JLPT N3 – Reading Exercise 13

#105

あなたの目はいくつありますか。
もちろん「二つ」と答える人がほとんどでしょう。
たしかにそのとおりですが、[1]それだけではいけないのです。失敗を避けて成功につなげるためには、三つの目を持ちましょう。
まずは一番目の「鳥の目」です。勉強でも仕事でも、いきなり細かいところから着手(ちゃくしゅ)するのは、かしこい方法ではありません。自分の現在地が把握できないのでは、頭の整理がしにくくなり、大きなストレスの原因になります。
だからこそ鳥の目です。鳥になり、高い位置から下の様子を把握(はあく)することから始めるのです。本であれば[2]を見ます。建築であれば設計書(せっけいしょ)を見ます。仕事であれば目的や段階などを知ります。難しく思えることも、大体の構成(こうせい)が分かると、取り組みやすく(注1)なります。
次に「虫の目」で見ます。虫は、小さい生き物です。地に面した低い位置にいるからこそ、上からは見えなかったことが見えてくるようになります。ターゲット(注2)を絞れば、虫のように狭く深くを心がけ、徹底(てってい)するのです。
最後に「魚の目」です。魚は、目には見えない川の流れを体全体で感じ取っています。あなたは魚の目を持ち、どの方向へ流れていくのかを読み取ります。勉強にも仕事にも流れがあります。歴史の勉強も流れを理解すれば、覚えやすく忘れにくくなります。仕事でも流れを理解すれば、取り組みやすく忘れにくくなります。
勉強でも仕事でも使える三つの目を持ちましょう。

(注1)取り組む:全力でする
(注2)ターゲット:目標

Vocabulary (20)
Try It Out!
1
[1]それとはどのようなことか。
1. 人間は二つの目があること
2. 実際に三つの目があること
3. 多くが二つの目があると答えること
4. 失敗を避けて、成功につなげること
2
[2]に入る適当な言葉はどれか。
1. 目次
2. 本文
3. 解答
4. 索引
3
「鳥の目」、「虫の目」、「魚の目」はそれぞれ何を指しているか。
1. 全体の把握、流れの把握、部分の把握
2. 部分の把握、流れの把握、全体の把握
3. 全体の把握、部分の把握、流れの把握
4. 流れの把握、全体の把握、部分の把握
4
この文章を書いた人が一番伝えたいことは何か。
1. もともと人間は二つの目があると思っている人が少なくない。
2. 失敗を避けるために三つの目が必要だと思っている人が少ない。
3. 勉強や仕事がうまく行くように、三つの目を持ったほうがいい。
4. 人間の目は動物の目とのあいだに、三つの共通点がある。