福島第一原発の
事故をめぐり
東京電力の
旧経営陣3人が
強制的に
起訴された
裁判で、
旧経営陣の
弁護士が
3人の
無罪を
改めて主張し12
日で
審理が
終わりました。
判決は
半年後の
9月19
日に
言い渡されることになりました。
東京電力の元会長の勝俣恒久被告(78)、元副社長の武黒一郎被告(72)、元副社長の武藤栄被告(68)の旧経営陣3人は、原発事故をめぐって検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、いずれも無罪を主張しています。
東京地方裁判所で開かれている裁判では、去年12月に検察官役の指定弁護士が禁錮5年を求刑したのに対し、12日は旧経営陣3人の弁護士が意見を述べる最終弁論が行われました。
武藤元副社長の弁護士は、事故の3年前に東京電力の子会社が巨大な津波が押し寄せる可能性があるという計算結果をまとめたことについて、「計算結果の根拠は信頼できるものではなく、土木学会に再度検討を依頼して、その見解に従うことが適正な手順で、問題の先送りではない。事故を予測できる可能性はなく、事故を防ぐこともできなかった」と述べました。
また、勝俣元会長の弁護士も「想定できない地震によって津波が襲来した。事故を防止できる可能性はなかった」と述べるなど、3人の弁護士は改めて無罪を主張しました。
旧経営陣の3人は審理の最後にいずれも「付け加えることはありません」などと述べました。
おととし6月から1年8か月余りにわたって争われてきた裁判は12日ですべての審理が終わり、判決は半年後の9月19日に言い渡されることになりました。
未曾有の事故をめぐる旧経営陣の刑事責任について、裁判所がどのように判断するのか注目されます。