世界せかいの海洋かいようが１年ねんを通とおして未曽有みそゆうの温暖化おんだんかに見舞みまわれている。米海洋大気局べいかいようたいききょく（ＮＯＡＡ）と米べいメーン大学だいがくの観測かんそくによると、世界せかいの海面温度かいめんおんどは昨年さくねん３月中旬がつちゅうじゅんから今年ことし３月がつに至いたるまで１年ねんを通とおして全日ぜんじつで、それぞれの日ひの最高記録さいこうきろくを更新こうしんする状況じょうきょうが続つづいている。

ＮＯＡＡの専門家せんもんかによると、２０２３年ねんの世界せかいの海水温かいすいおんの平均へいきんは、前年ぜんねんを０．２５度上回どうわまわった。これは約やく２０年分ねんぶんの温暖化おんだんかが１年ねんで進すすんでいるに等ひとしいという。

海洋かいようの温暖化おんだんかは人間にんげんが引ひき起おこした地球温暖化ちきゅうおんだんかにエルニーニョ現象げんしょうが加くわわって加速かそくしていると指摘してきされ、海洋生物かいようせいぶつや世界せかいの天候てんこうへの影響えいきょうが懸念けねんされている。

海洋かいようの温暖化おんだんかが進すすめばハリケーンなどの勢力せいりょくが強つよまり、猛暑もうしょや豪雨ごううといった異常気象いじょうきしょうは過酷化かこくかする。

既すんでにサンゴ礁しょうには影響えいきょうが出始ではじめており、オーストラリアのグレートバリアリーフは７回目かいめとなる白化現象しろかげんしょうが確認かくにんされた。

ＮＯＡＡの観測かんそくによると、この問題もんだいはオーストラリアにとどまらず、今後数こんごすうカ月げつのうちに４回目かいめの世界的せかいてきなサンゴの白化現象しろかげんしょうが起おきる可能性かのうせいがある。

ハリケーンが発生はっせいする北大西洋きたたいせいようでは前例ぜんれいのない海水温かいすいおんが記録きろくされており、「統計的とうけいてきには事実上不可能じじつじょうふかのうな上昇幅じょうしょうはばで記録きろくが破やぶられる時ときもある」とマイアミ大学だいがくの専門家せんもんかは解説かいせつする。

海水温かいすいおんは自然しぜんの気候きこうによる変動へんどうが見込みこまれるものの、長期的ちょうきてきには大気中たいきちゅうの温室効果おんしつこうかガス濃度のうどが上昇じょうしょうを続つづける限かぎり、記録きろくを更新こうしんし続つづけるだろうとＮＯＡＡの専門家せんもんかは予想よそうしている。