“梅雨つゆらしくない梅雨つゆ” 農作物のうさくもつに影響えいきょう 体調たいちょう不良ふりょう訴うったえる人ひとも

平年へいねんより14日にち遅おそく、今月こんげつ21日にちごろに梅雨入つゆいりした関東かんとう甲信こうしんは統計とうけいを取とり始はじめた1951年ねん以来いらい、3番目ばんめの遅おそさでした。

また、東京とうきょうの都心としんでは梅雨入つゆいりしたこの1週間しゅうかんで、まとまった雨量うりょうが観測かんそくされたのは2日にちだった一方いっぽう、最高さいこう気温きおんが30度ど以上いじょうの真夏まなつ日びが4日にちなど、梅雨つゆに入はいったのか感かんじにくい天気てんきが続つづいています。

梅雨つゆらしくない梅雨つゆに、農作物のうさくもつや体調たいちょうへの影響えいきょうを心配しんぱいする声こえが上あがっています。

十分じゅうぶんな雨あめが降ふらず畑はたけが乾燥かんそう 農作物のうさくもつに影響えいきょう

平年へいねんより遅おそい梅雨入つゆいりや暑あつさの影響えいきょうで、農作物のうさくもつの生育せいいくに影響えいきょうが出でています。

東京とうきょう 立川たつかわ市しの小山こやま三佐男みさおさんが営いとなむ農園のうえんでは、およそ160種類しゅるいの野菜やさいを栽培さいばいし、都内とないのレストランや店舗てんぽなどに出荷しゅっかしています。

小山こやまさんによりますと、ことしは5月つきから暑あつい日ひが続つづき、6月つきに入はいってからも野菜やさいの生育せいいくに必要ひつような十分じゅうぶんな雨あめが降ふらないことから、畑はたけの土どが乾燥かんそうし、農作物のうさくもつへの生育せいいくに影響えいきょうが出でているということです。

サラダなどの生食せいしょく用ように使つかわれる「かぶ」は、本来ほんらいはみずみずしい食しょく感かんが特徴とくちょうです。

しかし、ことしは十分じゅうぶんな水分すいぶんが行き渡いきわたらず、実みを割わってみると水分すいぶんがなく、乾燥かんそうした状態じょうたいになっています。

そのため、出荷しゅっかする基準きじゅんに達たっしていないとして、栽培さいばいしていたおよそ500キロすべてを廃棄はいきする予定よていだということです。

小山こやまさんの農園のうえんでは、ここ数すう年ねん、こうした暑あつさなどの影響えいきょうによる生育せいいく不良ふりょうなどで野菜やさいを廃棄はいきするケースが多おおいことから、東南アジアとうなんあじあが原産げんさんのトウモロコシの栽培さいばいを始はじめるなど、暑あつさや乾燥かんそうした環境かんきょうに強つよい品種ひんしゅの導入どうにゅうを進すすめているということです。

また、専用せんようの機器ききで畑はたけに水みずをまくなどの対策たいさくもしているということですが、今後こんごも雨あめが少すくなく暑あつさが厳きびしい日ひが続つづいた場合ばあいには、影響えいきょうがほかの野菜やさいにも広ひろがることを懸念けねんしているということです。

「本当ほんとうに雨あめ降ふらない 不安ふあんや危機きき感かんを感かんじる」

小山こやま三佐男みさおさんは「曇くもりが多おおいというのが6月つきのイメージなんですけど、天気てんきがいい6月つきで本当ほんとうに困こまっています。本当ほんとうに雨あめ降ふらないし。もともと自然しぜんという計算けいさんができないものを相手あいてにしているが、近年きんねんはより難むずかしい気候きこうになっていて、不安ふあんや危機きき感かんを感かんじている。より多おおく作つくって、どれだけ残のこるかという対策たいさくをするしかないかもしれないですね」と話はなしていました。

“気象きしょう病びょう” 専門せんもん外来がいらい 体調たいちょう不良ふりょう訴うったえる人ひとが増加ぞうか

暑あつさや例年れいねんより遅おそい梅雨入つゆいりによって、頭痛ずつうやけん怠けんたい感かんなどの不調ふちょうを訴うったえる人ひとが増ふえているといいます。

東京とうきょう・世田谷せたがや区くのクリニックでは「気象きしょう病びょう」と呼よばれる、気圧きあつや気温きおんの変化へんかによる頭痛ずつうやけん怠けんたい感かん、メンタル面めんでの不調ふちょうなどの症状しょうじょうをみる専門せんもん外来がいらいを設もうけています。

「せたがや内科ないか・神経しんけい内科ないかクリニック」の久手堅くしゅけん司つかさ院長いんちょうによりますと、例年れいねん、気圧きあつの変化へんかが大おおきい梅雨つゆの前後ぜんごに受診じゅしんに訪おとずれる人ひとがピークになるということです。

しかし、ことしは4月つきが東日本ひがしにっぽんや北きた日本にっぽんなどで統計とうけい開始かいし以降いこうで最もっとも高温こうおんとなるなど異例いれいな暑あつさとなったこともあり、4月つきから外来がいらいに訪おとずれる人ひとが増ふえ始はじめたということです。

さらに、梅雨入つゆいりが遅おそかったり、梅雨入つゆいり後ごに雨あめが降ふらずに暑あつい日ひが多おおかったりなど天気てんきが不安定ふあんていな影響えいきょうを受うけ、体調たいちょうの不良ふりょうを訴うったえる人ひとが相次あいついでいるということです。

“寒暖かんだん差さや気圧きあつの急激きゅうげきな変化へんか 体調たいちょう崩くずしやすい”

久手堅くしゅけん院長いんちょうによると、寒暖かんだん差さや気圧きあつの急激きゅうげきな変化へんかで自律じりつ神経しんけいが乱みだれると体調たいちょうを崩くずしやすく、ホルモンバランスが乱みだれやすい女性じょせいや、デスクワークで長時間ちょうじかん座すわっている人ひとは血ち流りゅうが悪わるくなるなどして症状しょうじょうが出でやすい傾向けいこうがあるため、注意ちゅういが必要ひつようだということです。

対策たいさくとして『天気てんきが悪わるいと体調たいちょうが悪わるくなる』など、天気てんきに影響えいきょうを受うけていることをまず把握はあくすること、そのうえで、天気てんき予報よほうをこまめに確認かくにんし、天気てんきが悪わるくなる予報よほうの場合ばあいは早はやめに就寝しゅうしんするなどして十分じゅうぶんな睡眠すいみん時間じかんをとることが重要じゅうようだとしています。

さらに軽かるい運動うんどうやぬるめの風呂ふろへの入浴にゅうよくを続つづけることで、汗あせをかいて体温たいおん調節ちょうせつしやすい体からだ作づくりにつながり、自律じりつ神経しんけいの負担ふたんを減へらす効果こうかがあるということです。

このほか、耳みみをつまんで30秒びょうほど引っ張ひっぱるなどのマッサージをすることやタオルを使つかって首くびまわりのストレッチをすることで血ち流りゅうがよくなり症状しょうじょうの緩和かんわや予防よぼうにつながるということです。

「天気てんきと結むすびつけて不調ふちょうを把握はあくすると対策たいさくしやすい」

久手堅くしゅけん院長いんちょうは「体調たいちょうの悪わるさがなぜ出でているか分わからない人ひとも多おおいと思おもうので、天気てんきと結むすびつけて自分じぶんの不調ふちょうがいつ出でるのかを把握はあくすると対策たいさくがしやすくなります。規則正きそくただしい生活せいかつを送おくり午前ごぜん中ちゅうにお日様おひさまの光ひかりを浴あびることは生活せいかつリズムとしては理想りそうです。自分じぶんで対策たいさくをしても改善かいぜんしなければ医療いりょう機関きかんに相談そうだんしてほしい」と話はなしていました。