このうちドル
円の
取引は8223
兆円と
全体の74%を
占めています。
市場に活気をもたらしたもの、それは急速に進んだ円安です。
その要因の1つが日米の金融政策の方向性の違いです。
ことし3月、アメリカは記録的なインフレを抑え込むため、コロナ禍で2年間続けてきたゼロ金利政策を解除し、利上げに踏み切りました。
その後もアメリカは「一時的に景気を犠牲にしてでもインフレ退治を優先する」との姿勢で利上げを継続。
一方の日銀は、大規模な金融緩和を維持するスタンスを変えず、この対照的な金融政策の結果、日米の金利差は拡大し、これが円安を加速させる要因となりました。
個人投資家などは、日銀が動かない以上、この構図は当面変わらないだろうと判断し、円売りドル買いの動きを強めていきました。
1ドル=150円台まで円安が進んだ10月には、政府・日銀が24年ぶりにドルを売って円を買う市場介入に踏み切りました。
しかしそれでも円安のトレンドは変わらないと見た個人投資家などは、介入直後も積極的に円売りドル買いを行いました。
ことしのFX取引の推移をみると、9月の取引金額が1398兆円(前年同期比200%増)と統計を取り始めた2008年11月以来では単月では最大となりました。
また10月の取引額は1088兆円(前年同期比88%増)でした。
さらに円相場が反転して円高方向に動いた11月についても1297兆円(前年同期比120%増)と活発な取り引きが続きました。
この間、どのような人が取り引きに参加していたのか。
FX取引大手のGMOクリック証券によりますと、ことし6月末時点でこの会社のFX取引の専用口座を持っている人は、年代別では40代が最も多く30%を占めているということです。
また、30代が28.6%、20代は10%と、比較的若い世代も多く参加していることがわかります。
巨額の資金を動かす日本のFX取引参加者は、海外では“ミセスワタナベ”とも呼ばれ、マーケットを左右する存在感のあるプレイヤーだと認識されています。
“ミセスワタナベ”は、2007年ごろにかけての円安局面でも海外で注目されましたが、ことし改めてその存在が注目されました。
来年も活況続く?
ただこの空前の
活況、
来年は
続かないとみる
市場関係者がほとんどです。
その理由は、円安相場を生み出した日米の金融政策のスタンスに変化が出始めたからです。
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会は12月14日まで開いた会合で、利上げの縮小を決めました。
記録的なインフレが
落ち着く兆しが
見えてきたこと、
そして急速な
利上げが
経済に
悪影響を
及ぼすことに
配慮したためだとみられます。
一方、12月20日の日銀の金融政策を決める会合。
私も
含めて、
市場関係者のほとんどがいまの
大規模な
金融緩和策を
維持すると
思っていましたが、
長期金利の
変動幅の
上限を
引き上げました。
日銀の黒田総裁は、この修正は利上げではない、引き締めではないと強調しましたが、市場では事実上の利上げだと受け止められ、円高ドル安が一気に進みました。
これについて、FX取引に詳しい外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は次のように話します。
「ことしの
取り引きが
多かったときと
比べると、12
月の
取引額は
最大で
半分以下にまで
落ち込んでいる。20
日に
日銀が
金融緩和を
修正したことで
急速に
円高ドル
安が
進んだが、
このときには、10
月に
政府・
日銀が
市場介入を
行ったときのように
安くなったドルを
買う動きは
あまり見られず、かつてのような
熱気はなくなっている。
日米の
金融政策が
変化しつつ
ある中で、
方向性がわかりにくくなり、
積極的に
投資しづらくなっている。
来年はことしのような
盛り上がりには
欠けるのではないか」
急速な円安の流れの中で空前の活況を呈したことしのFX取引。
“ミセスワタナベ”の存在感がひときわ増した1年でもありました。
日米の中央銀行のスタンスに変化が見られる中で、来年はひとまず取り引きに慎重になるのか、あるいは攻めに転じるきっかけをつかみ、再び存在感を強めるのか。
円相場の動向とともに“ミセスワタナベ”の動きにも注目したいと思います。
来週の予定
来週は
アメリカで
住宅市場の
動向を
示す指標の
発表が
相次ぎます。
住宅の購入は家具や家電、車などの購入にもつながるため、消費の先行きを見通す上でも注目されています。
ただ、アメリカのFRBの利上げによって住宅ローン金利の高止まりが続き、住宅市場が冷え込み始めているという指摘もあります。
来週は東京証券取引所で1年の取り引きを締めくくる大納会が開かれます。
新型コロナやウクライナ情勢で大荒れだったことしのマーケット。
来年のうさぎ年は相場格言では「跳ねる」と言われていますが、格言どおり飛躍する年になるのでしょうか。
パリオリンピック予定 7/27~28(競技・放送・配信予定)
パリオリンピックは、大会2日目の27日から本格的に競技が始まります。この日、決勝まで行われる競技では、スケートボード男子ストリートの堀米雄斗選手がオリンピック連覇を目指すほか、柔道では男子60キロ級の永山竜樹選手と女子48キロ級の角田夏実選手がメダル獲得をねらいます。
Source: NHK
Jul 27, 2024 06:07
パリ五輪 サッカー女子 初戦敗れる 7人制ラグビー男子は4連敗
パリオリンピックは25日からサッカー女子の予選リーグが始まり、日本代表「なでしこジャパン」は初戦で世界ランキング1位のスペインに1対2で逆転負けし、黒星スタートとなりました。7人制ラグビー男子、日本は、 南アフリカとサモアと対戦し、いずれも敗れて4連敗となりました。開会式は現地時間の26日午後7時半、日本時間の27日午前2時半から行われます。最新の情報をまとめました。
Source: NHK
Jul 26, 2024 11:07
ジェット船 航行不能で漂流 何があったのか
24日、東京発のジェット船が千葉県の房総半島の沖合で航行できなくなり、一時漂流したトラブルで、海上保安部は、ジェット船の油圧系統で異常が発生し油が漏れてかじがきかなくなった可能性があるとみて、詳しい原因を調べています。
Source: NHK
Jul 25, 2024 19:07
パリ五輪 競技始まる サッカー男子快勝 7人制ラグビー男子連敗
パリオリンピックは26日の開会式に先立って、24日から競技が始まりました。サッカー男子は予選リーグが始まり、日本は初戦でパラグアイに5対0で快勝して白星スタートを切りました。一方、7人制ラグビー男子の日本代表は、初戦で東京大会銀メダルのニュージーランドに、第2戦でアイルランドに敗れ2連敗となりました。最新の情報をまとめました。
Source: NHK
Jul 25, 2024 11:07
フードバンクの6割以上で寄付減少 “危機的状況”支援呼びかけ
夏休みで給食がなくなる時期に入る中、生活に困っている世帯に無償で食料品を提供するフードバンクを対象に行われた調査で、全体の6割以上の団体が「寄付が減少している」と答えたことが分かりました。調査した団体は、フードバンクの活動が危機的な状況にあるとして、支援を呼びかけています。
Source: NHK
Jul 23, 2024 17:07
Upgrade to use this feature
Are you sure you want to test again?
The number of free newspaper readings has been used up today.
Please upgrade your account to read unlimited newspapers
This feature is only available for registered users!
Login
or
Register