大切な試験の直前に起きた能登半島地震。
そうした中、今回の地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市の高校生たちは、12日朝、試験会場のある金沢市に向けてバスで出発しました。
「電気復活せず 勉強は朝から日が落ちるまで」
金沢市に向けて出発したのは、珠洲市にある県立飯田高校の3年生です。
生徒たちは13日と14日に行われる大学入学共通テストに向けて、試験会場がある金沢市内のホテルに滞在する予定で、12日朝、保護者などに付き添われて珠洲市中心部の集合場所に集まりました。
そして学校の先生などから激励を受けたのに続いて、卒業後、就職する予定の同級生がつくってくれた千羽鶴を受け取り、バスに乗り込んでいきました。
(女子生徒)
「地震のあと、私のところは電気がなかなか復活しなかったので、朝から日が落ちるまでぐらいしかできませんでした。地震で無事じゃないけど、ここまで先生方も尽力してくださって、無事共通テストに臨めるので自分たちも力を発揮できたらいいなと思います」
(男子生徒)
「1月の最初は勉強どころではなく、避難所での勉強も難しかったですが、最後の1週間はどうにか頑張りました。こんな状況ですが、しっかり点数を取って第一志望に合格したいです」
大学入学共通テストをめぐって文部科学省は、石川県内の会場で受ける予定だった受験生は全員が追試験の対象となる特例措置を行いますが、飯田高校の生徒は全員、あすからの本試験を受験する予定だということです。
飯田高校の角秀明校長は「大学入試という人生の大きな山場で、それだけでも不安なのに勉強環境が整わず大変不安だったと思います。この地震の経験を糧に頑張ってほしいと思います」と話していました。
地震を受けて特例措置は
今回の大学入学共通テストでは、能登半島地震の影響で本試験を受けられない受験生のため、27日と28日の追試験の会場が金沢大学にも設けられるなど、特例措置が実施されます。
【追試験の対象と場所は】
本試験を
▼石川県内の会場で受ける予定だった5229人の受験生は、被災の程度に関わらず、全員が「金沢大学角間キャンパス」で追試験の対象となります。
▼ほかの都道府県で受ける予定で地震で被災するなどした受験生も追試験の対象で、
▽新潟県など東日本の会場で受験予定だった人は「東京外国語大学」が、
▽富山県や福井県など西日本の会場で受験予定だった人は「京都工芸繊維大学」が
会場となります。
いずれも指定された会場で受験が難しい場合、別の場所で追試験を受けることも可能だということです。
【追試験の申請方法は?】
追試験を受けるには今月14日までに本試験の会場だった大学への電話連絡が必要です。14日までの申請が難しい場合、翌日以降速やかに大学入試センターの窓口に申し出てほしいということです。
申請にあたっては、
▼石川県内の会場で受験予定だった人は追試験の申請理由が何であれ、り災証明書や診断書の提出は不要です。
▼石川県以外の会場で受験予定だった人は、今回の地震で被災したことで追試験を申請する場合は、り災証明書などの提出は不要ですが、新型コロナなどが理由の場合は診断書などが必要です。
【受験票がなくても受験可能】
受験票をなくした場合でも、本試験や追試験は受けられます。仮受験票の発行のため、試験当日は1時間程度早めに会場に行く必要がありますが、今回の地震により紛失した場合は学生証や顔写真は不要だということです。
特例措置に関する問い合わせ
【大学入試センターの窓口】
03-3465ー8600
個別入試についての相談窓口も
また、文部科学省は、来月以降本格化する各大学の個別入試に関する受験生からの相談に応じるための電話相談窓口を設置しています。
文部科学省は能登半島地震を受け、全国の大学に対し
▽入試の出願期間の延長
▽受験日程の振り替え
▽入学検定料や入学金の減免など
被災した受験生への配慮を求めています。
これについて、受験予定の大学に相談した上で、困りごとがある受験生からの相談に応じるため、新たに電話相談窓口を設置しました。
文部科学省は、「まずは受験予定の大学に相談した上で解決しなければ窓口を活用して欲しい」と呼びかけています。
【相談窓口】
03-6734-2600(平日の午前9時半から午後6時まで)
新潟大学 試験中の地震発生に備えてマニュアル配布も
新潟県内では新潟市や長岡市、上越市など合わせて15の大学や高校を会場に8600人あまりが受験する見込みです。
このうち最も多い3600人あまりが受験する新潟市西区の新潟大学では、12日午前、教室の机に受験番号が書かれたシールを貼る作業が行われました。
大学によりますと今月1日の地震で大学の建物にわずかにひびが入った所もあったということですが、安全性に問題はないということです。
試験中の地震発生に備え大学は、受験生の安全確保や試験の扱いなどの対応を記したマニュアルを試験監督に配付したということです。
新潟県内はあす平地でも大雪となるおそれがあり、大学は除雪業者などに優先的な作業を依頼したほか、大雪の場合は職員も出て除雪を行うことにしています。
新潟大学の坂本信 入試担当理事は「あすは公共交通機関の最新の運行情報を確認し、余裕のある行動をお願いしたい」と話しています。