去年3月、
千葉県松戸市に
住むベトナム
国籍の
小学3年生の
女の子を
登校途中に
連れ去り、
殺害した
罪などに
問われ、
死刑を
求刑されていた
保護者会の
元会長に対して、
千葉地方裁判所は
無期懲役を
言い渡しました。
去年3月、
千葉県松戸市の
小学3年生でベトナム
国籍のレェ・ティ・ニャット・リン
さん(
当時9)が
登校途中に
連れ去られて
殺害されたうえ、
我孫子市内に
遺体を
遺棄された
事件では、
小学校の
保護者会の
会長だった
澁谷恭正被告(47)が
殺人などの
罪に
問われました。
おもに遺留物のDNA鑑定の信用性などが争点となり、これまでの裁判員裁判では、検察が「女の子の体から被告と同じDNA型が見つかり、わいせつ行為の上で殺害したことは明らかだ」として死刑を求刑したのに対して、弁護側は「DNA鑑定で人為的なミスや証拠のねつ造があった可能性がある」などと反論し、無罪を主張していました。
判決の言い渡しは千葉地方裁判所で6日午後3時15分すぎに始まり、野原俊郎裁判長はさきほど澁谷被告に無期懲役を言い渡しました。
これまでの裁判で澁谷被告は事件当日にはアリバイがあるとしたうえで「証拠は検察がねつ造した」などと主張していました。
父親は遺影を抱いて地裁に入った
リンさんの父親は、午後2時半すぎに、亡くなったリンさんの遺影を両手で抱きながら、真剣な表情で千葉地方裁判所に入りました。
傍聴席の倍率はおよそ5倍
千葉地方裁判所には裁判の傍聴を希望する人が次々に訪れ、裁判が始まる2時間近く前から長い列を作りました。裁判所によりますと、65席の傍聴席に対し327人が並び、倍率はおよそ5倍となりました。
けさも見守り
殺害された女の子が通っていた千葉県松戸市の小学校の通学路では、6日朝も、雨の中、地域の人や保護者が子どもたちの登校を見守っていました。事件を受けて、松戸市と地域の自治会、それに防犯協会などは去年6月、子どもたちを守ろうと「見守り隊」を発足させました。「見守り隊」には1350人余りの住民が登録していて、通学路での見守りに加えて、買い物や通勤など日常生活の中でも隊員証を身につけて子どもたちを見守る活動を行っています。活動に加わっている70代の男性は、「判決がどうなるかわからないが、住民の1人として子どもの安全を守るために今後もできることをしっかりやっていきたい」と話していました。