注目は男子シングルです。前半のショートプログラムで今シーズンの世界最高得点を出した鍵山優真選手がトップに、大会3連覇を目指す宇野昌磨選手が2位につけています。後半のフリーでもハイレベルな争いが期待されます。
2日目の最新情報を速報でお伝えします。
NHKでは総合テレビやBS1などで中継でお伝えするとともに、NHKプラスでも配信します。
《2日目 速報中》
アイスダンス 小松原美里/ティム コレト 自己ベストに迫る
日本の小松原美里選手とティム コレト選手のカップルは息の合った演技で大きなミスなく滑り、フリーダンスの自己ベストに迫る103.49をマークしました。前半のリズムダンスとの合計では167.61としました。
アイスダンスの後半 フリーダンス始まる
2日目は、アイスダンスの後半、フリーダンスから始まりました。6回目の出場となる日本の小松原美里選手とティム コレト選手のカップルが最初に登場します。
【スタートリスト】アイスダンス フリーダンス
2.ローレイン・マクナマラ/アントン・スピリドノフ(アメリカ)
3.マリー ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック(カナダ)
4.エミリー・ブラッティ/イアン・サマービル(アメリカ)
5.ロイシア・デムージョ/テオ・ルメルシエ(フランス)
6.ユーリア・トゥルッキラ/マティアス・ベルスルイス(フィンランド)
7.アリソン・リード/サウリウス・アンブルレビチウス(リトアニア)
8.ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス)
9.シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア)
◆アイスダンス 見どころ
アイスダンスには9組が出場しています。日本の小松原美里選手とティム コレト選手のカップルは前半のリズムダンスではリフトで規定の時間を超えるミスが出るなどして9位でした。後半のフリーダンスでどこまで巻き返すか注目です。トップに立っているのは、オリンピックに3大会連続で出場しているイタリアのシャルレーヌ・ギニャール選手とマルコ・ファブリ選手のカップルで、前半は、独創的な演技で85.27をマークしました。イギリスのライラ・フィアー選手とルイス・ギブソン選手のカップルがわずかの差の2位で追っています。昨シーズンはヨーロッパ選手権で優勝し、世界選手権でも2位と好成績を残していて優勝争いにも注目です。
男子シングル 鍵山・宇野が公式練習 充実した表情
フィギュアスケートのグランプリシリーズ最終戦、NHK杯は25日、各種目の後半の演技が行われます。男子シングルの選手たちは午前10時すぎから公式練習を行い、前半のショートプログラムで今シーズンの世界最高得点をマークしてトップに立った鍵山優真選手は4回転サルコーや、4回転と3回転のコンビネーションジャンプも着氷して状態の良さを見せました。2位の宇野昌磨選手は4種類の4回転ジャンプを着氷していました。2人はともに充実した表情で練習を終えました。大会は午前11時50分にアイスダンスのフリーダンスから競技が始まります。
《大会2日目 競技日程》
11:50 アイスダンス フリーダンス
13:50 女子シングル フリー
17:10 ペア フリー
19:30 男子シングル フリー
《19:30~ 男子シングル見どころ》
鍵山優真選手と宇野昌磨選手が、ともに100点台をマークするハイレベルな演技を見せた前半のショートプログラムを終え、2人の点差は5.31です。
男子シングルの解説を務める、オリンピック2大会出場の本田武史さんは、後半のフリーに向けて「2人とも表現力というところをすごく言っているし、その違いや曲をどう表現しているかというところ、それに4回転ジャンプの緊張感という部分を味わってもらえれば」と話していました。
大学生で初出場の20歳、壷井達也選手はジャンプのミスが響き12位でスタートしました。
◇グランプリファイナル進出条件は?
鍵山優真選手と宇野昌磨選手は、いずれも25日の結果次第でグランプリファイナルへの進出が決まります。グランプリファイナルはグランプリシリーズ6大会の順位をポイント化して、そのポイントの上位6人のみが出場することができます。
ポイントは各大会の優勝が15ポイント、2位が14ポイント、3位が13ポイントで、ポイントが並んだときは2試合の合計得点が多い選手が上位になります。
すでに今シーズンのファイナルに進出を決めているのは
▽フランスのアダム・シャオ イム ハ選手
▽アメリカのイリア・マリニン選手
▽日本の三浦佳生選手の3人で、残りの3枠を鍵山選手と宇野選手、それにすでに2試合を終えている2人の選手を含めた4人で争う形です。
【鍵山優真】
第3戦のフランス大会で3位だった鍵山選手はNHK杯で
▽優勝なら進出
▽2位の場合でもショートプログラムとフリーの合計得点が247.71以上なら進出
▽3位以下になった場合は出場を逃す。
【宇野昌磨】
第4戦の中国大会で2位だった宇野選手はNHK杯で
▽2位以上なら進出
▽3位だった場合でも合計得点が240.87以上なら進出
▽4位以下になった場合は進出を逃す。
【1日目 結果】男子シングル ショートプログラム
▽3.ルーカス・ブリッチギー(スイス)86.42
▽4.カムデン・プルキネン(アメリカ)86.40
▽5.デニス・バシリエフス(ラトビア)82.14
▽6.ミハイル・セレフコ(エストニア)81.31
▽7.ニカ・エカゼ(ジョージア)81.30
▽8.ガブリエレ・フランジパーニ(イタリア)78.20
▽9.アレキサンドル・セレフコ(エストニア)75.85
▽10.リュック・エコノミド(フランス)74.24
▽11.ウェスリー・チュウ(カナダ)72.02
《13:50~ 女子シングル見どころ》
三原舞依選手が前半のショートプログラムで4位につけています。右足首のけがの影響で痛み止めを飲んでの出場ながら昨シーズンのグランプリファイナル優勝の実力者は、3位と0.11点差と肉薄しています。
女子シングルの解説を務めるトリノオリンピックの金メダリスト、荒川静香さんは「三原選手のスケートの質ならできることをやれば表彰台に上るチャンスはあると思う」と話していて、後半のフリーでの逆転に期待がかかります。
また初出場の21歳、青木祐奈選手が自己ベストで8位でのスタート。一方、右足の疲労骨折から復帰した樋口新葉選手は11位と出遅れました。
【1日目 結果】女子シングル ショートプログラム
▽1.リンジー・ソーングレン(アメリカ)68.93
▽2.ニナ・ピンサローネ(ベルギー)63.44
▽3.イ・ヘイン(韓国)62.93
▽5.アバ マリー・ジーグラー(アメリカ)62.04
▽6.ウィ・ソヨン(韓国)60.63
▽7.キム・イェリム(韓国)59.33
▽9.レア・セルナ(フランス)56.85 ▽10.アナスタシア・グバノワ(ジョージア)55.80 ▽12.リンジー・ファンズンダート(オランダ)43.46 《今大会出場の日本勢》 ==男子シングル== 鍵山 優真(かぎやま・ゆうま) SP1位 生年月日:2003年5月5日 身長:160cm 【主な戦績】 2022年 北京五輪 男子シングル 銀メダル 2022年 北京五輪 団体戦 3位 2022年 世界選手権 2位 2020年 NHK杯 優勝 【プロフィール】 神奈川県出身の20歳。父親でコーチの正和さんはアルベールビルとリレハンメルの2大会連続でオリンピック男子シングル代表として出場しました。その父の影響で3歳からフィギュアスケートに親しみ、5歳から本格的に取り組み始めました。 2019年、16歳で臨んだ全日本選手権で3位に入り一躍注目を集めると、翌年のユースオリンピックで金メダルを獲得して世界の舞台でも存在感を示しました。その後も国内外の大会で安定した成績を残し、2022年の北京オリンピックでは、初出場の18歳とは思えない落ち着いた演技を見せて自己ベストを更新する310点台の高得点をマークし銀メダルを獲得しました。トーループ、ループ、サルコーの3種類の4回転ジャンプの安定感に加えて、動きの芸術性と高いスケーティング技術が持ち味です。表現力にさらに磨きをかけようと、今シーズンからはイタリア出身のソチオリンピック銅メダリスト、カロリーナ・コストナーさんをコーチに迎え、完成度の高い演技を目指しています。去年7月に負った左足首のケガの回復は順調で、今シーズンのグランプリシリーズ第3戦、フランス大会では2シーズンぶりの表彰台となる3位に入りました。NHK杯では2020年以来2回目の優勝をねらいます。 宇野 昌磨(うの・しょうま) SP2位 生年月日:1997年12月17日 身長:158cm 【主な戦績】 2023年 世界選手権 優勝 2022年 北京五輪 男子シングル 銅メダル 2022年 北京五輪 団体戦 3位 2022年 グランプリファイナル 優勝 2022年 全日本選手権 優勝 2022年 世界選手権 優勝 【プロフィール】 愛知県出身の25歳。5歳のとき、地元のスケートリンクで、のちにバンクーバーオリンピックの女子シングルで銀メダルを獲得する浅田真央さんに声をかけられてスケートを始めました。早くから難度の高いジャンプに挑戦し、2014年にジュニアのグランプリファイナルで4回転トーループを決めて優勝を果たすと、シニア転向1年目の2016年には世界で初めて大技の4回転フリップを成功させました。その後、4回転ループや4回転サルコーも成功させ、一気に世界のトップ選手に上り詰めました。 オリンピックでは20歳で初出場した2018年のピョンチャン大会で銀メダル、去年の北京大会で銅メダルを獲得しています。また世界選手権も2連覇中と、世界の舞台で安定した成績を残しています。 昨シーズンはフリーに4種類5本の4回転ジャンプを組み込んだ高難度の構成で、世界選手権をはじめ出場したすべての大会で優勝しました。一方でことしは、シーズンオフにアイスショーなどに積極的に出演して表現の幅を広げることに力を注いだほか、フリーの4回転ジャンプはサルコーを除いた3種類に絞ってより完成度の高い演技を目指しています。 壷井 達也(つぼい・たつや) SP12位 生年月日:2002年12月17日 身長:165cm 【主な戦績】 2023年 ワールドユニバーシティーゲームズ 2位 2022年 GPシリーズフィンランド大会 4位 2022年 全日本選手権 9位 2022年 世界ジュニア選手権 3位 【プロフィール】 愛知県出身の20歳。シニアに転向して2年目、伸びやかな滑りが持ち味の成長著しい若手選手です。シニアの大会ではまだ大きな実績はないものの、2018年のジュニアの全日本選手権で初優勝、去年のジュニアの世界選手権では3位と順調に実績を積んできていて、今シーズンはさらなる飛躍が期待されています。一方で、フィギュアスケートと勉学を高いレベルで両立する文武両道を目指していて、高校3年生の時には一時的に競技から離れて勉強に集中し、スポーツ科学を学べる国立の神戸大学に現役で合格しました。 そして、大学入学を機に拠点を神戸に移し、北京オリンピック女子シングルで銅メダルを獲得した坂本花織選手や三原舞依選手などとともに練習を重ねています。NHK杯は初出場です。 ==女子シングル== 三原 舞依(みはら・まい) SP4位 生年月日:1999年8月22日 身長:157cm 【主な戦績】 2023年 世界選手権 5位 2022年 GPシリーズイギリス大会 優勝 2022年 GPシリーズフィンランド大会 優勝 2022年 GPファイナル 優勝 2022年 全日本選手権 2位 【プロフィール】 兵庫県出身の24歳。小学2年生の時にテレビで見た浅田真央さんに憧れてフィギュアスケートを始めると、すぐにその才能を開花させ、早くから世界の舞台を経験してきました。しかし2015年、原因不明で関節に炎症が出る難病『若年性特発性関節炎』を発症。治療を続けながら2017年には四大陸選手権で優勝するなどしましたが、その2年後には筋力や体力が急激に低下していく原因不明の体調不良で再び休養を強いられました。 それでも、自身の体と向き合いながら少しずつ練習量を増やし、昨シーズンはグランプリファイナルで優勝。さらに全日本選手権では2位と、結果を残しました。小さな体を目いっぱい使った豊かな表現力と安定感のある演技を持ち味に、今シーズンはさらなる飛躍を目指します。 体調不良による療養中にファンから贈られた手紙やぬいぐるみなどが宝物だといい、お守りとして試合会場に持ち込んで心の支えにしているということです。 青木 祐奈(あおき・ゆな) SP8位 生年月日:2002年1月10日 身長:156cm 【主な戦績】 2022年 全日本選手権 7位 【プロフィール】 神奈川県出身の21歳。荒川静香さんが金メダルを取った、トリノオリンピックの演技を見て憧れ、5歳でフィギュアスケートを始めました。ジュニア時代から難度の高いジャンプに挑み、12歳で出場したジュニアのグランプリシリーズでは当時女子では成功した選手が少なかった3回転ルッツと3回転ループの連続ジャンプを決めて注目を集めました。シニアの主要大会ではまだ目立った実績はありませんが、昨シーズンの全日本選手権で自己最高の7位に入るなど着実に力を伸ばしてきています。 今シーズンはショートプログラムの振り付けをみずから行うなど、さらなる成長を目指します。NHK杯は初出場です。 樋口 新葉(ひぐち・わかば) SP11位 生年月日:2001年1月2日 身長:152cm 【主な戦績】 2022年 北京五輪 女子シングル 5位 2022年 北京五輪 団体 3位 2021年 GPシリーズフランス大会 3位 【プロフィール】 東京都出身の22歳。3歳でフィギュアスケートを始め、全日本選手権では2014年から3年連続で表彰台に上がるなどジュニア時代から高い実力を見せてきました。スピードのあるスケーティングから繰り出す高さと幅のあるジャンプが持ち味で、その後も国内外の大会で安定した成績を残していましたが、2018年のピョンチャンオリンピックでは直前の全日本選手権でのミスが響いて代表入りを果たせませんでした。 その悔しさをバネに、技術面、メンタル面ともに成長し初出場となった去年の北京オリンピックの女子シングルではショートプログラムとフリーの両方でトリプルアクセルを決めて5位に入りました。 一方で昨シーズンは、右足ひ骨の疲労骨折の影響で10月以降の試合をすべて欠場し治療に専念してきました。今シーズンはケガからの復活を目指すシーズンになります。 ことし3月には大学を卒業し、社会人として新たな1歩を踏み出した樋口選手。最近のマイブームはサウナだということです。 ==ペア== 長岡 柚奈(ながおか・ゆな)/森口 澄士(もりぐち・すみただ) 生年月日:2005年7月13日/2001年12月29日 身長:155cm/174cm 【プロフィール】 ことし5月に結成されたばかりのフレッシュなペアです。 長岡選手は北海道出身の18歳でペアに挑戦するのはこれが初めてです。 森口選手は京都府出身の21歳。3年前からシングルと並行してペアにも挑戦し始め、昨シーズンは別の選手とのペアで出場したジュニアの世界選手権で4位に入るなど、すでに国際舞台を経験しています。 長岡選手はことし1月に行われた全国高校選手権に女子シングルで出場して10位、森口選手も去年の全日本選手権男子シングルで7位に入るなど、それぞれシングルでも高い実力を持っています。今回のNHK杯が2人での国際大会デビューとなります。 前半のショートプログラムは8位でした。 ==アイスダンス== 小松原 美里(こまつばら・みさと)/ティム コレト 生年月日:1992年7月28日/1991年6月17日 身長:158cm/187cm 【主な戦績】 2023年 四大陸選手権 7位 2022年 全日本選手権 2位 2022年 GPシリーズカナダ大会 7位 2022年 NHK杯 9位 【プロフィール】 カップルを結成して8年目です。 小松原選手は岡山県出身の30歳。ジュニア時代にアイスダンスを始め、その後はイタリアに渡ってイタリア人選手とのカップルで活躍しました。 コレト選手はアメリカ出身の31歳。2013年にシングルからアイスダンスに転向し、韓国やノルウェーの選手とカップルを組んできました。 2人は2016年にカップルを結成すると翌年に結婚して夫婦となり、公私両面でパートナーとなりました。『日本武尊(やまとたけるのみこと)』にちなんで名付けたコレト選手の日本名「小松原尊(こまつばら・たける)」には、日本への尊敬の念が込められています。 2人はカナダを練習拠点とし、1メートル90センチ近い、コレト選手の長身を生かしたダイナミックなリフトや豊かな表現力を持ち味に、全日本選手権では2018年から2021年まで4連覇、カップルとして初出場となった去年の北京オリンピックでは、団体で日本の銅メダル獲得に貢献しました。NHK杯は6回目の出場で2020年以来の優勝をねらいます。 前半のリズムダンスは9位でした。