普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、国は大浦湾に広がる軟弱地盤に直接、「砂くい」を打ち込んで地盤の改良を行う計画です。
国は、28日午後2時前、くい打ち前の段階の作業として専用の船から海底に砂をまく作業を始め、軟弱地盤の改良工事に着手しました。
国は、軟弱地盤が見つかったあと、地盤の改良工事のため設計変更を申請しましたが沖縄県が承認しなかったため、国が代わって承認する代執行を行い、ことし1月から海上ヤードを設けるための海への石材の投入や、新たな護岸の整備を行ってきました。
軟弱地盤の改良工事は初めてで、今後、くい打ちを行う船を大浦湾に移動させ、海底に打ち込んだ筒に砂を流し込む工法などでおよそ7万1000本のくいを打ち込む計画です。
軟弱地盤は、最も深いところでおよそ90メートルに及びますがこの深さの工事は国内で実施されたことはなく、今回、国はおよそ70メートルの深さまで工事を行うことで、安定性を十分に確保できるとしています。
一方、沖縄県は、軟弱地盤の存在を移設に反対する理由の一つとしていて、玉城知事は27日、報道陣に対し「本当に安定性が保たれているかどうかなどについて注視していかなければならない」と述べています。