ロシアがウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうで使用しようする弾薬だんやくを北朝鮮きたちょうせんが提供ていきょうすることなどが話し合はなしあわれた可能かのう性せいが指摘してきされています。こうしたなかで、具体ぐたい的てきな軍事ぐんじ協力きょうりょくに加くわえて、会談かいだんのもうひとつの狙ねらいについても関心かんしんが集あつまっています。それは、「欧米おうべいや日本にっぽんをけん制けんせいするメッセージを出だすこと」と言いえそうです。

会談かいだんが発はっしているメッセージを、「キャッチ! 世界せかいのトップニュース」の別府べっぷ正一郎しょういちろうキャスターが読み解よみときます。

※9月つき14日にち放送ほうそう 動画どうがは3分ふん45秒びょう (データ放送ほうそうではご覧ごらんになれません)

まず、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうが明確めいかくにしたと言いえるメッセージは、「ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを長期ちょうき化かしてでも続つづけてみせる」ということです。

ウクライナへの侵攻しんこうをめぐっては、ロシアは当初とうしょ、短期たんき決戦けっせんを目論もくろんだと言いわれていますが、すでに1年ねん半はん以上いじょう続つづいています。

3か月かげつ前まえからはウクライナ側がわは新あらたな反転はんてん攻勢こうせいにも乗のりだし、ロシアが支配しはいする地域ちいきの奪還だっかんと解放かいほうを目指めざしています。

ウクライナ側がわもですが、ロシア側がわも消耗しょうもうが激はげしく、弾薬だんやくの不足ふそくが深刻しんこく化かしています。

こうした状況じょうきょうで、北朝鮮きたちょうせんから弾薬だんやくの提供ていきょうを受うけるためと見みられる行動こうどうに出でて、「長期ちょうき化かを見据みすえている」というメッセージを出だすことで、ウクライナ、また、ウクライナを軍事ぐんじ支援しえんする欧米おうべいをけん制けんせいする狙ねらいが見みえてくるようです。

背景はいけいには「長期ちょうき化かさせれば、欧米おうべいに支援しえん疲づかれが起おき、足並あしなみが乱みだれるだろう」という読よみもあるかもしれません。

また、北朝鮮きたちょうせんとしては、「自分じぶんたちの後うしろ盾たてには、中国ちゅうごくだけではなく、ロシアもいる」というメッセージを出だしていると言いえます。

そのことで、東アジアひがしあじあで安全あんぜん保障ほしょう協力きょうりょくを進すすめる日本にっぽん・アメリカ・韓国かんこくをけん制けんせいしようという狙ねらいがあるように見みえます。

もっとも、こうしたメッセージがあったとしても、狙ねらい通どおりになっているでしょうか?

BBCのリポートでは、ロシアの元もと外相がいしょうが「ロシアが北朝鮮きたちょうせんと組くんでいるのは、とても屈辱くつじょく的てきなことだ」とまで述のべていました。

「本当ほんとうにロシアが大国たいこくならば、北朝鮮きたちょうせんに軍事ぐんじ支援しえんを求もとめたりしない」というのです。

プーチン大統領だいとうりょうとしては、ウクライナ侵攻しんこう継続けいぞくのメッセージを出だしているのかもしれませんが、実際じっさいには、「北朝鮮きたちょうせんに頼たよらざるをえないほど弱よわっている」という印象いんしょうも持もたれているのです。

北朝鮮きたちょうせんにしても、後うしろ盾たてが中国ちゅうごくのほかロシアもいると示しめしたいのかもしれませんが、一方いっぽうで、中国ちゅうごくが、北朝鮮きたちょうせんとロシアの連携れんけいの強化きょうかを歓迎かんげいしているかは微妙びみょうです。

経済けいざい制裁せいさいを受うける北朝鮮きたちょうせんやロシアと同おなじ陣営じんえいだとみなされるのは、必かならずしも得とくだと考かんがえるとは限かぎらないからです。

ロシアも北朝鮮きたちょうせんも今回こんかいの首脳しゅのう会談かいだんをアピールしていますが、具体ぐたい的てきな軍事ぐんじ協力きょうりょくの行方ゆくえとともに、こうしたメッセージの狙ねらいについても、冷静れいせいに見みていくことが必要ひつようになっています。