JLPT N3 – Reading Exercise 10

#102

学校では、難しい顔をしていると一生懸命に勉強していると見てくれる。[1]険しい表情をして、額に汗を流して勉強していると「偉いね」と言われる。

しかし、これは、本当によい勉強法ではない。難しくて面白くないと感じることは、身につかないことが目に見えている。勉強は、楽しいと感じる人ほど、身につき、成績もよくなるのだ。

中学生のころ、西岡君という友人がいった。彼は数学や理科は誰にも負けないくらい、いつも成績がよかった。そんな西岡君は、いつも楽しそうな表情をして勉強をしているのだ。難しい顔をして勉強することがよいことだと思っていた私は、[2]いつも不思議だった。数学や理科の話をすると、笑いながら教えてくれる。

ある日、西岡君に「なぜそんなに成績がいいの」と聞いてみたことがある。すると「[3]」というあっさりした返事が返ってきた。

学生のころに聞いた言葉は、そのとき軽く聞き流していた。しかし、実際に社会に出て、仕事のできる人や頭の切れる人は、決まって「楽しんでいる人」だ。難しく険しい表情をしている人は、仕事が遅くて、質が悪い。嫌いだという感情があると、スピードが落ちて、熱心さ、集中力、根気が欠けてしまう。

私は昔、難しい顔をしている人が頑張っている人だと思っていたが、大きな間違いだったのだ。本当に頑張って成果を発揮(はっき)できる人は、楽しんでいる人なのだ。

Vocabulary (32)
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1
[1]険しい表情とあるが、どのような表情か。
1. 悲しい顔
2. 難しい顔
3. 怒った顔
4. 迷った顔
2
[2]いつも不思議だったとあるが、何を指しているか。
1. 西岡君がクラスの中で成績が一番よかったこと
2. 西岡君が笑いながら勉強を教えてくれたこと
3. 成績のいい西岡君がいつも楽しそうに勉強していたこと
4. 成績のいい西岡君が険しい表情をして勉強していたこと