国民の多くが、自分たちのいいように税金を使ってほしいと考えている。道路を作ってもらいたいとか、学校をたくさん作ってほしいとか、反対に何も作らなくていいから、その分税金を安くしてほしいとか、いろいろな意見がある。
税金は国民が払ったものである。しかし、税金が自分たちの都合がいいように使われないと言って、「1」政府を批判するのはどうかと思われる。
税金の使い道は、必ずしも国民の思いどおりにはならない。ある国民にとって都合のよい使い道であっても、国全体から見るとそうでない場合があるからである。たとえば、税金を使って、ある県に高速道路を作ったと考えてみよう。その県の人々にとっては、高速道路が作られれば生活が便利になる。観光客も増える。「___2___」、同じだけの税金を払っている他の遠くの県の人にとっては、その高速道路を使う機会は全くないだろう。
このように、税金を全体にバランスよく使うことは難しい。したがうて、国民は自分たちの直接の利益にならないといって、単純に政府を批判するべきではない。一方で、政府もできるだけ不公平が生じないように、十分気をつけて税金を使ってもらいたいものである。