75歳さい以上いじょう医療いりょう費ひ 窓口まどぐち負担ふたん引き上ひきあげ 所得しょとくの線引せんひきなど議論ぎろん加速かそくへ

政府せいふは年内ねんないに引き上ひきあげの対象たいしょうとなる所得しょとくの線引せんひきなど、具体ぐたい的てきな制度せいど設計せっけいを行おこないたい考かんがえで、11月つき下旬げじゅんにも全ぜん世代せだい型がた社会しゃかい保障ほしょう検討けんとう会議かいぎを開ひらき、議論ぎろんを加速かそくさせることにしています。

引き上ひきあげの対象たいしょうとなる所得しょとくの線引せんひきをめぐって日本にっぽん医師いし会かいは、負担ふたんの増加ぞうかにより『受診じゅしん控ひかえ』が懸念けねんされるなどとして、介護かいご保険ほけんの自己じこ負担ふたんが3割わりとなる年収ねんしゅうおよそ340万まん円えん以上いじょうの比較ひかく的てき所得しょとくが高たかい層そうに絞しぼるべきだとしています。

これに対にたいし、現役げんえき世代せだいの会社かいしゃ員いんが加入かにゅうする健康けんこう保険ほけん組合くみあいなどは、保険ほけん財政ざいせいの改善かいぜんにつなげるため、幅広はばひろく引き上ひきあげの対象たいしょうにすべきだとして、住民じゅうみん税ぜいが課税かぜいされる年収ねんしゅうおよそ155万まん円えん以上いじょうとするよう主張しゅちょうしています。

また与党よとう内ないでも対象たいしょうとする範囲はんいについて意見いけんが分わかれていて、政府せいふは与党よとうでの議論ぎろんもにらみながら丁寧ていねいに検討けんとうを進すすめていく方針ほうしんです。

後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどの見直みなおし

後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどは75歳さい以上いじょうを対象たいしょうとする医療いりょう制度せいどで、およそ1700万まん人にんが加入かにゅうしています。

病院びょういんなどの窓口まどぐち負担ふたんは原則げんそく、1割わりですが、年収ねんしゅうおよそ383万まん円えん以上いじょうの人ひとは「現役げんえき並なみの所得しょとくがある」とされ、現役げんえき世代せだいと同様どうよう、3割わりの負担ふたんが求もとめられています。

こうした人ひとは全体ぜんたいの7％です。

後期こうき高齢こうれい者しゃ医療いりょう制度せいどの財源ざいげんは患者かんじゃの窓口まどぐち負担ふたんを除のぞき、75歳さい以上いじょうが支払しはらう保険ほけん料りょうがおよそ1割わり、公費こうひがおよそ5割わり、残のこりの4割わりは会社かいしゃ員いんなど現役げんえき世代せだいが払はらう保険ほけん料りょうからの支援しえん金きんで賄まかなわれています。

高齢こうれい化かの進展しんてんで高齢こうれい者しゃの医療いりょう費ひを賄まかなうための支援しえん金きんは年々ねんねん増ふえ続つづけ、会社かいしゃ員いんらが加入かにゅうする健康けんこう保険ほけん組合くみあいの財政ざいせいを圧迫あっぱくしていて、現役げんえき世代せだいの負担ふたん軽減けいげんを求もとめる声こえが上あがっています。

このため政府せいふは、世代せだい間かんの公平こうへい性せいを図はかりながら制度せいどを維持いじしていくため、いわゆる「団塊だんかいの世代せだい」が75歳さいになり始はじめる2022年度ねんどまでに、年齢ねんれいではなく所得しょとくなどに応おうじて負担ふたんを求もとめる考え方かんがえかたに見直みなおす方針ほうしんを示しめしています。

対象たいしょうとなる規模きぼは

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、75歳さい以上いじょうの人ひとはおよそ1700万まん人にんいます。

このうち「現役げんえき並なみの所得しょとくがある」とされ、医療いりょう費ひの窓口まどぐち負担ふたんが3割わりの、年収ねんしゅうおよそ383万まん円えん以上いじょうの人ひとはおよそ115万まん人にんで、全体ぜんたいの7％です。

仮かりに2割わり負担ふたんの線引せんひきを住民じゅうみん税ぜいが課税かぜいされる年収ねんしゅうおよそ155万まん円えん以上いじょうとした場合ばあい、およそ900万まん人にん、全体ぜんたいの53％が2割わり負担ふたんの対象たいしょうとなります。