拉致被害者家族会の
代表で
田口八重子さんの
兄の
飯塚繁雄さんは、
NHKの
電話インタビューに
応じ、
横田滋さんが
亡くなったことについて「
長い間家族を
取り戻すために
活動した
仲間がいなく
なるのは
非常に
残念で、
家族にとっては
大変気の毒だ。
考えてみれば、こういう
状態に
なるのは
当たり前で、
何もしないでほったらかしにしたら、
日にちが
どんどんたって
いく。
家族も
被害者も
年をとって
病気に
なるのはわかっている。
事前に
感知して
こうならないように
どうするか
考えていかなければ
今後とも
同じ状況が
繰り返される。
私個人も
体調が
弱っていてほうっておけば
こうなる。
残念だが
政府なり、
担当者が
実態踏まえてこう
なる前にどうしたらいいのか
考えて
対応してもらいたい」と
述べました。さらに「
活動した
仲間が
どんどん減って
少なくなってきた。
私たちの
活動が、
北朝鮮に
ちゃんと届いているのか、
どうやったら
取り返せるのか。
はっきりと
打ちだしていかないと、なにもしないで
時間だけがたつという
状態が
続くと、なんのために
努力をしてきて、
北朝鮮にいる
家族のために
早く
助けたいために
頑張ってきたのか。
これが
消えてしまう。ほっとけば
こうなるということを
各担当は
認識していただいて
早急に
手を
打っていただきたい」と
述べました。
飯塚耕一郎さん「いつも優しく接していただいた」
田口八重子さんの長男で母親が拉致された時、1歳だった飯塚耕一郎さんは取材に対し、「滋さんとは、救出活動以外にも、食事などでご一緒しましたが、いつも優しく接していただきました。一目だけでも、めぐみさんと会わせられなかったのかと、悔しい気持ちでいっぱいです」と話しました。
そのうえで、「被害者と再会できない家族がまた1人増えたことに、悲痛な思いを抱いています。このような悲劇が二度と起こらないよう、日本政府には被害者全員の帰国に向けた具体的なアクションを起こしてほしいし、キム・ジョンウン(金正恩)委員長には賢明な判断を強く求めたい」と話しました。
拉致被害者 市川修一さんの兄「すごくさみしく悲しい」
鹿児島県の拉致被害者、市川修一さんの兄、市川健一さんは5日夜、NHKの取材に対し、「すごくさみしく悲しいです。滋さんは心の中で悲しいという思いを抑えながら、いつもにこにこして各地で講演するなどしていました。その姿が印象に残っています。滋さんが亡くなり、一層家族が団結し、めぐみさんを含めた被害者全員を奪還できるようにたたかっていきたい」と話しています。
拉致被害者 松木薫さんの姉「混乱してことばにならない」
熊本市出身の拉致被害者、松木薫さんの姉でこれまで横田滋さんとともに救出活動に取り組んできた熊本県菊陽町の斉藤文代さん(74)は「今は混乱してことばになりません。滋さんの笑顔と優しさが忘れられません。同じ拉致被害者の家族として本当に残念でしかたがなく悲しいです」と話しています。
妻 早紀江さんの親友「ただただ悔しい思いでいっぱい」
横田滋さんの妻、早紀江さんの親友で家族ぐるみのつきあいをしてきたという斉藤眞紀子さんは「ただただ悔しい思いでいっぱいです。早紀江さんからは電話でよく入院中の滋さんの様子を聞いていました。早紀江さんが面会に行った時に『みんながお祈りしているからめぐみもきっと大丈夫』と話しかけると、滋さんは『うん』とうなずいてベッドの脇に置いていためぐみさんの写真を見つめていたそうです。しかし、この2か月ほどは『新型コロナウイルスの影響でなかなか面会できない状況が続いている』とも話していました。一目でもいいからめぐみさんに会わせてあげたかった。本当に残念です」と話していました。
めぐみさんの中学校の同級生「やりきれない気持ちしかない」
横田めぐみさんの中学校の同級生で横田滋さん夫妻を長年にわたって支援してきたバイオリニストの吉田直矢さんは「いま知ったばっかりで、ただただショックです。信じられません。滋さんが入院されてからは心配していたものの、必ず回復してくれるものと信じていた。元気なうちにめぐみさんと再会する、その1点を目標にこれまでがんばってきたのにかなわなかった。やりきれない気持ちしかないです」と声を震わせながら話していました。