岸田首相寺田総務相を更迭後任は松本剛明元外相起用へ - Easy News

政治せいじ資金しきんをめぐる問題もんだいが明あきらかになっている寺田てらだ総務そうむ大臣だいじんについて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、20日にち夜よる、辞表じひょうを提出ていしゅつさせ更迭こうてつしました。後任こうにんには自民党じみんとう麻生あそう派はの松本まつもと剛つよし明あきら・元もと外務がいむ大臣だいじんを起用きようする意向いこうを固かためました。

寺田てらだ総務そうむ大臣だいじんをめぐっては、地元じもと後援こうえん会かいが政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょにすでに亡なくなった人ひとを会計かいけい責任せきにん者しゃとして記載きさいするなど、政治せいじ資金しきんをめぐる問題もんだいが相次あいついで明あきらかになっています。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、19日にちの記者きしゃ会見かいけんで、政策せいさく課題かだいに政権せいけんが全力ぜんりょくであたる必要ひつようがあることや、閣僚かくりょうとしての説明せつめい責任せきにんを徹底てっていさせる観点かんてんから、みずからが判断はんだんする考かんがえを示しめしました。

そして、20日にち午後ごご7時半じはんすぎ、総理そうり大臣だいじん公邸こうていに寺田てらだ大臣だいじんを呼よんで辞表じひょうを提出ていしゅつさせ、更迭こうてつしました。

また、後任こうにんには自民党じみんとう麻生あそう派はの松本まつもと剛つよし明あきら・元もと外務がいむ大臣だいじんを起用きようする意向いこうを固かためました。

寺田てらだ大臣だいじんをめぐっては、野党やとう側がわが「政治せいじ資金しきんを所管しょかんする総務そうむ大臣だいじんとして不ふ適格てきかくだ」などと更迭こうてつを求もとめており、与党よとう内ないでも、説明せつめいが不十分ふじゅうぶんだという指摘してきに加くわえて辞任じにんは避さけられないという見方みかたが出でていました。

寺田てらだ大臣だいじんは、衆議院しゅうぎいん広島ひろしま5区く選出せんしゅつの当選とうせん6回かい。自民党じみんとう岸田きしだ派はに所属しょぞくしことし夏なつの内閣ないかく改造かいぞうで初はじめて入閣にゅうかくしました。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと近ちかいことでも知しられ、今いまの岸田きしだ派はの「宏池会こうちかい」を結成けっせいした池田いけだ勇人はやと・元もと総理そうり大臣だいじんは、妻つまの祖父そふにあたります。

わずか1か月かげつの間まに3人にんの閣僚かくりょうが辞任じにんする事態じたいとなり、岸田きしだ内閣ないかくにとってダメージは避さけられない情勢じょうせいです。

後任こうにん起用きよう意向いこうの松本まつもと剛つよし明あきら元もと外務がいむ大臣だいじんとは

松本まつもと氏しは、衆議院しゅうぎいん兵庫ひょうご11区く選出せんしゅつの当選とうせん8回かいで、63歳さい。自民党じみんとう麻生あそう派はに所属しょぞくしています。銀行ぎんこう員いんを経へて、父親ちちおやの松本まつもと十郎じゅうろう・元もと防衛庁ぼうえいちょう長官ちょうかんの秘書ひしょを務つとめた後のち、平成へいせい12年ねんの衆議院しゅうぎいん選挙せんきょで当時とうじの民主党みんしゅとうから初はつ当選とうせんしました。

民主党みんしゅとう政権せいけんでは、外務がいむ大臣だいじんや衆議院しゅうぎいん議院ぎいん運営うんえい委員いいん長ちょうを務つとめましたが、民主党みんしゅとうが野党やとうに転てんじたあと、7年ねん前まえに安全あんぜん保障ほしょう法制ほうせいをめぐる考え方かんがえかたの違ちがいを理由りゆうに離党りとうして無所属むしょぞくとなり、その後そのご、自民党じみんとうに入党にゅうとうしました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんとしては、国会こっかい開会かいかい中ちゅうの閣僚かくりょうの交代こうたいとなるため、松本まつもと氏しに閣僚かくりょう経験けいけんがあることに加くわえ、麻生あそう副ふく総裁そうさいが率ひきいる麻生あそう派はからの起用きようで、政権せいけんの安定あんていを図はかりたいというねらいがあるものとみられます。

岸田きしだ首相しゅしょう「任命にんめい責任せきにん重おもく受け止うけとめている」

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、20日にち夜よる、総理そうり大臣だいじん公邸こうていで寺田てらだ総務そうむ大臣だいじんと会談かいだんしたあと記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじました。

この中なかで岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「先さきほど、寺田てらだ大臣だいじんから補正ほせい予算よさん案あん、被害ひがい者しゃ救済きゅうさい新法しんぽうなど、重要じゅうよう課題かだい処理しょりの最終さいしゅう段階だんかいを迎むかえているときに、みずからの政治せいじ資金しきんに関にかんする質疑しつぎが続つづくことで悪影響あくえいきょうを与あたえたくないという理由りゆうで辞任じにんの意向いこうが示しめされた」と述のべました。

そのうえで「これから臨時りんじ国会こっかいは終盤しゅうばんを迎むかえ年末ねんまつにかけては補正ほせい予算よさん案あんや被害ひがい者しゃ救済きゅうさい新法しんぽうの審議しんぎ、防衛ぼうえい力りょくの強化きょうか、コロナ対策たいさく、さらには当初とうしょ予算よさん案あんの編成へんせいもある。こうした重要じゅうよう課題かだいに答こたえを一ひとつ一ひとつ出だすべく努力どりょくすることを最さい優先ゆうせんするにあたり、正念場しょうねんばを迎むかえていると感かんじていることから辞任じにんを認みとめることにした」と述のべました。

そして「国会こっかい中ちゅう、相次あいついで閣僚かくりょうが辞任じにんすることとなり、深ふかくおわびを申し上もうしあげる。私わたし自身じしん、任命にんめい責任せきにんを重おもく受け止うけとめている。国民こくみんの皆様みなさまの厳きびしい批判ひはんを真摯しんし（しんし）に受け止うけとめながら、内閣ないかくとして一層いっそうの緊張きんちょう感かんを持もって政権せいけん運営うんえいにあたっていきたい」と述のべました。

また後任こうにん人事じんじについては「地方ちほうの財政ざいせいや税制ぜいせい、またマイナンバーカードの普及ふきゅう、さらには通信つうしん放送ほうそう行政ぎょうせいに精通せいつうしている人材じんざいを選えらびたい」と述のべ、21日にちの午前ごぜん中ちゅうに発表はっぴょうしたいという意向いこうを示しめしました。

さらに「こうした事態じたいの中なかだが、国民こくみん生活せいかつ、そして国民こくみんの命いのちや暮くらしを守まもるために果はたさなければいけない多おおくの重要じゅうような政治せいじ課題かだいがあり、こうしたものを一ひとつ一ひとつ乗り越のりこえ、結果けっかを出だすことによってみずからの責任せきにんを果はたしていかなければいけない」と述のべました。

このほか、記者きしゃ団だんが「みずからが会長かいちょうを務つとめる岸田きしだ派はに所属しょぞくする大臣だいじんが相次あいついで辞任じにんしたことをどう思おもうか」と質問しつもんしたのに対にたいし「派閥はばつにかかわらず辞任じにんという事態じたいに至いたったことは大変たいへん遺憾いかんなことで、私わたし自身じしんも責任せきにんは重おもく受け止うけとめなければならない」と述のべました。

寺田てらだ総務そうむ相しょう「重要じゅうよう法案ほうあんが可決かけつ・成立せいりつしけじめつけた」

寺田てらだ大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし「たった今たったいま、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんに国務こくむ大臣だいじんの辞表じひょうを提出ていしゅつさせてもらった。先週せんしゅうの金曜日きんようびに総務そうむ省しょうが提出ていしゅつした重要じゅうよう法案ほうあんである衆議院しゅうぎいんの区割くわり法ほうが可決かけつ・成立せいりつし、その段階だんかいでけじめをつけた」と述のべました。

そのうえで「残のこっている補正ほせい予算よさん案あんや重要じゅうよう法案ほうあんである旧きゅう統一とういつ教会きょうかいの被害ひがい者しゃ救済きゅうさい法案ほうあんなどの審議しんぎ日程にっていもない中なか、私わたしの政治せいじ資金しきんをめぐる問題もんだいが差し障さしさわりになってはいけないと辞表じひょうを出だし、岸田きしだ総理そうりに受理じゅりしていただいた」と述のべました。

また「私わたし自身じしんの関係かんけい政治せいじ団体だんたいについて、さまざまな事務じむ的てきミスや不ふ手際てぎわが発覚はっかくしたため、関係かんけい者しゃに聞ききながら説明せつめい責任せきにんを果はたしてきた。もちろん残のこされた説明せつめい責任せきにんもあると思おもうので、今後こんごもしっかり果はたしていきたい」と述のべました。

そして「多おおくの関係かんけい者しゃにご心配しんぱい、ご迷惑めいわくをかけたことは、これまでもおわびを申し上もうしあげているが、改あらためておわびを申し上もうしあげたい」と述のべました。

さらに、進退しんたいについて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと事前じぜんに相談そうだんしていたのか記者きしゃ団だんに問とわれ「直接ちょくせつ、進退しんたいという形かたちで相談そうだんはしていなかったが、さまざまな今いまの政治せいじ資金しきんをめぐる諸しょ状況じょうきょう、国会こっかいでの審議しんぎの状況じょうきょう、地元じもと情勢じょうせいなどについて折おりに触ふれて報告ほうこくしていた」と述のべました。

そして今後こんごの対応たいおうについて「今後こんごは閣僚かくりょうという立場たちばではなく議員ぎいん活動かつどうはこれからも続つづける中なかで、いち議員ぎいんとして確認かくにんができたことは発表はっぴょうさせていただく」と述のべました。

公明こうめい山口やまぐち代表だいひょう「辞表じひょうやむをえない最後さいごのタイミングだった」

公明党こうめいとうの山口やまぐち代表だいひょうは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「たび重かさなる問題もんだい点てんが指摘してきされる中なか、寺田てらだ大臣だいじんはクリアに説明せつめいしきれず、不透明ふとうめいな部分ぶぶんが残のこっていた。補正ほせい予算よさん案あんや旧きゅう統一とういつ教会きょうかいの被害ひがい者しゃ救済きゅうさい法案ほうあんなどの国会こっかい審議しんぎに停滞ていたいを招まねくおそれがあったので、それを自覚じかくして辞表じひょうを出だしたことはやむをえない。ここが最後さいごのタイミングだったのではないか」と述のべました。

そのうえで「任命にんめい権けん者しゃの岸田きしだ総理そうり大臣だいじんには、相次あいつぐ閣僚かくりょうの辞任じにんに深ふかく思おもいを致いたし、後任こうにんを一刻いっこくも早はやく任命にんめいし、体制たいせいを立て直たてなおしてもらいたい。重要じゅうよう法案ほうあんの審議しんぎに政府せいふとしてしっかり責任せきにんを持もって、臨のぞんでもらいたい」と指摘してきしました。

立たつ民みん泉いずみ代表だいひょう「岸田きしだ首相しゅしょうの決断けつだん力りょくと指導しどう力りょく疑うたがわざるをえない」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの泉いずみ代表だいひょうは、コメントを発表はっぴょうし「公職こうしょく選挙せんきょ法ほうや政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうを所管しょかんする総務そうむ大臣だいじんが多おおくの疑惑ぎわくを抱かかえていたのでは、公平こうへい公正こうせいな総務そうむ行政ぎょうせいは遂行すいこうできない。すでに信頼しんらいも失墜しっついしていたにもかかわらず、辞任じにんは遅おそすぎであり、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの決断けつだん力りょくと指導しどう力りょくを疑うたがわざるをえない」と批判ひはんしました。

そのうえで「8月つきの内閣ないかく改造かいぞう後ご、早はやくも3人にんの大臣だいじんが辞任じにんに至いたったことは、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの人事じんじ管理かんり力りょくのなさと任命にんめい責任せきにんが問とわれる。国会こっかいで国民こくみんに謝罪しゃざいし、今後こんごの内閣ないかくの在り方ありかたについて誠実せいじつに説明せつめいすべきだ」と求もとめました。

立たつ民みん逢坂おうさか代表だいひょう代行だいこう「遅おそすぎる岸田きしだ首相しゅしょうの決断けつだん力りょく危機きき感かんのなさ」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの逢坂おうさか代表だいひょう代行だいこうは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「更迭こうてつのタイミングが遅おそすぎる。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの決断けつだん力りょく危機きき感かんのなさからくるもので、任命にんめい責任せきにんが問とわれるし、寺田てらだ総務そうむ大臣だいじんをこれまで辞任じにんさせずに放置ほうちしてきた責任せきにんは重おもい」と述のべました。

そのうえで「寺田てらだ大臣だいじんは説明せつめい責任せきにんを果はたしていないし、問題もんだいの深刻しんこくさを理解りかいしていない。予算よさん委員いいん会かいでの審議しんぎを目前もくぜんにした今いま、まともに審議しんぎできる状況じょうきょうではない」と述のべました。

立たつ民みん安住あんじゅう国対こくたい委員いいん長ちょう「岸田きしだ首相しゅしょうは傷口きずぐちを広ひろげた」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの安住あんじゅう国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょうは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうを所管しょかんする大臣だいじんとして何なん度ども法令ほうれい違反いはんの疑うたがいを繰り返くりかえしていて、国会こっかい審議しんぎを通をつうじてその任にんにあらずという結論けつろんになったのは明あきらかだ」と述のべました。

そして「辞任じにんは当然とうぜんで、遅おそすぎるくらいだ。国会こっかい審議しんぎで何なん度ども問題もんだいになっていて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは先さきの外遊がいゆう前まえに更迭こうてつすべきで、傷口きずぐちを広ひろげた」と指摘してきしました。

そのうえで、21日にちからの国会こっかい日程にっていへの影響えいきょうについては「自民党じみんとうがどう出でてくるかによる」と述のべました。

維新いしん馬場ばば代表だいひょう「疑惑ぎわくの説明せつめい責任せきにんがなくなるものではない」

日本にっぽん維新いしんの会かいの馬場ばば代表だいひょうは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「亡なくなった人ひとが政治せいじ資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょの会計かいけい責任せきにん者しゃというのはアウトで、事務じむ的てきなミスでは済すまない。大臣だいじんを辞やめるからといって疑惑ぎわくに対にたいする説明せつめい責任せきにんがなくなるものではなく、政治せいじ家かとして自身じしんのことばで説明せつめいすべきだ」と述のべました。

一方いっぽうで「岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの判断はんだんはいつも遅おそすぎるが、それを許ゆるしたままの、われわれ野党やとうも情なさけない。これだけ大臣だいじんの辞任じにんが続つづいても、国民こくみんの多おおくは『それでも自民党じみんとうがマシ』と判断はんだんする状況じょうきょうが続つづいており、政治せいじに対にたいする信頼しんらい感かんを得えられるよう野党やとうがもっと努力どりょくする必要ひつようがある」と述のべました。

国民こくみん玉木たまき代表だいひょう「後手ごて後手ごての印象いんしょうが否いなめない」

国民こくみん民主みんしゅ党とうの玉木たまき代表だいひょうは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「なぜ葉梨はなし・前ぜん法務ほうむ大臣だいじんと一緒いっしょに辞やめさせなかったのか疑問ぎもんであり、後手ごて後手ごての印象いんしょうが否いなめない。ほかにも辞やめなければならない可能かのう性せいがある大臣だいじんがいるなら、まとめて辞やめてもらいたい。早はやく事態じたいを収拾しゅうしゅうし、内外ないがいの課題かだいに対応たいおうできる体制たいせいを整ととのえるべきだ」と述のべました。

共産きょうさん小池こいけ書記しょき局長きょくちょう「岸田きしだ総理そうりは退陣たいじんすべき」

共産きょうさん党とうの小池こいけ書記しょき局長きょくちょうは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「岸田きしだ総理そうり大臣だいじんの判断はんだんは遅おそすぎる。改あらためて決断けつだんできない姿すがたが浮き彫うきぼりになった。山際やまぎわ・前ぜん経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんと葉梨はなし・前ぜん法務ほうむ大臣だいじん、そして寺田てらだ総務そうむ大臣だいじんで『スリーアウト、チェンジ』だ。岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは責任せきにんをとって退陣たいじんすべきだ」と述のべました。

れいわ山本やまもと代表だいひょう「いっそのこと内閣ないかく総そう辞職じしょくを」

れいわ新選しんせん組ぐみの山本やまもと代表だいひょうは「『海外かいがい旅行りょこう』の余韻よいんを楽たのしむ間まもなく大臣だいじんを更迭こうてつする岸田きしだ総理そうり大臣だいじんがふびんでならない。旧きゅう統一とういつ教会きょうかいで汚染おせんされた自民党じみんとうでは人事じんじも難むずかしいだろう。いっそのこと内閣ないかく総そう辞職じしょくで『卒業そつぎょう旅行りょこう』に出でかけてはどうか」というコメントを出だしました。