NTTドコモが手がける「ドコモ口座」は、銀行口座を登録して入金すれば、「d払い」で買い物や送金ができるサービスですが、この口座を通じて全国各地の銀行で預金の不正な引き出しがこれまでに37件、確認されました。
被害額は合わせておよそ1200万円にのぼり、なかには、60万円を引き出された人がいることがわかっています。
NTTドコモは不正に引き出された被害については全額を補償する方針で、各銀行との協議を進めています。
また、再発を防ぐためNTTドコモは、10日から連携している35の銀行の口座をドコモ口座に新たに登録してひも付けることを全面的に停止しています。
また、10日までに被害が確認されている7つの銀行で銀行の口座から預金を引き出しドコモ口座にチャージする手続きなど、口座間の送金を停止しました。
NTTドコモは今回の不正引き出しにつながったとみられるなりすましを防ぐため、アプリで利用者の顔写真と、運転免許証などを送ってもらうなど本人確認を強化する対策も進めることにしています。
西村官房副長官「利用者の保護 図られるよう適切に対応」
西村官房副長官は、10日午前の記者会見で、「NTTドコモとしては、きのうの時点で、預金の不正な引き出しが37件総額にしておよそ1200万円の被害を把握しているということだ。すでに金融庁から、銀行やNTTドコモに対し、必要な措置を取るよう指示しており、ドコモから、口座の新規登録の停止や本人確認の強化など真摯(しんし)に対応することが公表された。いずれにしても、金融サービス利用者の保護がしっかり図られるよう、適切に対応していきたい」と述べました。