ワクチンは
今月16
日から
順次、
都道府県に
配送していて、
厚生労働省によりますと23
日から
大阪市の
ほか埼玉県川口市など一部の
自治体で
接種が
始まっているということです。
アストラゼネカのワクチンは極めてまれに血栓が生じるリスクがあるとされていることなどから、海外の接種事例などをもとに原則、40歳未満には接種しないことになっていて
▽ほかのワクチンの成分にアレルギーがある人や
▽海外ですでにアストラゼネカのワクチンの接種を1回受けた人などが
対象になるということです。
一方、厚生労働省の研究班は21日から接種後の副反応を調べる調査も始めていて、データを定期的に公表することにしています。
血栓症のリスク その実情とは?
アストラゼネカのワクチンは
有効性が
認められる
一方、
極めてまれに
血栓症が
起きるリスクが
あると
報告されています。
血栓症とは血管に血栓、血液の固まりが詰まる病気のことですが、一体どれだけの人がなったのか、血栓症に関する情報をまとめました。
1. 血栓症になった人 イギリスでは…?
アストラゼネカのワクチンは2021
年1
月からイギリス
などで
接種が
始まりました。イギリスの
規制当局の
報告によりますと、2021
年8
月11
日までにイギリス
国内で
このワクチンを
少なくとも1
回接種した2480
万人のうち、
血小板の
減少を
伴う血栓症になった
人は412
人で、このうち73
人が
死亡したということです。
頻度としては接種100万回当たり14.9件とされ、多くが1回目の接種のあとに起きているということです。
2. 年齢層別 血栓の頻度は?
血栓が
起きる頻度は
▽18歳から49歳では100万回の接種当たり20.2件
▽50歳以上では100万回の接種当たり11件で
若い世代のほうが頻度が高いということです。
現在、イギリスでは40歳以上をアストラゼネカのワクチンの対象にしています。
3. 血栓が詰まる場所 脳静脈のケースが多い
日本脳卒中学会と
日本血栓止血学会は、アストラゼネカのワクチン
接種後に
起きる血栓症について
医師向けの
手引きをまとめています。
それによりますと、アストラゼネカのワクチンと血栓症の関係はまだはっきりとは解明されていませんが、血小板の減少を伴うことなどから抗体が関係しているのではという指摘もあるということです。
血栓が詰まる場所は脳や心臓、足の血管などさまざまで、海外からの報告では脳静脈が詰まるケースが多いということです。
4. どう気付く?検査する際の症状
血栓症を
疑って
検査する
際の
症状として
挙げられているのは、
次のとおりです。
▽意識障害
▽顔の片側のまひ
▽言語障害
▽視覚障害
▽重い頭痛や腹痛が続くこと
▽脚や胸の痛みなど
5. どう気付く?医療機関 受診の目安
また、
日本脳卒中学会でコロナ
対策の
チームの
座長を
務める杏林大学の
平野照之教授によりますと、
医療機関を
受診する
目安は
次のような
症状が
ある場合だということです。
▽重い頭痛や腹痛、胸の痛みなどが出てきて
▽痛みが何時間や何日も続く場合など
このほか
▽吐き気
▽ひきつけやけいれんなどの症状がある場合も
受診が必要だということです(接種の4日後から1か月までの間)。
ただ、頭痛や吐き気などは血栓症以外でも起こることがあり、血栓症の場合は接種から3日以内に何らかの症状が出ることは考えにくいということです。
手引きでは治療法についてもまとめられていて、平野教授によりますと、脳卒中の専門病院などを中心に周知され適切な治療を行う体制が整備されているということです。
6. 専門家「血栓症かなり頻度低い 予防する利益が上回る」
ワクチンに詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「アストラゼネカのワクチン接種後の血栓症はかなり頻度が低く、年齢層を限定すれば新型コロナを予防する利益のほうが上回ると考えられる。感染状況を考えるとワクチンが接種できていない40代、50代に迅速に接種を進める必要があるが、ファイザーやモデルナのワクチンは流通が滞っている面もあるので、アストラゼネカのワクチンを3つ目の選択肢として追加することは意義がある」と話しています。
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