57年前の1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)について、東京高等裁判所は今月13日の決定で再審を認め、今後、静岡地方裁判所でやり直しの裁判が開かれることになりました。
これを受けて静岡県弁護士会は25日、再審に関する制度の課題について考えてもらおうと静岡市内で集会を開き、袴田さんが姉のひで子さんとともに出席しました。
袴田さんは長期間収容されていた影響で今も十分な会話ができない状態が続いていますが、あいさつの中で「闘いはあくまで勝たなきゃいかん。毎日の闘いがついに終わった」などと話しました。
袴田さんは、9年前に静岡地方裁判所が出した再審開始決定が検察の即時抗告を受けて東京高裁で取り消されるなどして、最初の再審の申し立てから40年余りかかってようやく裁判のやり直しが認められました。
集会では日弁連の再審法改正実現本部で本部長代行を務める鴨志田祐美弁護士が「この9年間はいったい何だったのか。検察官が即時抗告をしたから9年間がよけいにかかってしまった。今の再審法ではえん罪被害者を迅速に救済することはできない」と述べ、今回の決定を機に、検察による不服申し立てを禁止するよう速やかに法改正すべきだと訴えました。
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