日本にっぽん製鉄せいてつ 中国ちゅうごく 宝山ほうざん鋼鉄こうてつとの合弁ごうべんを解消かいしょう 事業じぎょうから撤退てったいと発表はっぴょう

日本にっぽん製鉄せいてつは、世界せかい最大さいだい手しゅの鉄鋼てっこうメーカーグループ「中国ちゅうごく宝たから武たけし鋼鉄こうてつ」の傘下さんかにある「宝山ほうざん鋼鉄こうてつ」との間まで2004年ねんに合弁ごうべん会社かいしゃを設立せつりつし、自動車じどうしゃ向むけ鋼板こうはんの製造せいぞうや販売はんばいを行おこなってきました。

この合弁ごうべん事業じぎょうの契約けいやく期間きかんが来月らいげつに期限きげんを迎むかえ、日本にっぽん製鉄せいてつは、契約けいやくの更新こうしんを見送みおくり、事業じぎょうから撤退てったいすることを決きめました。

保有ほゆうする合弁ごうべん会社かいしゃのすべての株式かぶしきは、宝山ほうざん鋼鉄こうてつに日本にっぽん円えんでおよそ360億おく円えんで売却ばいきゃくするということです。

中国ちゅうごく市場しじょうでは、EV＝電気でんき自動車じどうしゃの普及ふきゅうに伴ともなって日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカー各社かくしゃが販売はんばいで苦戦くせんし、撤退てったいなどの動うごきも出でています。

こうした中なか、日本にっぽん製鉄せいてつは、今後こんごの事業じぎょうの成長せいちょうが難むずかしいと判断はんだんしたとみられます。

その一方いっぽうで、会社かいしゃは、アメリカの大手おおて鉄鋼てっこうメーカー「USスチール」の買収ばいしゅうを計画けいかくしていて、今後こんごは、アメリカやインド、東南アジアとうなんあじあでの事業じぎょうに注力ちゅうりょくしていくとしています。

日本にっぽん製鉄せいてつは、1970年代ねんだいに日にち中ちゅうの経済けいざい協力きょうりょくの柱はしらとして技術ぎじゅつ支援しえんを行おこない、中国ちゅうごくの鉄鋼てっこう産業さんぎょうの近代きんだい化かに大おおきな役割やくわりを果はたしましたが、現在げんざい、中国ちゅうごくは世界せかい最大さいだいの鉄鋼てっこう生産せいさん国こくとなっています。

今回こんかいの合弁ごうべん事業じぎょうの撤退てったいでおよそ半はん世紀せいきにわたる関係かんけいは大おおきな節目ふしめを迎むかえることになります。

日本にっぽん製鉄せいてつと中国ちゅうごくの鉄鋼てっこう業ぎょうとの関係かんけい

日本にっぽん製鉄せいてつと中国ちゅうごくの鉄鋼てっこう業ぎょうとの関係かんけいは1972年ねんの日にち中ちゅう国交こっこう正常せいじょう化かをきっかけに始はじまりました。

2国こく間かんの経済けいざい協力きょうりょくの柱はしらとしてまず、現地げんちの鉄鋼てっこうメーカーへの技術ぎじゅつ支援しえんのプロジェクトが行おこなわれます。

その後そのご、宝山ほうざん鋼鉄こうてつの高炉こうろの建設けんせつの支援しえんも行おこない、1985年ねんの稼働かどう開始かいしにつなげました。

一方いっぽう、中国ちゅうごく側がわからは、1978年ねんに当時とうじの※トウ小平しょうへい副ふく首相しゅしょうが来日らいにちした際さい、当時とうじの新日鉄しんにってつの君津きみつ製鉄せいてつ所しょを視察しさつし、中国ちゅうごくにとって日本にっぽんの鉄鋼てっこう業ぎょうの重要じゅうよう性せいが増ましていることを印象いんしょうづけました。

その後そのご、中国ちゅうごくでは経済けいざい成長せいちょうに伴ともなって自動車じどうしゃの生産せいさんや販売はんばいが拡大かくだいし、自動車じどうしゃ向むけ鋼板こうはんの需要じゅようも拡大かくだいします。

これに対応たいおうするため、新日鉄しんにってつは2004年ねんに宝山ほうざん鋼鉄こうてつとの間まで合弁ごうべん会社かいしゃを設立せつりつし、現地げんちでの自動車じどうしゃ向むけ鋼板こうはんの生産せいさんや販売はんばいを行おこなってきました。

この間このかん、中国ちゅうごくは世界せかい最大さいだいの鉄鋼てっこう生産せいさん国こくとなり、GDP＝国内こくない総そう生産せいさんでも日本にっぽんを抜ぬいて世界せかい第だい2位いの経済けいざい大国たいこくとなりました。

技術ぎじゅつ支援しえんから始はじまった日本にっぽんと中国ちゅうごくの鉄鋼てっこう業ぎょうは、大おおきく姿すがたを変かえ、今回こんかいの合弁ごうべん解消かいしょうでおよそ半はん世紀せいきにわたる関係かんけいが大おおきな節目ふしめを迎むかえることになります。

※「トウ」は「登とう」に「おおざと」