独裁的な
政権が
崩壊したシリアをウクライナの
外交団が
訪問し、
長年、
前のアサド
政権の
後ろ盾となってきたロシアの
影響力を
排除したい
意向を
強調しました。
一方で、シリアの
暫定政権側はロシアとの
関係も
維持しようとしているとみられ、
今後の
外交政策に
注目が
集まっています。
12月、独裁的なアサド政権が崩壊し「シリア解放機構」が率いる暫定政権が発足したシリアには各国の外交団が相次いで訪問しています。
12月30日にはウクライナのシビハ外相が首都ダマスカスを訪れ、シリア解放機構のジャウラニ指導者らと面会しました。
ウクライナ側は、
▼支援物資としてウクライナ産の小麦粉500トンが31日にシリアに到着する予定だとしたほか、
▼戦争犯罪の追及の分野でもシリアに協力する準備があると明らかにしました。
シビハ外相は会見で「シリアにおけるロシアの存在を排除することはシリアだけでなく、中東・アフリカ全体の安定にも貢献する」と述べ、前のアサド政権の後ろ盾となってきたロシアの影響力を排除したい意向を強調しました。
これに対し、シリアの暫定政権のシェイバニ外相は、「ウクライナとの間では戦略的パートナーシップが築かれるだろう」などと述べ、ウクライナとの関係強化に期待を示しました。
ただ、これまでに暫定政権側は「ロシアとシリアの間には大きな戦略的利益がある」とも述べるなど、ロシアとの関係も一定程度維持しようとしていることを示唆していて、今後の外交政策に注目が集まっています。