【台風たいふう10号ごう】鹿児島かごしま 薩摩さつま川内せんだい付近ふきんに上陸じょうりく 最大さいだい級きゅうの警戒けいかいを

奄美あまみ地方ちほうを除のぞく鹿児島かごしま県けんに暴風ぼうふうと波浪はろうの特別とくべつ警報けいほうが、鹿児島かごしま県けん薩摩さつま地方ちほうに高潮こうちょうの特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされていて、気象庁きしょうちょうは最大さいだい級きゅうの警戒けいかいを呼よびかけています。

また、大分おおいた県けんと宮崎みやざき県けん、鹿児島かごしま県けんで線せん状じょう降水こうすい帯たいが発生はっせいするなど九州きゅうしゅうでは大雨おおあめとなっていて、土砂どしゃ災害さいがいや低ひくい土地とちの浸水しんすい、川かわの氾濫はんらんにも厳重げんじゅうな警戒けいかいが必要ひつようです。

災害さいがいの危険きけん度どが急激きゅうげきに高たかくなるおそれがあり、頑丈がんじょうな建物たてものの高たかい階かいで安全あんぜんを確保かくほして過すごすようにして下ください。

【社会しゃかい部ぶ 災害さいがい担当たんとう記者きしゃ 解説かいせつ】

【台風たいふうの位置いちと強つよさ】午前ごぜん9時じ推定すいてい

午前ごぜん9時じには、鹿児島かごしま県けん薩摩さつま川内せんだい市し付近ふきんを1時間じかんに15キロの速はやさで北きた北東ほくとうへ進すすんでいるとみられます。

中心ちゅうしんの気圧きあつは955ヘクトパスカル、中心ちゅうしん付近ふきんの最大さいだい風速ふうそくは40メートル、最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそくは60メートルで、中心ちゅうしんから半径はんけい110キロ以内いないは風速ふうそく25メートル以上いじょうの暴風ぼうふうが吹ふいています。

気象庁きしょうちょうによりますと、強つよい台風たいふう10号ごうは午前ごぜん8時じごろ、薩摩さつま川内せんだい市し付近ふきんに上陸じょうりくしました。

気象庁きしょうちょうは奄美あまみ地方ちほうを除のぞく鹿児島かごしま県けんに暴風ぼうふうと波浪はろうの特別とくべつ警報けいほうを、鹿児島かごしま県けんの薩摩さつま地方ちほうに高潮こうちょうの特別とくべつ警報けいほうを発表はっぴょうしています。

九州きゅうしゅうでは各地かくちで風かぜが強つよまり、

▽鹿児島かごしま県けん枕崎まくらざき市しでは29日にち午前ごぜん1時じ前まえに51.5メートルと猛烈もうれつな風かぜが吹ふいたほか、

▽鹿児島かごしま市しで午前ごぜん5時じ前まえに38.8メートル、

▽鹿児島かごしま県けん南みなみさつま市しで午前ごぜん3時半じはん前まえに37.3メートル、

▽大分おおいた県けん佐伯さいき市し蒲江かまえで午前ごぜん6時じすぎに35.8メートルの最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそくを観測かんそくしました。

また、九州きゅうしゅうを中心ちゅうしんに、四国しこくや東海とうかいなど離はなれた地域ちいきでも暖あたたかく湿しめった空気くうきが流れ込ながれこみ雨うが強つよまっています。

午前ごぜん3時じすぎには宮崎みやざき県けんの北部ほくぶ平野ひらの部ぶ、北部ほくぶ山やま沿ぞいで、午前ごぜん5時じすぎには鹿児島かごしま県けんの薩摩さつま地方ちほうで、午前ごぜん6時半じはんすぎには大分おおいた県けんの中部ちゅうぶと北部ほくぶで線せん状じょう降水こうすい帯たいが発生はっせいし、非常ひじょうに激はげしい雨あめが同おなじ場所ばしょで降り続ふりつづいているとして、気象庁きしょうちょうは「顕著けんちょな大雨おおあめに関にかんする情報じょうほう」を発表はっぴょうしました。

発達はったつした雨雲あまぐもが流れ込ながれこみ続つづけ、午前ごぜん7時じまでの1時間じかんには国土こくど交通こうつう省しょうが大分おおいた県けん別府べっぷ市しに設置せっちした雨量うりょう計けいで110ミリの猛烈もうれつな雨あめを観測かんそくしました。

午前ごぜん8時じまでの48時間じかんに降ふった雨あめの量りょうは、

▽宮崎みやざき県けん美郷みさと町まち南郷なんごうで732.5ミリと8月つきの平年へいねん1か月かげつ分ぶんの1.3倍ばい、

▽鹿児島かごしま県けん肝付きもつき町まち前田まえだでは550.5ミリと、8月つきの平年へいねん1か月かげつ分ぶんの1.9倍ばいに達たっしています。

これまでに降ふった雨あめで宮崎みやざき県けんと鹿児島かごしま県けん、熊本くまもと県けん、大分おおいた県けん、愛媛えひめ県けん、それに静岡しずおか県けんでは土砂どしゃ災害さいがいの危険きけん性せいが非常ひじょうに高たかくなり、「土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい情報じょうほう」が発表はっぴょうされている地域ちいきがあるほか、大分おおいた県けんを流ながれる大分おおいた川がわ、宮崎みやざき県けんを流ながれる酒さけ谷川たにがわ、鹿児島かごしま県けんを流ながれる肝属きもつき川がわ水系すいけい、万之瀬川まのせがわ・加世田かせだ川がわに氾濫はんらん危険きけん情報じょうほうが発表はっぴょうされています。

西日本にしにほんは猛烈もうれつな風かぜ

西日本にしにほんでは30日にちにかけて猛烈もうれつな風かぜが吹ふくおそれがあり、

29日にちの最大さいだい風速ふうそくは

▽九州きゅうしゅう南部なんぶで45メートル、

▽九州きゅうしゅう北部ほくぶで40メートル、

▽四国しこくで25メートル、

▽奄美あまみ地方ちほうで20メートル、

▽中国ちゅうごく地方ちほうで18メートル、

最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそくは

▽九州きゅうしゅう南部なんぶで65メートル、

▽九州きゅうしゅう北部ほくぶで55メートル、

▽四国しこくで35メートル、

▽中国ちゅうごく地方ちほうと奄美あまみ地方ちほうで30メートルと予想よそうされています。

記録きろく的てきな大雨おおあめのおそれ

また、九州きゅうしゅう南部なんぶを中心ちゅうしんに記録きろく的てきな大雨おおあめとなるおそれがあり、

▽奄美あまみ地方ちほうを除のぞく鹿児島かごしま県けんや宮崎みやざき県けんでは30日にちの午前ごぜんにかけて、

▽九州きゅうしゅう北部ほくぶと山口やまぐち県けんは30日にちの午後ごごにかけて、

▽徳島とくしま県けん、愛媛えひめ県けん、高知こうち県けんでは30日にちの夜よるにかけて線せん状じょう降水こうすい帯たいが発生はっせいし、災害さいがい発生はっせいの危険きけん度どが急激きゅうげきに高たかまるおそれがあります。

気象庁きしょうちょうは鹿児島かごしま県けんと宮崎みやざき県けんでは今後こんご、大雨おおあめの特別とくべつ警報けいほうを発表はっぴょうする可能かのう性せいもあるとしています。

また、台風たいふうから離はなれた東日本ひがしにっぽんや西日本にしにほんでも大雨おおあめとなる見込みこみで、30日にち朝あさまでの24時間じかんに降ふる雨あめの量りょうは、いずれも多おおいところで

▽九州きゅうしゅう南部なんぶで600ミリ、

▽九州きゅうしゅう北部ほくぶと四国しこくで400ミリ、

▽東海とうかいで300ミリ、

▽近畿きんきと関東かんとう甲信こうしんで200ミリ、

▽中国ちゅうごく地方ちほうと伊豆いず諸島しょとうで120ミリと予想よそうされています。

その後そのご、31日にちの朝あさまでの24時間じかんには

▽四国しこくで400ミリ、

▽九州きゅうしゅう北部ほくぶと東海とうかいで300ミリ、

▽中国ちゅうごく地方ちほうと近畿きんきで200ミリと予想よそうされています。

さらに、来月らいげつ1日にちの朝あさまでの24時間じかんには

▽東海とうかいと近畿きんきで300ミリ、

▽四国しこくで200ミリ、

▽中国ちゅうごく地方ちほうで150ミリの雨あめが降ふる見込みこみです。

【海上かいじょうの見通みとおし】猛烈もうれつなしけ続つづく見込みこみ

海上かいじょうは波なみが高たかく、29日にちの波なみの高たかさは

▽九州きゅうしゅう南部なんぶで9メートルと猛烈もうれつなしけとなるほか、

▽奄美あまみ地方ちほうで8メートル、

▽九州きゅうしゅう北部ほくぶと四国しこくで7メートルと大だいしけとなる見込みこみです。

気象庁きしょうちょうは暴風ぼうふうと高波たかなみ、高潮こうちょうに最大さいだい級きゅうの警戒けいかいをするとともに、土砂どしゃ災害さいがい、低ひくい土地とちの浸水しんすい、川かわの氾濫はんらんに厳重げんじゅうに警戒けいかいするよう呼よびかけています。

宮崎みやざき県けんでは竜巻たつまきとみられる突風とっぷうによる被害ひがいも発生はっせいしていて落雷らくらいや竜巻たつまきなどの突風とっぷうにも十分じゅうぶん注意ちゅういが必要ひつようです。

風かぜや雨あめが急激きゅうげきに強つよまって災害さいがいの危険きけん度どが高たかまるほか、台風たいふうから離はなれた場所ばしょでも暖あたたかく湿しめった空気くうきの影響えいきょうで大雨おおあめのおそれがあります。

周囲しゅういの状況じょうきょうが悪化あっかしても避難ひなん場所ばしょまでの移動いどうが危険きけんな場合ばあいがあるため、近ちかくの頑丈がんじょうな建物たてものや建物たてものの高たかい階かいで崖がけや斜面しゃめんと反対はんたい側がわの部屋へやに移動いどうするなどして安全あんぜんを確保かくほして下ください。

「台風たいふうの特別とくべつ警報けいほう」とは

台風たいふうの特別とくべつ警報けいほうは数すう十じゅう年ねんに1度どしかないような勢力せいりょくで日本にっぽんに接近せっきんすると予想よそうされる際さいに発表はっぴょうされます。発表はっぴょうの基準きじゅんは中心ちゅうしんの気圧きあつが930ヘクトパスカル以下いか、または、最大さいだい風速ふうそくが50メートル以上いじょうに達たっする台風たいふうなどの接近せっきんが予想よそうされる場合ばあいで、暴風ぼうふう、高潮こうちょう、波浪はろうを対象たいしょうに発表はっぴょうされます。

沖縄おきなわや奄美あまみ、それに小笠原おがさわら諸島しょとうは、中心ちゅうしんの気圧きあつが910ヘクトパスカル以下いか、または最大さいだい風速ふうそくが60メートル以上いじょうとなっています。

【大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうとの違ちがい】

台風たいふうの特別とくべつ警報けいほうは状況じょうきょうが悪化あっかする「前まえ」に出だされます。台風たいふうの中心ちゅうしんが対象たいしょうとする地域ちいきに達たっするおよそ12時間じかん前まえに発表はっぴょうされます。

一方いっぽう、「大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほう」はすでに大雨おおあめが降おり状況じょうきょうが極きわめて悪化あっかした状態じょうたいに発表はっぴょうされます。大雨おおあめ特別とくべつ警報けいほうの見通みとおしが出だされていない地域ちいきが安全あんぜんだということでは決けっしてありません。

【特別とくべつ警報けいほう待またず早はやめの避難ひなんを】

台風たいふうが接近せっきんすると暴風ぼうふうによって建物たてものが倒壊とうかいするおそれもあるほか、大雨おおあめや高潮こうちょうで建物たてものが浸水しんすいする被害ひがいが出でるおそれもあります。

崖がけや川かわ、海岸かいがんの近ちかくから離はなれ、頑丈がんじょうな建物たてものに避難ひなんすることも重要じゅうようです。暴風ぼうふう雨うの中なかで移動いどうすることは困難こんなんです。

雨あめや風かぜが強つよくなる前まえに危険きけんな場所ばしょから離はなれ、避難ひなんしてください。そして特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされていない地域ちいきでも、特別とくべつ警報けいほうを待またず、海岸かいがんや川かわの近ちかく、周囲しゅういより低ひくい土地とち、それに崖がけの近ちかくに住すむ人ひとは早はやめの避難ひなんを心こころがけてください。

「台風たいふうの特別とくべつ警報けいほう」発表はっぴょうは過去かこ3回かい

【2014年ねん・台風たいふう8号ごう】

台風たいふうによる特別とくべつ警報けいほうが初はじめて発表はっぴょうされたのは、2014年ねん7月つきの台風たいふう8号ごうです。

このときは、大型おおがたで非常ひじょうに強つよい勢力せいりょくで沖縄おきなわの南みなみの海上かいじょうを北きたへ進すすみ、気象庁きしょうちょうは沖縄おきなわ県けんで記録きろく的てきな暴風ぼうふうや高波たかなみになるおそれがあるとして、特別とくべつ警報けいほうを出だす可能かのう性せいがあると発表はっぴょうしました。

それからおよそ7時間じかん後ご、実際じっさいに宮古みやふる島とう地方ちほうに特別とくべつ警報けいほうを発表はっぴょうし、台風たいふうは沖縄おきなわ本島ほんとうと宮古みやふる島とうの間まを通過つうかして渡嘉敷とかしき島とうでは53メートルの最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそくを観測かんそくしたほか、名護なご市しでは降水こうすい量りょうが457.5ミリに達たっし、記録きろく的てきな大雨おおあめとなりました。

さらに台風たいふうは北上ほくじょうを続つづけ、鹿児島かごしま県けん阿久根あくね市し付近ふきんに上陸じょうりくし、西日本にしにほんから東日本ひがしにっぽんの太平洋たいへいよう側がわを東ひがし寄よりに進すすんで四国しこくや東海とうかいなどでも300ミリを超こえる大雨おおあめとなり、長野ながの県けんでは土砂どしゃ災害さいがいで犠牲ぎせい者しゃが出でるなど、あわせて3人にんが亡なくなりました。

【2016年ねん・台風たいふう18号ごう】

次つぎに、台風たいふうの特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされたのは2016年ねん10月つきの台風たいふう18号ごうです。

このときは、沖縄おきなわ県けんの久米くめ島とうの南みなみの海上かいじょうで猛烈もうれつな勢力せいりょくにまで発達はったつし、沖縄おきなわ本島ほんとう地方ちほうに特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされました。

沖縄おきなわ本島ほんとうに接近せっきんしたあと九州きゅうしゅうの西にしの海上かいじょうを北きたへ進すすみ、対馬つしま海峡かいきょうから日本海にほんかいへと移動いどうして各地かくちで風かぜが強つよまり、沖縄おきなわ県けんの久米くめ島とう空港くうこうでは59.7メートル、金沢かなざわ市しでも43.4メートルの最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそくを観測かんそくしました

【2022年ねん・台風たいふう14号ごう】

最もっとも直近ちょっきんで台風たいふうの特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされたのは2022年ねん9月つきの台風たいふう14号ごうです。

このときは、大型おおがたで猛烈もうれつな強つよさに発達はったつし、気象庁きしょうちょうは、九州きゅうしゅう南部なんぶと九州きゅうしゅう北部ほくぶで台風たいふうと大雨おおあめの特別とくべつ警報けいほうを出だす可能かのう性せいがあると発表はっぴょうし、およそ10時間じかん後ごに鹿児島かごしま県けんに特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされました。

沖縄おきなわ県けん以外いがいに台風たいふうの特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされたのはこれが初はじめてのことでした。

台風たいふうは大型おおがたで非常ひじょうに強つよい勢力せいりょくで鹿児島かごしま市し付近ふきんに上陸じょうりくし、九州きゅうしゅうを縦断じゅうだんしたあと、進路しんろを東ひがし寄よりに変かえて中国ちゅうごく地方ちほうや北陸ほくりく付近ふきんを進すすみました。

台風たいふうの動うごきが遅おそく、台風たいふう本体ほんたいや周辺しゅうへんの雨雲あまぐもが長期間ちょうきかんかかり続つづけたことによって降水こうすい量りょうは宮崎みやざき県けんで900ミリを超こえるなど9月つきの1か月かげつ分ぶんの平年へいねんの雨量うりょうの2倍ばい前後ぜんごとなったところもありました。

このため、各地かくちで大おおきな被害ひがいとなり、宮崎みやざき県けんなどであわせて5人にんが亡なくなったほか、3000棟むね余あまりの住宅じゅうたくが被害ひがいを受うけました。

【特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされなかったケースも】

このほか、2020年ねん9月つきの台風たいふう10号ごうでは気象庁きしょうちょうが記者きしゃ会見かいけんで「鹿児島かごしま県けんに特別とくべつ警報けいほう発表はっぴょうの可能かのう性せいの確度かくどが高たかまった」と伝つたえましたが、その後そのご、発達はったつが弱よわまり、台風たいふうの特別とくべつ警報けいほうは発表はっぴょうされませんでした。

気象庁きしょうちょう「暴風ぼうふうが吹ふき始はじめる前まえに避難ひなんすることが重要じゅうよう」

台風たいふう10号ごうの注意ちゅうい点てんについて気象庁きしょうちょうは「暴風ぼうふうが吹ふき始はじめる前まえに頑丈がんじょうな建物たてものの中なかに移動いどうするとともに屋内おくないでは窓まどから離はなれてほしい。高潮こうちょうや洪水こうずいの浸水しんすい想定そうてい区域くいきや土砂どしゃ災害さいがい警戒けいかい区域くいきなどでは、暴風ぼうふうが吹ふき始はじめる前まえに避難ひなんすることが重要じゅうようだ。特別とくべつ警報けいほうが発表はっぴょうされない場合ばあいでも記録きろく的てきな大雨おおあめや暴風ぼうふう、高波たかなみ、高潮こうちょうとなるおそれがあり、自分じぶんの命いのちや大切たいせつな人ひとの命いのちを守まもるため、地元じもとの市町村しちょうそんが発令はつれいする避難ひなん情報じょうほうに従にしたがって早はやめに身みの安全あんぜんを確保かくほしてほしい」と述のべました。

「同おなじ場所ばしょで長時間ちょうじかん大雨おおあめに 最大さいだい級きゅうの警戒けいかいを」

また、「台風たいふうの特徴とくちょうとして動うごきがゆっくりであることが挙あげられる。そのため、九州きゅうしゅう南部なんぶや奄美あまみ地方ちほうは暴風ぼうふうの吹ふく期間きかんが長ながく、九州きゅうしゅう南部なんぶではあさっても一部いちぶ、暴風ぼうふうになる見込みこみだ。徐々じょじょに台風たいふうが北上ほくじょうすると九州きゅうしゅう南部なんぶだけでなく九州きゅうしゅう北部ほくぶや四国しこく、中国ちゅうごく地方ちほう、近畿きんきも影響えいきょうを受うけるようになる。九州きゅうしゅう北部ほくぶに接近せっきんしても台風たいふうの速度そくどは遅おそい状況じょうきょうで暴風ぼうふうや高波たかなみの警報けいほうを発表はっぴょうする期間きかんが長引ながびくおそれがある。また、ずっと同おなじ風向かざむきで暖あたたかく湿しめった空気くうきが流れ込ながれこむため地形ちけいの影響えいきょうなどで上昇じょうしょう流りゅうが発生はっせいし、同おなじ場所ばしょで長ながい時間じかん、大雨おおあめとなることが考かんがえられ最大さいだい級きゅうの警戒けいかいが必要ひつようになる」と述のべました。

国土こくど交通こうつう省しょう「今いまのうちにハザードマップの確認かくにんを」

また、国土こくど交通こうつう省しょうは、「河川かせんでは現在げんざい、ダムの事前じぜん放流ほうりゅうや水門すいもんの閉鎖へいさなど、氾濫はんらんを防止ぼうしするための事前じぜん対策たいさくを進すすめているが、台風たいふうの接近せっきんに伴ともなって長期ちょうき的てきな大雨おおあめや集中しゅうちゅう的てきな豪雨ごううが重かさなると、氾濫はんらんの危険きけん性せいが高たかまる。早はやめ早はやめの避難ひなん行動こうどうをしてほしい。雨あめや風かぜが強つよくなったり、暗くらくなったりしてからの移動いどうは危険きけんを伴ともなうため、早はやめの避難ひなん行動こうどうをお願おねがいする。今後こんご、台風たいふうの接近せっきんが予想よそうされる地域ちいきの人ひとは、事前じぜんの準備じゅんびが大事だいじだ。今いまのうちにハザードマップなどの確認かくにんをして、停電ていでんや断水だんすいなども視野しやに準備じゅんびを進すすめてほしい。運休うんきゅうや欠航けっこう、道路どうろの通行止つうこうどめの可能かのう性せいがあり各かく事業じぎょう者しゃのウェブサイトなどで最新さいしんの情報じょうほうを確認かくにんしてほしい。特とくに、外出がいしゅつの予定よていがある人ひとは十分じゅうぶんな時間じかん的てき余裕よゆうを持もった行動こうどうをお願おねがいしたい」と呼よびかけました。

土砂どしゃ災害さいがいの専門せんもん家か「最高さいこうレベルの警戒けいかいを」

土砂どしゃ災害さいがいに詳くわしい鹿児島かごしま大学だいがくの地頭じとう薗その隆たかし名誉めいよ教授きょうじゅは、台風たいふう10号ごうに伴ともなう大雨おおあめで地盤じばんが緩ゆるむだけでなく、暴風ぼうふうで木きが揺ゆさぶられ斜面しゃめんに亀裂きれつが入はいることもあるため、通常つうじょうの大雨おおあめよりも土砂どしゃ災害さいがいが起おきやすくなると指摘してきしています。

また、九州きゅうしゅうでは8月つき8日にちに起おきた日向ひなた灘なだを震源しんげんとするマグニチュード7.1の地震じしんで斜面しゃめんに亀裂きれつが入はいり、以前いぜんより崩くずれやすくなっている場所ばしょも多おおいとみられるとして、これまで以上いじょうに注意ちゅういが必要ひつようだとしています。

地頭じとう薗その名誉めいよ教授きょうじゅは「避難ひなんの判断はんだんの際さいには過去かこの経験けいけんにとらわれないでほしい。これまで土砂どしゃ災害さいがいが起おきていないところは、斜面しゃめんの土どの層そうが蓄積ちくせきしていてかえって危険きけんだ。土砂どしゃ災害さいがいに対にたいして最高さいこうレベルの警戒けいかいをしてほしい」と話はなしています。

さらに、今回こんかいはかなりの雨量うりょうが予想よそうされているため、斜面しゃめんの表面ひょうめんが崩くずれる「表層ひょうそう崩壊ほうかい」だけでなく、岩盤がんばん深ふかくから崩くずれる「深層しんそう崩壊ほうかい」が起おきるリスクも高たかいとしています。

九州きゅうしゅうでは過去かこに火山かざん性せいの地質ちしつの場所ばしょで400ミリ程度ていど、九州きゅうしゅう山地さんちのような山やまあいの地域ちいきで800ミリ程度ていどの雨量うりょうで「深層しんそう崩壊ほうかい」が起おきたということです。

時間じかんがたってから斜面しゃめんが崩くずれたケースもあるということで、地頭じとう薗その名誉めいよ教授きょうじゅは、「雨あめの降ふり方かたによっては大だい規模きぼな崩壊ほうかいにも警戒けいかいが必要ひつようだ。雨あめがやんだあとも、しばらく警戒けいかいを続つづけることも念頭ねんとうにおいてほしい」と話はなしています。

避難ひなん行動こうどうに詳くわしい専門せんもん家か「台風たいふうから離はなれた場所ばしょでもリスクあり」

災害さいがい時じの避難ひなん行動こうどうに詳くわしい静岡しずおか大学だいがくの牛山うしやま素行そこう教授きょうじゅは、台風たいふう10号ごうについて動うごきが遅おそいため同おなじ場所ばしょで長時間ちょうじかんにわたって雨あめが降ふり続つづけるおそれがあるとしています。

そのうえで、奈良なら県けんで総そう雨量うりょうが1800ミリに達たっするなど紀伊きい半島はんとうを中心ちゅうしんに記録きろく的てきな大雨おおあめとなった2011年ねんの台風たいふう12号ごうを例れいに、今回こんかいは九州きゅうしゅう南部なんぶや四国しこくなどふだん雨あめがよく降ふる地域ちいきにとっても大雨おおあめになるおそれがあると指摘してきしています。

また、東海とうかいなどですでに大雨おおあめとなり土砂どしゃ災害さいがいが起おきていることを挙あげ、台風たいふうの位置いちだけに注目ちゅうもくすると避難ひなんのタイミングを逃のがすおそれがあるとしています。

このため、気象庁きしょうちょうのホームページで雨雲あまぐもの状況じょうきょうや災害さいがいの危険きけん度どなど自分じぶんがいる場所ばしょの最新さいしんの情報じょうほうをこまめに確認かくにんするよう呼よびかけています。

牛山うしやま教授きょうじゅは「週末しゅうまつの予定よていを変更へんこうしたり延期えんきしたりして屋外おくがいでの行動こうどうを極力きょくりょく避さけることも重要じゅうような避難ひなん行動こうどうの1つだ。また、避難ひなんをする前まえに雨あめや風かぜが激はげしくなった場合ばあいには斜面しゃめんから離はなれた場所ばしょや、頑丈がんじょうな建物たてものの2階かい以上いじょうなど少すこしでも安全あんぜんな場所ばしょで安全あんぜんを確保かくほしてほしい」と話はなしています。