44歳の小野選手は、想像力あふれるパスや華麗なテクニックで「天才」と呼ばれ、誕生日だった9月27日に今シーズンでの引退を表明しました。
小野選手は3日、札幌ドームで行われたコンサドーレのJ1最終戦、浦和レッズ戦にフォワードの下のミッドフィルダーで先発出場し、現役最後の試合を迎えました。
小野選手は、前半4分に浮き球のパスを左足でワンタッチで前に流してチャンスを作ったほか、前半11分にもペナルティエリア近くの左サイドから右足でワンタッチのパスを送り、見せ場を作りました。
そして、小野選手と交代する選手が準備していた前半18分にコンサドーレはフリーキックのチャンスを得て、小野選手が蹴りましたが、ゴールにはつながりませんでした。
小野選手は前半22分に交代し、3万1000人余りの観客が入った札幌ドームは大きな拍手で包まれ、小野選手がベンチに下がる際には対戦相手のレッズの選手もピッチ上で一列に並んで花道を作りました。
試合はコンサドーレが0対2でレッズに敗れましたが、札幌ドームは終始、プロ生活26年目で引退を迎えた小野選手をねぎらうムードになりました。
“天才”小野伸二 オランダではUEFAカップ制覇にも貢献
小野伸二選手は、年代別の日本代表に10代から選ばれ続け、1999年には当時の世界ユース選手権に出場し日本の準優勝に貢献しました。
18歳でフル代表にも選ばれ、ワールドカップには1998年のフランス大会から3大会連続で出場しました。また、2002年には、所属していたオランダ1部リーグのフェイエノールトで、ヨーロッパのカップ戦、当時のUEFAカップにも出場しチームの優勝に貢献しました。
小野選手は国内では、想像力あふれるパスや華麗なテクニックで「天才」とも呼ばれ、サポーターの記憶に残るプレーを見せ続け、Jリーグ30周年を記念してことし実施されたサポーター投票によるベストイレブンにも選ばれていました。
小野選手は、J1で最年長の43歳で今シーズンを迎え、開幕前のことし1月の取材では、現役を続けられる理由について、「サッカーが好きだという気持ちだ。そこが無ければここまで続けられていない」と話して、変わらないサッカーへの情熱が原動力であることを明かしていました。