土砂災害のメカニズムに詳しい関東学院大学の規矩大義教授によると、雨がやんで1日や2日では土の中の水分はほとんど抜けず、地質の違いを考慮しても、8割から9割ほどの水分は残ったままの状態が続くということです。
ここにさらに雨が降れば、少しの雨でも規模の大きな土砂災害が起きるおそれがあります。
まず参考になるのは、自治体と気象庁が発表する「土砂災害警戒情報」です。雨量や土壌の水分の状態などから判断されます。
今回の大雨では、15日に長野県岡谷市で土石流が発生して3人が死亡しました。この時、自治体は「避難指示」を出していませんでしたが「土砂災害警戒情報」は発表されていました。 自治体からの「避難指示」が間に合わないケースもあるほか数日間、「避難指示」が出たままの状態が続いているところもあります。 土砂災害警戒区域の中に自宅がある人で、いったん自宅に戻られている場合、「土砂災害警戒情報」を避難のトリガーにすることを検討してください。
数日間、「避難指示」が出続けている地域もあり、長期間の避難は大変だと思いますが、できるだけ避難を続けてください。 いったん自宅に戻っている方も夜の間だけでも、避難所や安全な場所に移動するなどしてください。
こうした、いつもと異なる現象に気づいた場合は、すぐに崖や斜面から離れて、安全な場所に避難してください。 ただし、こうした前兆現象がないか確認するために、崖や斜面に近づくのは危険なのでやめてください。
土砂災害で避難が必要なのは、自宅が、▽山や斜面の近くにある、▽「土砂災害警戒区域」にある人たちです。 3年前・2018年の西日本豪雨では、土砂災害で犠牲者が出た場所のおよそ9割が「土砂災害警戒区域」などあらかじめ危険性が指摘されている場所でした。 今回の大雨でも、長崎県雲仙市と長野県岡谷市で犠牲者が出ていますが、いずれの現場も「土砂災害警戒区域」に指定されている場所でした。 ハザードマップを見て自宅が「土砂災害警戒区域」に含まれているかを確認してください。 また、記録的な大雨で、想定外の場所が崩れることもありえます。 斜面や崖からはできる限り離れて過ごしてください。 避難所に行くことだけが避難ではありません。 より安全で、より過ごしやすい場所で難を逃れることを検討してください。
いつ避難する? 1「土砂災害警戒情報」
いつ避難する? 2 自治体からの「高齢者等避難」「避難指示」
いつ避難する? 3「前兆現象」は即避難
自分の住む場所が避難必要か事前に確認を