも時代じだいの変化へんかに応おうじて変かわることはあるため、パートナーシップ制度せいどなどで性的せいてきマイノリティーへの理解りかいが深ふかまる中なか、『両性りょうせい』を『男女だんじょ』に限定げんていせず、『両方りょうほうの当事者とうじしゃ』と解釈かいしゃくすることも可能かのうだ」と述のべました。

一方いっぽう、別べつの学生がくせいは「24条じょうには『両性りょうせい』のほか『夫婦ふうふ』という表現ひょうげんも用もちいられているので、あくまで異性いせいどうしの結婚けっこんを前提ぜんていとしていると解釈かいしゃくするのが一般いっぱん的てきだ」という考かんがえを述のべました。

また「婚姻こんいんに関にかんする法律ほうりつは個人こじんの尊厳そんげんと両性りょうせいの本質ほんしつ的てき平等びょうどうに立脚りっきゃくして、制定せいていされなければならない」という条文じょうぶんを踏ふまえ、憲法けんぽうが定さだめる「法ほうの下したの平等びょうどう」という観点かんてんからも問題もんだいがないか検討けんとうすべきだという意見いけんも出だされました。

議論ぎろんに参加さんかした学生がくせいは「さまざまな条文じょうぶんがある憲法けんぽうの視点してんに立たって考かんがえることで見みえてくるものがあった。意見いけんが分わかれる問題もんだいについては異ことなる考かんがえも聞きいた上うえで自分じぶんなりの意見いけんを持もてるようにしたい」と話はなしていました。

ゼミを主宰しゅさいする日本にっぽん大学だいがく法学部ほうがくぶの玉蟲たまむし由樹ゆき教授きょうじゅは「憲法けんぽうは社会しゃかいがどのように進すすみどうあるべきかを考かんがえる共通きょうつう基盤きばんであり、憲法けんぽうを通をとおして人々ひとびとの生き方いきかたや尊厳そんげんがどのように保障ほしょうされるべきかを考かんがえることは、結果けっか的てきに人権じんけんをさらに一いち歩ほ進すすめることになると思おもう。若わかい世代せだいには自分じぶんたちが人権じんけんを作つくっていく主体しゅたいだということを意識いしきしてもらいたい」と話はなしていました。