今年ことしも最もっとも暑あつい夏なつに 平年へいねんより1.76度ど高たかく 暑あつさの原因げんいんと影響えいきょうは？

気象庁きしょうちょうによりますと、ことし7月つきは最高さいこう気温きおん40度ど以上いじょうを1日にちに6つの地点ちてんで観測かんそくするなど危険きけんな暑あつさが続つづいたほか、8月つきも西日本にしにほんを中心ちゅうしんに高気圧こうきあつに覆おおわれて日ひざしが強つよく照てりつけ、連日れんじつ猛烈もうれつな暑あつさとなりました。

このため、ことしの夏なつの日本にっぽんの平均へいきん気温きおんは平年へいねんと比くらべて1.76度ど高たかくなり、2023年ねんと並ならんで気象庁きしょうちょうが1898年ねんに統計とうけいを取とり始はじめてから最もっとも暑あつい夏なつとなりました。

地域ちいき別べつでみると西日本にしにほんが平年へいねんより1.4度ど、沖縄おきなわ・奄美あまみが平年へいねんより0.9度ど高たかく、それぞれ地域ちいき別べつの統計とうけいを取とり始はじめた1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）以降いこうで最もっとも高たかくなったほか、東日本ひがしにっぽんは平年へいねんより1.7度ど高たかく1位いタイとなりました。

北きた日本にっぽんは平年へいねんより2.3度ど高たかく、過去かこ2番目ばんめとなりました。

暑あつさの原因げんいんは？

特とくに7月つき以降いこうに全国ぜんこくで記録きろく的てきな高温こうおんとなったことを受うけて、気象きしょうの専門せんもん家からによる気象庁きしょうちょうの「異常いじょう気象きしょう分析ぶんせき検討けんとう会かい」は2日にち、会合かいごうを開ひらいて分析ぶんせきしました。

高温こうおんの背景はいけいとして7月つきと8月つきともに偏西風へんせいふうが北きたへ蛇行だこうし、背せの高たかい暖あたたかな高気圧こうきあつに覆おおわれやすく日ひざしが強つよまったうえ、特とくに7月つきは太平洋たいへいよう高気圧こうきあつが西日本にしにほんに向むかって強つよく張はりだしたことが影響えいきょうしたと指摘してきしています。

また、地球ちきゅう温暖おんだん化かや春はるに終息しゅうそくした「エルニーニョ現象げんしょう」、日本にっぽん近海きんかいの高たかい海面かいめん水温すいおんも影響えいきょうしているとみられるということです。

“ことしの暑あつさも異常いじょう気象きしょう”

「異常いじょう気象きしょう分析ぶんせき検討けんとう会かい」の会長かいちょうで東京とうきょう大学だいがく先端せんたん科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅうセンターの中村なかむら尚しょう教授きょうじゅは「去年きょねんは圧倒的あっとうてきに気温きおんが高たかく『異常いじょう気象きしょうといって差し支さしつかえない』と発言はつげんしたが、ことしもそれに匹敵ひってきする、もしくはそれを上回うわまわるような地域ちいきもあった。ことしの暑あつさも異常いじょう気象きしょうといって差し支さしつかえない」と述のべました。

その上うえで「長期ちょうき的てきな地球ちきゅう温暖おんだん化かが気温きおんを底上そこあげしていることは否いなめない。特とくにここ2、3年ねんは海面かいめん水温すいおんが高たかい。以前いぜんと比くらべて気温きおんが上あがりやすい状況じょうきょうは続つづくのではないか」と指摘してきしています。

猛暑もうしょはカンパチの養殖ようしょくにも影響えいきょう

この夏なつの猛暑もうしょで鹿児島かごしま県内けんないの水産すいさん業ぎょうには大おおきな影響えいきょうが出でています。

鹿児島かごしま県けんはカンパチの養殖ようしょくが盛さかんで、県けんによりますと全国ぜんこくの半数はんすう以上いじょうの年間ねんかんおよそ1万まん4000トンの生産せいさん量りょうだということです。

しかし、養殖ようしょくカンパチを生産せいさんする垂水たるみ市し漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあいによりますと、猛暑もうしょなどの影響えいきょうで水温すいおんが上あがり、カンパチがえさを食たべる量りょうが通常つうじょうの5割わりから8割わりほどに減へっているということです。

カンパチの成長せいちょうに最もっとも適てきした海水温かいすいおんは28度ど前後ぜんごだということですが、8月つき中旬ちゅうじゅん以降いこうは30度どを超こえる日ひが続つづいたということです。

えさやりにかかる時間じかんはふだんは1つの生いけすで1時間じかんほどですが、ことしは30分ふんほどすると餌えさを食たべなくなってしまうということです。

漁協ぎょきょうでは、えさの食くいをよくするため、えさに混まぜる配合はいごう飼料しりょうの割合わりあいを控ひかえるなどの対策たいさくを行おこなっていますが、海水温かいすいおんが30度ど以上いじょうの日ひが続つづくと成長せいちょうしにくくなるほか、暑あつさなどの影響えいきょうで身みが白しろっぽくなる「身みやけ」が起おこるカンパチも出でてきているということです。

垂水たるみ市し漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあいの篠原しのはら重人しげと組合くみあい長ちょうは「来年らいねんは水温すいおんが低ひくくなることを祈いのっていますが、海水温かいすいおんが32度どになるような時代じだいも想定そうていして対策たいさくを取とり、30度どになる前まえに魚さかなの成長せいちょうを促うながしていくことが必要ひつようだと思おもいます」と話はなしていました。

建設けんせつ現場げんばでかき氷かきごおり

岡山おかやま県けんでは9月つきに入はいっても30度どを超こえる暑あつさが続つづく中なか、岡山おかやま市しの建設けんせつ会社かいしゃでは建設けんせつ作業さぎょう員いんの熱中ねっちゅう症しょう対策たいさくとしてかき氷かきごおりを提供ていきょうする試こころみが行おこなわれました。

岡山おかやま市し東ひがし区くの整備せいび工場こうじょうの建設けんせつ現場げんばでは、キッチンカーが登場とうじょうし、午前ごぜん10時じに作業さぎょう員いんおよそ40人にんにかき氷かきごおりが無料むりょうで配くばられました。かき氷かきごおりは11種類しゅるいあり、汗あせを流ながしながら働はたらいていた作業さぎょう員いんは、カップに入はいった好このみのかき氷かきごおりを食たべながら涼りょうをとっていました。

作業さぎょう員いんの1人にんは「暑あつい中なかの作業さぎょうなのでとてもありがたいです。このあとも頑張がんばれます」と話はなしていました。

この建設けんせつ会社かいしゃでは、これまでも熱中ねっちゅう症しょう対策たいさくとして空調くうちょうファンがついた服ふくの提供ていきょうなどを行おこなってきましたが、ことしは、8月つき下旬げじゅんから県内けんない10か所かしょの現場げんばでかき氷かきごおりを提供ていきょうしていて、費用ひようは会社かいしゃ側がわで負担ふたんしているということです。

建設けんせつ会社かいしゃの現場げんば担当たんとう者しゃ、吉田よしだ竜りゅう哉さんは「職人しょくにんさんがかき氷かきごおりを笑顔えがおで食たべてくれてよかったです。からだを芯しんから冷ひやして、健康けんこう面めんに配慮はいりょしながら作業さぎょうできるような取り組とりくみを今後こんごも継続けいぞくしていきたい」と話はなしていました。