長野県を
流れる千曲川の
堤防の
決壊について、
国土交通省は、
川幅が
広い場所と
狭い場所が
交互に
存在する
特徴があり、
川幅が
狭い
場所の
上流で
水位が
上がったことが
主な
要因だとしています。
国土交通省によりますと、
千曲川の
堤防が
決壊した
場所の
川幅は
およそ1キロほどありましたが、
7キロほど
下流の
区間では
川幅が200
メートルほどと、
急激に
狭くなっているということです。
このため、川が増水した際に、川幅の狭いところで流れが悪くなり、上流ではせき止められるように水が滞って水位が上昇し、堤防の決壊につながった可能性があるみています。
千曲川では、過去にも同じような要因で氾濫が起きていて、昭和58年には台風による大雨で長野県飯山市にある堤防が決壊し大規模な浸水被害が出ています。
被害を防ぐため国は、平成26年からおよそ30年間にわたっての河川整備計画を策定し、堤防を補強したり、川底を掘削したりする工事を進めているところでした。
川幅急に狭くなる場所 全国各地に
千曲川の氾濫について、河川の災害に詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、氾濫が発生していたのは川幅が急に狭くなる「狭さく部」と呼ばれる場所の上流で、昔から繰り返し水害が起きていたと指摘しています。
二瓶教授は「治水対策自体は行われていたと思うが、それを上回るような雨が降り、あれだけの洪水氾濫をもたらしたと考えられる」と話しています。
さらに、千曲川のように川幅が急に狭くなる場所は全国各地にあると指摘したうえで二瓶教授は「地域の住民がどこが幅が狭くて危険かというところまで判断するのは難しいと思うが、自治体が作成するハザードマップには、浸水範囲が描かれているので、まずはそれを見て理解していただきたい。そして、災害が起きたのが自分の住んでいるところではなくても、自分のことに置き換えて考えてもらいたい」と話しています。