JLPT N2 – Reading Exercise 23

#156

以下は、これから就職する人に対して書かれた文章である。

好きなことをしてもお金にはならない、というのが普通の考え方です。一日中ただ好きなゲームをしていてよい、などという職業はありません。でもじつは自分の「好き」をきわめるとかならずそこにだれかほかの人のニーズがあって、仕事があるということを覚えておいてください。

(中略)

いまは人々の「好き」が多様化しつつある時代です。食べ物の好みや服の好みだけではありません。細かいライフスタイルのちがいに人々が価値を見いだすような時代です。カタログにないもっとちがう商品はないだろうか?これとあれの中間のサービスはないだろうか?といったぐあいです。

これまで大きな企業が機械的にマーケティングをして提供してきたような「売れる商品」「売れるサービス」では対応しきれないようなモノ、サービス。これを「ニッチ(すき間)」とよぶことがあります。いまはまさにこのニッチが広がりつつある時代です。

こうしたニッチに気づくことができるのは、何かが「好き」な人です。自分の好みを突き進めていくと、そこに何かの不足を感じる。その不足がじつはほかの人も欲しがっていた何かかもしれない、というわけです。

何かを好きな人ほど、何かに不足を感じている人ほど、それを仕事に変えていくことのできる可能性があります。

Vocabulary (17)
Try It Out!
1
筆者によると、「いま」はどのような時代か。
1. 人々がこれまで好きではなかったものにも価値を感じるようになっている。
2. 人々が自身の価値観に合ったものを捜し求めるようになっている。
3. 人々のライフスタイルのちがいがわかりやすくなっている。
4. 人々がお金で買えないものを欲しがるようになっている。
2
好みを突き進めた人がニッチに気づくことができるのはなぜか。
1. ほかの人より先に時代の変化を感じ取れる可能性があるから。
2. ほかの人から自身が知らないことを教えてもらえる可能性があるから。
3. 自身の持つ情報が、ほかの人に不足している情報かもしれないから。
4. 自身の感じる不足が、ほかの人が感じる不足であるかもしれないから。
3
この文章で筆者が言いたいことは何か。
1. 好みが多様化しているのでいろいろな仕事ができる。
2. ほかの人が思いつかない仕事を探すほうがいい。
3. 好みではない仕事でもいつか好きになる。
4. 好きなことでも仕事に結びつく。