ドジャースとメッツの試合は雨のため27日の試合が中止となり、大谷選手は午後1時ごろメッツの本拠地のシティ・フィールドで報道陣の取材に応じました。
今月16日のレッズ戦でけん制球が当たって痛めた左太もも裏の状態については「日に日によくなってきている。きょうもきのうよりだいぶ感じはいい」と快方に向かっているとした上で、「けん制でもらってから次の日とかに徐々に張りが出てきた。その中で走っていたので、徐々に悪くなったという感じだ」と17日以降もふだんどおりのプレーを続けたことで悪化したことを明かしました。
大谷選手は足を痛めて以降、17日からの打率が2割2分2厘と落ち込んでいて、軸足である左足を痛めたことによる影響が懸念されているほか、25日のレッズ戦ではスリーベースヒットを打った際に珍しく全力疾走をしませんでした。
大谷選手はプレーへの影響について「スイングにはそこまで影響はないと思う。状態がそこまでよくないというのはもちろんあると思うが、その中で軸足の影響はあまりない」と話し、チームが5連敗中であることについては「時差もあるしスケジュール的にきついところもあり、なかなかチームとしても打撃のつながりという意味では少し難しくなっている。こういうことも長いシーズンではあるし、切り替えて頑張りたい」と前向きに話していました。
ドジャースとメッツは28日にダブルヘッダーを行うことになり、第1試合が日本時間の29日午前5時すぎから行われる予定です。
約128キロでキャッチボール
今シーズン、ピッチャーとしてのリハビリを続けている大谷選手は、試合の順延が決まったあとブルペンで3日ぶりにキャッチボールを行いました。
大谷選手は3月下旬にピッチングのリハビリを開始してからおよそ2か月の間に27回のキャッチボールを行っていて、徐々に距離を伸ばしているほか球速を管理しながらボールの威力も計画的に上げていて、現在はおよそ128キロまで出しているということです。
シティ・フィールドのブルペンはピッチャー側に屋根がついているため大谷選手が雨にぬれることはなく、この日もフォームを丁寧に確認しながらおよそ60球を投げました。
大谷選手はリハビリの今後の見通しについて「どこまで距離が伸びていくというのは、まだ先のことなのでわからないが、徐々に距離と球数が伸びていくという感じだと思う」と話しました。
ピッチャーとしての復帰は来シーズンの開幕を目指していますが「ピッチングの日は独特な緊張感があるのでそれは恋しいといえば恋しい。ただひとつひとつのステップを踏んでいく時期なので焦ることなく、次のステップをしっかり踏みたい」と話していました。
そして、復帰に向けて重要視していることを問われると、「効率よく投げることがけがの予防にもつながるが、ある程度パワーピッチャーであればしょうがない部分ではある。そこはある程度割り切って、パフォーマンスを下げないように、自分自身であまりあきらめないようにそのままの感じでいきたいなと思っている」と話し、復帰後も出力を抑えるのではなく、手術前と変わらず持ち味の160キロを超える速球を生かした投球スタイルを継続する考えを示しました。
2026年 WBC出場に意欲
大谷選手は、日本が連覇を目指す2026年のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックについても出場に意欲を示しました。
今月23日に大リーグ機構が2026年のWBCの開催地を発表したことについて、報道陣から「出たいという気持ちは変わらないか」と質問されたのに対し、大谷選手は「そうですね。今のところはそう思っていますし、出たいと言って出られるところではない。選んでもらえるように、まずはトップ層にしっかりとい続けるというのが大事かなと思う」と話し、出場に意欲を示しました。
大谷選手は去年行われたWBCで投打の二刀流で活躍して日本を3大会ぶり3回目の優勝に導き、個人としても大会のMVP=最優秀選手を受賞しました。
左痛めている太もも裏の状態など【一問一答】
大谷選手は雨のため試合が中止となった27日、メッツの本拠地「シティ・フィールド」で報道陣の取材に応じました。
大谷選手が取材に応じるのは今月19日以来8日ぶりで、けん制球が当たり痛めている左太もも裏の状態についてや、連敗が続いているチームの現状、ピッチャーとしてのリハビリの進捗などについておよそ13分間質問に答えました。
〈アメリカメディア〉
Q.左太もも裏の状態はどうか。
A.日に日にはよくなってきているので、きょうもきのうよりだいぶ感じはいいかなと思います。
Q.いつごろからパフォーマンスに影響するようになったのか?
A.ピックオフ(けん制)でもらってから、そのあと、次の日とかですかね。
徐々に張りが出てきてその中で走っていたので、徐々に悪くなってという感じかなと思います。
Q.25日の試合のスリーベースはスピードを抑えていたが。
A.まああの打球はそうですね、余裕でスリーベースにできるとは思ってたんですけど、ショートがデラクルーズ選手だというのはちょっと忘れていたので、そこで少しクロスプレーになったかなと思います。
Q.スイングに影響はある?
A.んー、スイングはそこまでないと思います。
状態がそこまでよくないというのはもちろんあると思いますけど、その中で軸足の影響はあんまりないかなと感じています。
Q.腰の状態は?
A.腰はそうですね、トレーニングもしながら、よくはなってきているので、ほぼ問題なく来ているかなと思います。
Q.ピッチングのリハビリの現状と、次のステップは?
A.徐々に、なんですかね、まあまず距離が伸びてくると思うので。
また距離を伸ばしながら、球数が60球から70球に増えたりとか、その段階でどこまで距離が伸びていくというのは、ちょっとまだ先のことなので、どこまで行くかというのはわからないですけど。
徐々に距離と球数が伸びていくという感じかなと思います。
Q.今距離的にはどれくらいで投げている?
A.先週60フィート(およそ18メートル)になったくらいなので、球速も80マイル(128.7キロ)くらいですかね、そのくらいまで上がってはきているかなと思います。
Q.バッターに専念できることでバッティングにいい影響が出ている?
A.んーどうなんですかね。
まあそれは1シーズンやって、やりきらないと言えないことではあるので、まず1シーズンやってみてからかなと思います。
Q.ここ1週間くらいの打線の不調についてはどう思うか。
A.んーどうなんですかね。
やっぱりその、もちろん時差もありますし、なかなかスケジュール的にきついところもあるので、そこがなかなかチームとしても打撃の中でのつながりという意味では、少し難しくなっている部分はあると思いますけど。
その中でできることはもちろんあると思うので、終わったことはもう切り替えて、きょうはきょうで集中したいなと思っています。
※取材は試合中止発表前。
Q.水原元通訳の問題もパフォーマンスには影響はなかったと感じているが、どうやってストレスに対処したのか。
A.んー睡眠が足りなかったのがいちばん問題ではありましたけど。
まあなんでしょうね、メンタルがプレーに影響するとは思ってないですし、まあしっかりとした技術さえあれば、どんなメンタルでも打てると思っているので。
そこと、んーなんていうんですかね、グラウンドでやるべきことっていうのはまったく切り離してやりたいなとは思っています。
Q.ピッチングが恋しい?
A.んー、ピッチングの日はやっぱり独特な緊張感、先発投手特にみんなそうだと思いますけど、独特な緊張感あると思うので。
それは恋しいと言えば恋しいですし、ただまあ、ひとつひとつのステップを踏んでいく時期なのであまり焦ることなく、次のステップをまずしっかり踏みたいなと思っています。
〈日本メディア〉
Q.チームが5連敗中だが、こういうときに何に集中するべきだと思うか。
A.んーまあ役割によって違うとはもちろん思いますし、先発ピッチャーだったらやっぱり先に点を与えないというのがやっぱり、どんなシチュエーションでもそうですけど、特に連敗が続いているときは、そう考えるものですし。
バッターだったらやっぱり最初に点を取りたいというのは、これもそのとおりそうだとは思うので。
ただそういう気持ちが強くなりすぎると、やっぱりなんていうんですかね、自分の打席というか丁寧な打席がなかなかみんなできなかったりすると思うので、状態がいいときというのはあまり気負うことなく、自分の打席をいいクオリティーで送れるかなとは思うので。
みんなベテランの選手も多いですし、まあそこはみんなわかってると思うので、こういうことももちろん長いシーズンではありますし、さっきも言いましたけどきょうはきょうで切り替えて頑張りたいなとは思っています。
Q.改めて、バッターとピッチャー2つやることへの気持ちは。
A.改めて。
んー、特には変わってないですね。
まあこの手術も1回目ではないですし、2回目である程度ステップはわかっているので。
どういうスケジュールで進んでいくというのもわかっているので、あまり焦ることなく、今のところはできているかなと思います。
Q.ダルビッシュ投手の日米通算200勝はどのように見ていた?
A.ニュースでは見ていたので、本人とも連絡をとっているなかで、200勝。
シーズンの最初の方ですかね「200勝あるから早めにしたいな」みたいな話をしていたので、1つ区切りを迎えたことでまた、なんていうんですかね、そこもリラックスしてというか、あまり考えることなく次の登板に本人も集中できるのではないかなと思うので。
それはすばらしいことですし、もちろん200勝というのも、200勝ということで偉大な記録ではあると思うので、「おめでとうございます」ということですね。
Q.2026年のWBCの開催地が決まったが、出たいという気持ちは今も変わらない?
A.そうですね、まあ今のところはそう思っていますし、まあ出たいと言って出られるところではないと思いますけど、もちろん選んでもらえるようにというか、そこのトップ層にまずはしっかりとい続けるというのが大事かなと思います。
Q.けがをするとほかの部分をかばうことがあると思うが、そうならないように意識している体の場所は?またほかに気になっているところはある?
A.んーいちばんはやっぱりひじじゃないですかね。
そこが、なんていうのかな、別にかばうことはないと思いますけど、ケアしなければいけないいちばんのポイントではあるので。
毎日ケアしますし、状態を確かめながらやるのが大事かなと思います。
Q.リハビリの過程で、体の技術的な動きで重要視していることは?
A.んー、全部じゃないですかね。
それは別にけがをしてもしなくても効率よく投げたいなというのがけがの予防にもつながりますし、ただこればっかりは出力が上がればしょうがない部分ではあるので、まあ誰しもがピッチャーをやっていれば、ある程度パワーピッチャーであればしょうがない部分ではあるので。
そこは前回から今回もそうでしたけど、ある程度割り切ってというか、あとはまあパフォーマンスを下げないように、そこだけはまあ注意してというか、自分自身であまりあきらめないようにそのままの感じでいきたいなとは思っています。