むかし、むかしの おはなしです。
むかし、むかしの おはなしです。
ある ところに、 おじいさんと おばあさんが いました。
とても なかよく くらして いましたが、 二人には、子どもが いませんでした。
どうか、子どもを おさずけ ください。
どんな 子でも いい。 それは、それは、かわいがりますから・・・。
おじいさんと、おばあさんは、毎日、毎日、 かみさまに おいのりして いました。
そして、ある日、ねがいが かなって、 赤ちゃんが 生まれました。
それは、大人の おやゆびほどの 小さな 小さな 男の子でした。
なんと かわいらしい 赤子じゃ・・・・
かみさまの おかげじゃ、 よかったのぅ・・・、おじいさん・・・。
この かわいい子は、『いっすんぼうし』と、 名づけられました。
いっすんぼうしは、すくすくと そだち、
野山を かけまわる 元気な子に なりました。
ところが、あんまり からだが 小さいので、 村の 子どもたちとは、 いっしょに あそべません。
こんなに ごはん、たべてるのに、 大きく ならねぇとは ふしぎだのう・・・。
元気で そだって いるんですもの・・・。 いいじゃ ありませんか・・・・。
このままで、あの子は、 しあわせに なれるんじゃろうか・・・・。
そんな ある日の こと。
おじいさん、おばあさん、 おねがいが あります。
これ、ほうしや。 あらたまって いったい どうしたのじゃ?!
わたしを みやこへ いかせてください。
ひろい よのなかを 見て、いろいろ 学んで、 りっぱな 人に なりたいんです!!
みやこは、 とても とおいのよ・・・。
ましてや、小さな おまえの 足では、 どれほど かかるか・・・・・。
だいじょうぶです!
川を くだって いけば、みやこに つけると とりが おしえて くれました。
そりゃ、そうだけど・・・・、おまえ・・・・・
よし!のぞみどおり、いって きなさい!
りっぱに なった すがたを 見せて おくれ!
はいっ!
たびだちの 日が きました。
いっすんぼうしは、 縫い針の 刀を こしに さし、
おわんを ふねに はしを かいにして、 みやこへ いくことに しました。
からだに 気を つけてね・・・。
はいっ!
いってきまぁ〜〜す!
気をつけるんじゃぞ〜〜〜
いっすんぼうしは、 元気に 川を すすみました。
雨の ふる日も・・・・・・。
かぜの つよい 日も ありました。
あぶない目に あった ことも ありましたが、
それでも、どんどん 川を すすんで いきますと、
ゆくてに おおきな はしが 見えて きました。
ついに みやこに ついたのです。
にぎやかだなぁ〜、 村とは ぜんぜん ちがうなぁ〜。
いっすんぼうしは、たくさんの 人の あいだを ふまれない ように、すりぬけ、
おおどおりを あるいて いきました。
まずは、えらい人の ところに いこう!
と、あるき まわるうち、
ある 大きな ごてんの まえに でました。
それは、だいじんの おやしきでした。
たのもう〜!たのもう〜!
ん?だれも おらぬ・・・。 みょうじゃな・・・。
ここです!ここです!
わたしは、いっすんぼうしと もうします。
ここの ご主人に あわせて ください!
いっすんぼうしか・・・。
めずらしい 子じゃのう。 よし、あんないして あげよう!
けらいは、びっくりして、 いっすんぼうしを だいじんの まえに つれて いきました。
だいじんも、こんな 小さな にんげんを 見るのは、はじめてです。
じいっと、いっすんぼうしを 見つめました。
わたしは、からだは 小さいですが、
ほかの 人に まけないように はたらきます。
どうか、こちらで、 べんきょうさせて ください!
うむ、いっすんぼうしとやら、小さいが、
こころざしは しっかりして いる ようじゃな。
だいじんは、すっかり 気にいって、
いっすんぼうしを やしきに おく ことに しました。
いっすんぼうしは、 いっしょうけんめいに はたらき、
よみかきを ならったり、 けんじゅつも まなびました。
だいじんの おひめさまは、 いっすんぼうしを とくに かわいがって、
いつも そばに おいて わかを おしえたりしました。
こうして 何年かの 月日が ながれました。
いっすんぼうしは、 からだこそ 小さいまま でしたが、
だいじんからも たよりに される けらいと なって いました。
そんな ある はれた はるの 日、
おひめさまが きよみずの かんのんさまに おまいりする ことに なりました。
いっすんぼうしも、 おともを して おまいりが おわり、
いしだんを おりて くると・・・
そらには、くろくもが わき、 いやな かぜが ふいて きたのです。
どうしたことでしょう・・・、この かぜ・・・
おひめさまが ふと 見あげると、 おてらの やねの 上で、
二ひきの おにが、 金ぼうを ふりまわして いるのです。
おにだ!おにが でた!
わしらは その うつくしい ひめを もらいに きた!
さぁ、こっちへ こい!
おにども・・・
あっ・・・あ・・・っちへ・・・、 いけぇ〜〜っ!
わしらに むかって なまいきな!
フン!なさけない やつらだ!
まてっ!
ん?
おひめさまには、 ゆび 一本 ふれさせないぞっ!
おっ?!
いま、こえを だしたのは おまえか?
そんな まめつぶみたいな おまえに なにが できる?!
あんな ちっこい からだで わしらを たおせる わけが なかろう・・・
のみこまれた いっすんぼうしは、
青おにの おなかの 中を はりの かたなで さして いたのです。
いたいよう〜〜〜
青おには、 はりの いたさに こらえ きれず、
とうとう、いっすんぼうしを はきだして しまいました。
やめてくれ〜〜
もう おひめさまを さらいに こないかっ?!
きません!きません!
もう にどと、さらいになど、 きませんよ!!
よし、それなら、ゆるして やる!
もう、にんげんかいに きて わるさを するなよ!
はい・・・・・
ありがとう、ほうし・・・
おひめさまが、ごぶじで なによりです。
おにたちが あんな ものを おいて いきました。
まぁ、あれは、 『うちでの こづち』という たからものです。
あれを ふれば、 どんな ねがいごとも かなうのですよ・・・。
ほうし、あなたの ねがいは なんです?
もし ねがいが かなうなら、 からだが おおきく なりたいです。
いっすんぼうし、大きく なぁれ! いっすんぼうし、大きく なぁれ!
いっすんぼうしは、
みるみる 大きく なり、 たのもしい 青年の すがたに なりました。
大きくなった いっすんぼうしは、 いっそう よく はたらき、
みんなから そんけいされる りっぱな 人に なりました。
大臣は おおよろこびで、いっすんぼうしを おひめさまの おむこさんに きめました。
それから まもなく いっすんぼうしは、 おひめさまと いっしょに
おじいさんと おばあさんに あいに いきました。
そして、おじいさん、おばあさんを みやこに よんで、
いつまでも みんな しあわせに くらしたと いうことです。
むかし、むかしの おはなしです。
むかし
はなし
ある ところに、 おじいさんと おばあさんが いました。
とても なかよく くらして いましたが、 二人には、子どもが いませんでした。
どうか、子どもを おさずけ ください。
くださる
子ども
さずける
どんな 子でも いい。 それは、それは、かわいがりますから・・・。
おじいさんと、おばあさんは、毎日、毎日、 かみさまに おいのりして いました。
そして、ある日、ねがいが かなって、 赤ちゃんが 生まれました。
それは、大人の おやゆびほどの 小さな 小さな 男の子でした。
なんと かわいらしい 赤子じゃ・・・・
かわいらしい
赤子
なんと
かみさまの おかげじゃ、 よかったのぅ・・・、おじいさん・・・。
この かわいい子は、『いっすんぼうし』と、 名づけられました。
いっすんぼうしは、すくすくと そだち、
そだつ
ぼうし
すくすくと
いっす
野山を かけまわる 元気な子に なりました。
ところが、あんまり からだが 小さいので、 村の 子どもたちとは、 いっしょに あそべません。
こんなに ごはん、たべてるのに、 大きく ならねぇとは ふしぎだのう・・・。
元気で そだって いるんですもの・・・。 いいじゃ ありませんか・・・・。
このままで、あの子は、 しあわせに なれるんじゃろうか・・・・。
そんな ある日の こと。
そんな
日
おじいさん、おばあさん、 おねがいが あります。
これ、ほうしや。 あらたまって いったい どうしたのじゃ?!
わたしを みやこへ いかせてください。
くださる
みやこ
わたし
ひろい よのなかを 見て、いろいろ 学んで、 りっぱな 人に なりたいんです!!
みやこは、 とても とおいのよ・・・。
みやこ
とても
とおい
ましてや、小さな おまえの 足では、 どれほど かかるか・・・・・。
だいじょうぶです!
だいじょうぶ
川を くだって いけば、みやこに つけると とりが おしえて くれました。
そりゃ、そうだけど・・・・、おまえ・・・・・
そりゃ
おまえ
よし!のぞみどおり、いって きなさい!
なさる
のぞみ
どおり
りっぱに なった すがたを 見せて おくれ!
はいっ!
はいる
たびだちの 日が きました。
日
たびだつ
いっすんぼうしは、 縫い針の 刀を こしに さし、
おわんを ふねに はしを かいにして、 みやこへ いくことに しました。
からだに 気を つけてね・・・。
気
つける
からだ
はいっ!
はいる
いってきまぁ〜〜す!
いってき
気をつけるんじゃぞ〜〜〜
気
つける
いっすんぼうしは、 元気に 川を すすみました。
雨の ふる日も・・・・・・。
日
雨
ふるい
かぜの つよい 日も ありました。
日
つよい
あぶない目に あった ことも ありましたが、
それでも、どんどん 川を すすんで いきますと、
ゆくてに おおきな はしが 見えて きました。
ついに みやこに ついたのです。
みやこ
ついに
にぎやかだなぁ〜、 村とは ぜんぜん ちがうなぁ〜。
いっすんぼうしは、たくさんの 人の あいだを ふまれない ように、すりぬけ、
おおどおりを あるいて いきました。
どおり
まずは、えらい人の ところに いこう!
まずは
えらい
人
ところ
と、あるき まわるうち、
まわる
あるく
ある 大きな ごてんの まえに でました。
まえる
大きな
それは、だいじんの おやしきでした。
たのもう〜!たのもう〜!
たのむ
ん?だれも おらぬ・・・。 みょうじゃな・・・。
ここです!ここです!
わたしは、いっすんぼうしと もうします。
もうす
ぼうし
わたし
いっす
ここの ご主人に あわせて ください!
くださる
あわせる
主人
いっすんぼうしか・・・。
いっす
めずらしい 子じゃのう。 よし、あんないして あげよう!
けらいは、びっくりして、 いっすんぼうしを だいじんの まえに つれて いきました。
だいじんも、こんな 小さな にんげんを 見るのは、はじめてです。
じいっと、いっすんぼうしを 見つめました。
じいっと
ぼうし
見つめる
いっす
わたしは、からだは 小さいですが、
小さい
わたし
ほかの 人に まけないように はたらきます。
どうか、こちらで、 べんきょうさせて ください!
うむ、いっすんぼうしとやら、小さいが、
ぼうし
小さい
いっす
こころざしは しっかりして いる ようじゃな。
だいじんは、すっかり 気にいって、
すっかり
気にいる
いっすんぼうしを やしきに おく ことに しました。
いっすんぼうしは、 いっしょうけんめいに はたらき、
よみかきを ならったり、 けんじゅつも まなびました。
だいじんの おひめさまは、 いっすんぼうしを とくに かわいがって、
いつも そばに おいて わかを おしえたりしました。
こうして 何年かの 月日が ながれました。
ながれる
何
こうして
月日
年
いっすんぼうしは、 からだこそ 小さいまま でしたが、
だいじんからも たよりに される けらいと なって いました。
そんな ある はれた はるの 日、
はるの
そんな
日
はれる
おひめさまが きよみずの かんのんさまに おまいりする ことに なりました。
いっすんぼうしも、 おともを して おまいりが おわり、
いしだんを おりて くると・・・
おりる
そらには、くろくもが わき、 いやな かぜが ふいて きたのです。
どうしたことでしょう・・・、この かぜ・・・
おひめさまが ふと 見あげると、 おてらの やねの 上で、
二ひきの おにが、 金ぼうを ふりまわして いるのです。
おにだ!おにが でた!
にがい
わしらは その うつくしい ひめを もらいに きた!
さぁ、こっちへ こい!
こっち
おにども・・・
あっ・・・あ・・・っちへ・・・、 いけぇ〜〜っ!
わしらに むかって なまいきな!
むかう
フン!なさけない やつらだ!
なさけない
まてっ!
ん?
おひめさまには、 ゆび 一本 ふれさせないぞっ!
おっ?!
いま、こえを だしたのは おまえか?
こえる
おまえ
そんな まめつぶみたいな おまえに なにが できる?!
あんな ちっこい からだで わしらを たおせる わけが なかろう・・・
のみこまれた いっすんぼうしは、
ぼうし
のみこむ
いっす
青おにの おなかの 中を はりの かたなで さして いたのです。
いたいよう〜〜〜
いたい
青おには、 はりの いたさに こらえ きれず、
とうとう、いっすんぼうしを はきだして しまいました。
やめてくれ〜〜
くれる
やめる
もう おひめさまを さらいに こないかっ?!
きません!きません!
もう にどと、さらいになど、 きませんよ!!
よし、それなら、ゆるして やる!
ゆるす
それなら
もう、にんげんかいに きて わるさを するなよ!
はい・・・・・
ありがとう、ほうし・・・
ありがとう
ほうし
おひめさまが、ごぶじで なによりです。
ひめる
おにたちが あんな ものを おいて いきました。
まぁ、あれは、 『うちでの こづち』という たからものです。
あれを ふれば、 どんな ねがいごとも かなうのですよ・・・。
ほうし、あなたの ねがいは なんです?
ねがう
あなた
ほうし
もし ねがいが かなうなら、 からだが おおきく なりたいです。
いっすんぼうし、大きく なぁれ! いっすんぼうし、大きく なぁれ!
いっすんぼうしは、
ぼうし
いっす
みるみる 大きく なり、 たのもしい 青年の すがたに なりました。
大きくなった いっすんぼうしは、 いっそう よく はたらき、
みんなから そんけいされる りっぱな 人に なりました。
大臣は おおよろこびで、いっすんぼうしを おひめさまの おむこさんに きめました。
それから まもなく いっすんぼうしは、 おひめさまと いっしょに
おじいさんと おばあさんに あいに いきました。
そして、おじいさん、おばあさんを みやこに よんで、
いつまでも みんな しあわせに くらしたと いうことです。
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