サッカー男子の日本代表は、パリオリンピックを前にフランス南部で事前合宿を行っていて、17日はトゥーロンで開催国のフランス代表と強化試合を行いました。
日本は、アジア最終予選に続いてキャプテンを務める藤田譲瑠チマ選手や、背番号「10」を背負う斉藤光毅選手などが先発メンバーに名を連ね、本番を想定した布陣で臨みました。
試合は金メダル候補のフランスに序盤から押し込まれる展開が続き何回か決定的な場面を招きましたが、守備陣が体を寄せてシュートを防いだり、相手のシュートが外れたりして失点を免れました。
そして、前半25分フォワードの藤尾翔太選手が前線でボールを奪うと、三戸舜介選手のヒールパスから最後は藤田選手が落ち着いて先制のゴールを決めて1対0とリードして試合を折り返しました。
後半、日本はエースストライカーの細谷真大選手やディフェンダーの西尾隆矢選手、大畑歩夢選手の3人を投入して臨みましたが、開始直後に相手に豪快なミドルシュートを決められて同点に追いつかれました。
その後も個々の能力が高いフランスに攻め込まれましたが、日本は最後まで粘り強く守り、本番前の最後の強化試合を1対1で引き分けました。
日本は1週間後の24日、日本時間の25日未明にパリオリンピック予選リーグの初戦でパラグアイと対戦します。
大岩剛監督「階段を一歩ずつ上っていきたい」
23歳以下日本代表の大岩剛監督は、強豪フランス代表から先制点を奪ったシーンを振り返って「われわれの強みであるミドルゾーンの守備からショートカウンターでゴールを奪えたことはよくできたと思う」と話しました。
本番前最後の強化試合で得られた課題や収穫について聞かれると、「フランスの地でゲームができ、ピッチの状態や環境に慣れることができた。しっかり選手のコンディションを整えて初戦に臨みたい。目の前の試合をしっかり勝ち続けて階段を一歩ずつ上っていきたい」と意気込みを話しました。
藤田譲瑠チマ選手 「もっと試合をコントロールしたかった」
キャプテンの藤田譲瑠チマ選手は試合直後のインタビューで「もっと試合をコントロールしたかった。勇気をもってボールを持つところや激しく相手に対して行くところは、オリンピックを戦う上でもっと必要だと感じた。相手に押し込まれた時間が長かった中で、負けなかったことはプラスに考えていい」と話しました。
また、みずからの先制ゴールについては「少ないチャンスを決めきれたのはよかったが、中盤の選手としてもっとチャンスメークをしていきたい」と課題も口にしました。
そして、1週間後に迫ったパリオリンピック初戦に向けて「しっかり体を休めていい準備をし、一人ひとりが全力を出してチームのために戦うことができれば結果が見えてくると思う。突き詰めてやっていきたい」と力強く話しました。
先制点アシストの三戸舜介選手「決めきる力を突き詰めたい」
絶妙なヒールパスで先制点をアシストした三戸舜介選手は「最初は自分でシュートを打とうと思ったが、藤田選手から『少し待て』と言われて冷静になれた。決めてくれてよかった」と振り返りました。
そしてオリンピック本番に向けて「ほかにもチャンスはあったし、そこで決めきれるかで試合は決まってくる。本番に向けて時間は少ないが、決めきる力を突き詰めていきたい」と話していました。
木村誠二選手「チームとしての完成度を高める必要」
先発出場したディフェンダーの木村誠二選手は、「少しスペースを与えるとパスをつないできたり、個人のドリブルで突破されたり、日本とはかなり違う部分があると感じた。オリンピック直前にこのレベルを感じることができてよかった」と強豪、フランス代表との試合を振り返りました。
そして、1週間後に迫ったパリオリンピック予選リーグ初戦のパラグアイ戦に向けて「個人としての能力ではなく、チームとしての完成度を高める必要がある。失点をしないように守備陣みんなで頑張りたい」と話していました。