研修では、スマートフォンなど携帯端末の職場への持ち込み禁止を徹底するとともに、業務中の動画の撮影やSNSへの投稿は絶対にしないという誓約を求めるということです。
そのうえで、今回の動画の問題についての経営責任を明らかにするとして窪田健一社長をはじめ取締役5人の役員報酬を、1か月間・10%減額する処分も決めました。
また、動画の問題や一斉休業などの影響で、ことし3月期の決算が当初の見込みより売り上げで1億8000万円、率にして0.7%、最終的な利益で4000万円、率にして17.4%、それぞれ減少する見通しとなりました。
大戸屋ホールディングスでは先月、マスクで顔を隠した従業員がズボンを脱いだ状態でふざけている様子などを撮影した動画がネット上に投稿されたことが分かり、会社は不適切な動画の撮影に関わったとして、アルバイト従業員3人を解雇していました。
大戸屋ホールディングスの広報担当の岩熊英一さんは4日の記者会見で、「お客様にはご迷惑をおかけしますが、安心・安全なメニューを召し上がっていただくためには従業員の教育と研修の徹底が必須であると判断しました」と述べました。
専門家「社員の配置も必要では」
不適切な動画のSNSへの投稿が相次いでいることについて、ITジャーナリストの三上洋さんは、「投稿から24時間で消えるSNSの特性を利用し、身内に“ネタ”として笑ってもらうために投稿しているケースが多いが、一気に拡散し炎上することもあることに本人たちが気づいていない」と指摘しています。
そのうえで、「人手不足を背景にアルバイトだけで店舗を運営することも多い中で、責任ある社員がいない深夜などの時間帯に撮影されているケースが散見される。企業としては、従業員の教育だけでなく、社員の配置といった態勢面の強化などに力を入れていく必要があるのではないか」と話しています。
ネットの反応は?
アルバイト従業員による不適切な動画の投稿を受け、「大戸屋ホールディングス」が店舗を一斉に休業し研修を行うことを決めたことについて、ネット上では好意的な意見がある一方で、店舗運営をアルバイトに頼っていることが問題の根本にあると指摘する声も見られました。
このうち、店舗を休業して再発防止に向けた研修を行うことについては、「かなり利益が下がるけど取り組みはいいと思う」とか「休業は大打撃だけど、イメージ回復には英断のような気がする」など、好意的な意見が目立ちました。
しかし「アルバイトが全員参加するわけない」とか、「スマホの持ち込みとSNSのアップ禁止を研修するというけど、衛生とか常識を研修すべきでは?」と、効果や内容を疑問視する声も見られました。
その一方でこの問題について「社員増やして現場監督者がいない時間帯をなくせば済む話だと思う」とか「大量のアルバイトを雇って成り立つビジネスモデルはリスキーなのでは」などと、店舗運営をアルバイトに頼っていることが根本にあると指摘する声も見られました。