むかし、山に ひとりで くらすわかものが おりました。
むかし、山に ひとりで くらすわかものが おりました。
はたらきものでしたが、 くらしは、まずしいものでした。
さむさも きびしく なりはじめた ある日の ことです。
あつめた たきぎを せおい、 いえじを あるいて いると、
どこからか、ものおとが、 きこえて きました。
ふしぎに おもった わかものが、 そちらの ほうへ いって みると、
わなに かかって もがいて いる うつくしい つるが いました。
わかものは、つるを かわいそうに おもい、 わなを はずして あげました。
よし、もう、だいじょうぶだ。 これからは、気を つけるんだよ・・・・。
つるは、あいさつ するかの ように、 ひときわ おおきく なき、
そらたかく とんで いきました。
それから、いく日か すぎた しんしんと ゆきの ふる よるの ことです。
はて、こんな よふけに だれじゃろう・・・・・
たびの ものです。 みちに まよって しまって・・・・。
どうか ひとばん とめて ください・・・。
それは、なんぎな・・・。 さぁ、どうぞ、はいりなされ・・・・。
わかものは、むすめに、そまつですが、 あたたかい たべものを たべさせました。
そとは、いつのまにか ふぶきと なり、 つぎの日も、その つぎの日も、つづきました。
むすめは、とめて もらって いる おれいにと、
ごはんを つくったり、そうじや つくろいものを しました。
ひとりで さびしかった この いえに、 なんだか はなが さいた ようでした。
わかものは、むすめが、 ずっと いえに いてくれたら、
どんなに いいかと おもいました。
このまま、ゆきが やまなければ いいと ねがう ほどに・・・・
やがて、ゆきが やみ、そらが あおく はれた日、むすめが いいました。
わたしを およめに して ください・・・・。
おらは、まずしい・・・・。 いい くらしは させられねぇ・・・・。
かまいません。 あなたの おそばに いたいのです。
こうして、二人は めおとに なりました。
つつましいけれど しあわせな くらしでした。
しょうがつも 近づいた ある日、 わかものは、ぽつりと つぶやきました。
よめさまも 、きたことだし、 こんどの 正月は、
もう ちっと はれやかに してえなぁ・・・・。
つぎの日、むすめは、 わかものに いいました。
はたを おりたく おもいますので はたばを つくって くださいませんか?
わかものは、こころよく ひきうけ、 おくのまに はたばを つくりました。
むすめは、はたばへと はいる とき、 わかものに いいました。
やくそくですよ!
わたしが、はたを おって いる あいだ、 けっして 中を のぞかないで くださいね・・・。
との むこうから、 はたを おる 音が きこえて きます。
むすめは、へやから、でて こようと せず、 三日三ばん はたを おりつづけました。
わかものは、やくそくどおり、はたばを のぞくことは、ありませんでした。
四日目のあさ、むすめは、 はたばから でて きて
おり あがった たんものを わかものに さしだしました。
それは、つややかで うつくしい たんものでした
これを町へ うりに いって くださいな。
むすめに そう いわれ、 わかものは、その たんものを もって、 まちへと でかけました。
とおりで たんものを ひろげて いると、 ひとびとが あつまって きました。
みな、その うつくしさに かんしんして います。
たんものは、すぐに、うれて しまい、
わかものは、いえに かえると、 うれしそうに その はなしを しました。
ほんとうに たくさん 人が あつまってな、 すごかったんだ!!
お正月に なりました。
お金が はいった おかげで、いつもより、 おいしいものを たべ、
よい としを むかえる ことが、できました。
しばらくして、 むすめは、また、はたばに はいりました。
のぞかないで くださいね・・・。 やくそくですよ・・・・。
むすめは、ひるもよるも、はたを おりつづけ、
五日目のあさ、 やっと はたばから でて きました。
おりあがった たんものは いっそう うつくしい ものでしたが、
むすめは、 すこし やつれた ように 見えました。
町に でると、 うわさを ききつけた ごふくやの 主人が
たかい ねだんで かって くれました。
これで しばらく、 くうものには、こまらねぇ。
まっこと ありがたい・・・・。
こんどは、もっと たかく うれただよ。
ほんに、おまえさんの たんものは、 えれえ ひょうばんだよ。
それから、 いくにちも たたない うちに、ごふくやの 主人が わかものを たずねて きました。
あの たんものを とのさまが とても 気にいられてな、
この つぎは もっと 高く かうと いって おられる。
ところで、あの たんものは、 どうやって おるのだ?
あの ような うつくしさは、 これまで、見たことがない。
それが、おらも、見たことが ねぇんです。 よめとの やくそくなもんで・・・・。
めおとでも 見られねぇとは、 みょうな はなしだ。
わかものは、 それも、そうだと おもいましたが、
よめとの やくそくを やぶれないと、 見せることも ことわりました・・・・。
そのばん、 むすめに とのさまが たんものを
たかく かって くれると いう はなしを しました。
もっと、いいくらしが できるように なるんだぞ!
はい・・・、ですが、はたを おるのは、 しばらく やすみたいのです。
それなら、 もう いちどだけ・・・・・・・、な?
・・・・・・わかりました・・・・・。
むすめは、 はたばの 中へと はいって いきました。
しかし きょうは、 はたの 音が、ときおり とぎれます。
そういえば、 よめさ、さいきん、すこし やせたか?
わかものは、きゅうに ふあんに なりました。 そして、ごふくやの ことばを
思いだしたのです。
めおとでも 見られねえとは、 みょうな はなしだ・・・・。
そうだ! めおとなんだ! すこし ようすを 見るくらい
かまわないだろう・・・・。
そこには、むすめの すがたは なく、
つるが はたを おって いたのです。
つるは、じぶんの はねを ぬいて たんものに おりこんで いました。
つるが!
そんな・・・・
わたしは、 あのとき たすけて いただいた つるです。
おんがえしが したくて ここまで まいりました。
あなたの よろこぶ かおを ずっと 見て いたかったのですが、
しょうたいを しられたからには、 ここに いる ことは できません。
すまねぇ・・・・ゆるして くれ! もう、はたおりは、しなくて いいから・・・・。
そんな! どこにも いかねぇで くれ!
さようなら・・・・
いえの 中に むすめの すがたは ありません。
あわてて そとへ とびだすと、
一羽のつるが そらの かなたに とんで いくのが
見えました。
わかものは、そらを 見あげ、
ゆきの中で ただ立ちつくすのでした・・・。
むかし、山に ひとりで くらすわかものが おりました。
おりる
むかし
ひとり
くらす
山
わかい
はたらきものでしたが、 くらしは、まずしいものでした。
さむさも きびしく なりはじめた ある日の ことです。
あつめた たきぎを せおい、 いえじを あるいて いると、
どこからか、ものおとが、 きこえて きました。
ふしぎに おもった わかものが、 そちらの ほうへ いって みると、
わなに かかって もがいて いる うつくしい つるが いました。
わかものは、つるを かわいそうに おもい、 わなを はずして あげました。
よし、もう、だいじょうぶだ。 これからは、気を つけるんだよ・・・・。
つるは、あいさつ するかの ように、 ひときわ おおきく なき、
そらたかく とんで いきました。
たかい
それから、いく日か すぎた しんしんと ゆきの ふる よるの ことです。
はて、こんな よふけに だれじゃろう・・・・・
たびの ものです。 みちに まよって しまって・・・・。
どうか ひとばん とめて ください・・・。
くださる
とめる
どうか
それは、なんぎな・・・。 さぁ、どうぞ、はいりなされ・・・・。
わかものは、むすめに、そまつですが、 あたたかい たべものを たべさせました。
そとは、いつのまにか ふぶきと なり、 つぎの日も、その つぎの日も、つづきました。
むすめは、とめて もらって いる おれいにと、
ごはんを つくったり、そうじや つくろいものを しました。
ひとりで さびしかった この いえに、 なんだか はなが さいた ようでした。
わかものは、むすめが、 ずっと いえに いてくれたら、
どんなに いいかと おもいました。
おもう
どんなに
このまま、ゆきが やまなければ いいと ねがう ほどに・・・・
やがて、ゆきが やみ、そらが あおく はれた日、むすめが いいました。
わたしを およめに して ください・・・・。
よめる
くださる
わたし
おらは、まずしい・・・・。 いい くらしは させられねぇ・・・・。
かまいません。 あなたの おそばに いたいのです。
こうして、二人は めおとに なりました。
めおと
こうして
人
二
つつましいけれど しあわせな くらしでした。
しょうがつも 近づいた ある日、 わかものは、ぽつりと つぶやきました。
よめさまも 、きたことだし、 こんどの 正月は、
もう ちっと はれやかに してえなぁ・・・・。
つぎの日、むすめは、 わかものに いいました。
はたを おりたく おもいますので はたばを つくって くださいませんか?
わかものは、こころよく ひきうけ、 おくのまに はたばを つくりました。
むすめは、はたばへと はいる とき、 わかものに いいました。
やくそくですよ!
わたしが、はたを おって いる あいだ、 けっして 中を のぞかないで くださいね・・・。
との むこうから、 はたを おる 音が きこえて きます。
むすめは、へやから、でて こようと せず、 三日三ばん はたを おりつづけました。
わかものは、やくそくどおり、はたばを のぞくことは、ありませんでした。
のぞく
わかい
どおり
四日目のあさ、むすめは、 はたばから でて きて
おり あがった たんものを わかものに さしだしました。
それは、つややかで うつくしい たんものでした
これを町へ うりに いって くださいな。
むすめに そう いわれ、 わかものは、その たんものを もって、 まちへと でかけました。
とおりで たんものを ひろげて いると、 ひとびとが あつまって きました。
みな、その うつくしさに かんしんして います。
たんものは、すぐに、うれて しまい、
うれる
しまう
わかものは、いえに かえると、 うれしそうに その はなしを しました。
ほんとうに たくさん 人が あつまってな、 すごかったんだ!!
お正月に なりました。
お正月
お金が はいった おかげで、いつもより、 おいしいものを たべ、
よい としを むかえる ことが、できました。
むかえる
できる
しばらくして、 むすめは、また、はたばに はいりました。
のぞかないで くださいね・・・。 やくそくですよ・・・・。
むすめは、ひるもよるも、はたを おりつづけ、
おりる
つづける
五日目のあさ、 やっと はたばから でて きました。
おりあがった たんものは いっそう うつくしい ものでしたが、
むすめは、 すこし やつれた ように 見えました。
町に でると、 うわさを ききつけた ごふくやの 主人が
たかい ねだんで かって くれました。
くれる
たかい
これで しばらく、 くうものには、こまらねぇ。
まっこと ありがたい・・・・。
ありがたい
こんどは、もっと たかく うれただよ。
こんど
うれる
たかい
もっと
ほんに、おまえさんの たんものは、 えれえ ひょうばんだよ。
それから、 いくにちも たたない うちに、ごふくやの 主人が わかものを たずねて きました。
あの たんものを とのさまが とても 気にいられてな、
この つぎは もっと 高く かうと いって おられる。
ところで、あの たんものは、 どうやって おるのだ?
あの ような うつくしさは、 これまで、見たことがない。
それが、おらも、見たことが ねぇんです。 よめとの やくそくなもんで・・・・。
めおとでも 見られねぇとは、 みょうな はなしだ。
わかものは、 それも、そうだと おもいましたが、
よめとの やくそくを やぶれないと、 見せることも ことわりました・・・・。
そのばん、 むすめに とのさまが たんものを
たかく かって くれると いう はなしを しました。
もっと、いいくらしが できるように なるんだぞ!
くらし
できる
もっと
はい・・・、ですが、はたを おるのは、 しばらく やすみたいのです。
それなら、 もう いちどだけ・・・・・・・、な?
・・・・・・わかりました・・・・・。
わかる
むすめは、 はたばの 中へと はいって いきました。
しかし きょうは、 はたの 音が、ときおり とぎれます。
そういえば、 よめさ、さいきん、すこし やせたか?
わかものは、きゅうに ふあんに なりました。 そして、ごふくやの ことばを
思いだしたのです。
思う
めおとでも 見られねえとは、 みょうな はなしだ・・・・。
そうだ! めおとなんだ! すこし ようすを 見るくらい
かまわないだろう・・・・。
かまう
そこには、むすめの すがたは なく、
つるが はたを おって いたのです。
おって
つるは、じぶんの はねを ぬいて たんものに おりこんで いました。
つるが!
そんな・・・・
そんな
わたしは、 あのとき たすけて いただいた つるです。
おんがえしが したくて ここまで まいりました。
あなたの よろこぶ かおを ずっと 見て いたかったのですが、
しょうたいを しられたからには、 ここに いる ことは できません。
すまねぇ・・・・ゆるして くれ! もう、はたおりは、しなくて いいから・・・・。
そんな! どこにも いかねぇで くれ!
くれる
そんな
さようなら・・・・
さようなら
いえの 中に むすめの すがたは ありません。
中
あわてて そとへ とびだすと、
とびだす
あわてる
一羽のつるが そらの かなたに とんで いくのが
見えました。
見える
わかものは、そらを 見あげ、
あげる
見る
わかい
ゆきの中で ただ立ちつくすのでした・・・。
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