ついこの前、近くのお店に買い物に行った時のこと。
私がお店を出ようとすると、前に電動三輪車(1)「ありがとう」という声が聞こえた。驚いて振り返る私は(2)おじいさんに、とても申し訳ない気がした。お礼を言われるまで、おじいさんにとって自動ドアを通ることが大変だなんて、少しも気付かなかった。結果として親切な行動となったが、それは偶然のことで、親切な気持ちではなかったのだから。
私には何ともないことでも、苦労する人がいるのだと、実感した出来事だった。その人の立場にならなければ、なかなか分からないことだけれど、今度こんな状況に出合ったら、すぐに気が付くようにしたい。そして、今度はお礼を言われても、それにこたえられるような、気持ちからの行動にしたい。
(2001年1月4日付朝日新聞による)
電動三輪車:歩くのが困難な人のために作られた、電気で動く乗り物
おじいさんはなぜ(1)「ありがとね」と言ったのか。
1.
動かなくなった電動三輪車を押してくれると思ったから
2.
自分のために電動三輪車を運んでくれると思ったから
3.
自分に合わせてゆっくり歩いてくれたと思ったから
4.
自分のために自動ドアを開けてくれたと思ったから
筆者はなぜ(2)「おじいさんに、とても申し訳ない気がした」のか。
1.
おじいさんが他の人と間違えて筆者にお礼を言ったから
2.
親切な気持ちからしたのではないのに、ありがとうと言われたから
3.
お礼を言われたのに、おじいさんが自動ドアを通るのを助けてあげなかったから
4.
おじいさんが自動ドアを通るのが大変だと気付かず、ドアを閉めてしまったから
1.
お礼を言われたから、今度ははっきり返事をしたい
2.
相手のことを考えて、自分から人を助ける行動をしたい
3.
困っているところを助けられたら、必ずお礼を言うようにしたい
4.
自分には何ともないことでも、他の人がいやがることはしないようにしたい