以下は、これから就職する人に対して書かれた文章である。
好きなことをしてもお金にはならない、というのが普通の考え方です。一日中ただ好きなゲームをしていてよい、などという職業はありません。でもじつは自分の「好き」をきわめるとかならずそこにだれかほかの人のニーズがあって、仕事があるということを覚えておいてください。
(中略)
いまは人々の「好き」が多様化しつつある時代です。食べ物の好みや服の好みだけではありません。細かいライフスタイルのちがいに人々が価値を見いだすような時代です。カタログにないもっとちがう商品はないだろうか?これとあれの中間のサービスはないだろうか?といったぐあいです。
これまで大きな企業が機械的にマーケティングをして提供してきたような「売れる商品」「売れるサービス」では対応しきれないようなモノ、サービス。これを「ニッチ(すき間)」とよぶことがあります。いまはまさにこのニッチが広がりつつある時代です。
こうしたニッチに気づくことができるのは、何かが「好き」な人です。自分の好みを突き進めていくと、そこに何かの不足を感じる。その不足がじつはほかの人も欲しがっていた何かかもしれない、というわけです。
何かを好きな人ほど、何かに不足を感じている人ほど、それを仕事に変えていくことのできる可能性があります。