翻訳: Yuriya Nakagawa 校正: Mai Iida
翻訳: Yuriya Nakagawa 校正: Mai Iida
私が医師としての人生をどうやって過ごすか
そういうものを決めさせた後景があります
それは私が東大病院で勤務医をしていた時期に
自分の患者さんの自宅に訪問する
そのような機会がありました
患者さんはこのような家の中に住んでいたんです
私はびっくりしました
今まで外来 そして入院の患者さんしか
見たことのなかった私にとっては
自分の患者さんがこんな中に住んでいるんだ
と衝撃的なことでした
だいたい一日中このように布団の上に寝て
そして近くにあるパンやジュースを飲んで
そして誰とも話さない
周りはゴミの山です
これが高齢社会の現実なんだ と
そこで色々調べてみたんです
そうしたら 私の患者さんだけが特別ではない
ということがわかりました
今から 例えば10年経ったら
世帯の4割は高齢者がいる世帯になります
そしてそのうちの7割は
高齢者が1人で住んでいたり
もしくは夫婦だけで過ごしている
そんなような社会になる
このようにわかってきたんです
こんな高齢者が
非常に孤独な状態で生きている
これをなんとかしたい
これを人生のテーマに決めたわけです
じゃあ医者として何ができるんだろう
そう思って色々考えた結果が
「在宅医療」という道でした
在宅医療というのは
例えばもう病院に通うことができない
もしくはガンの終末期で もう最期は家で過ごしたい
そういった患者さんのお家に医師が訪問して
そこで医療やケアをする
それで何かあったら24時間駆けつけて対応する
そんなような医療だったんです
2010年1月ですね
文京区に在宅医療のクリニックを作って
そして始めた時は
「さあこれで 高齢者の孤独に対して何かできる」
そういう風に思ったんです
ところが始めてみると
とてもそんな甘いもんじゃないんです
我々が訪問して 診断をして 医療やケアをして
お薬を出したり
もしくは「こういう食事がいいですよ」
そういうお話をするわけなんですけれど
ところが 例えば認知症の方とかは
きちんとお薬が飲めない
もしくは「こういう食事がいいんですよ」と
いくら勧めても自分で作れないので
結局食べられない
一番衝撃的だったのは
私が患者さんと会った時
その時はニコニコしている
だけど帰る時には
ものすごく寂しそうな顔をしている
全然高齢者の孤立というものに関して
一人の医師としては何もできていないんだなあ
そんなように思って
「どうしたらいいだろうか」と思っていたんです
そんな時に一つの出会いがありました
それは宮城県石巻市です
東日本大震災があった後 私は
宮城県の石巻市に行って
そして ここにこそ在宅医療の 必要な人がいると思って
クリニックをもう一個建てて
そこで在宅診療を始めたんです
在宅診療をしているだけではなくて
被災者の支援もしました
そうしたらある時 一緒に活動をしているボランティアの人が
「だいぶ体の調子の悪いおじいちゃんがいるので
診に行ってくれないか」
と言われて私は行ったわけです
その患者さんは安部正吉さん(仮名)という方で
72歳の方でした
その安部正吉さんの家の周りは
すべて流されてしまっていて
正吉さんの家は 2階は大丈夫だったので
そこに住んでいたわけです
私は行って その人の診察をしようと思いましたら
「もう生きていてもしょうがない
他の人は死んでしまったのに
自分が生き残って本当に申し訳ない
だから医者なんていらないんだ」
と言って家にも入れてくれないわけです
私は帰って そして一緒に働いている
活動している人たちに
「正吉さんってどういう人なんだろう」と
聞いたわけなんです
そうしたら
例えば 「家に風がぴゅーぴゅー入って
すごく困っていた」
もしくは 「眠れなくて辛い」とか
「夜中に亡くなった友達のことを思い出している」
「泣いている」 とか
「とにかく寒いんだ あの家は」 「カビだらけだ」
そんなような情報が入ってくるわけですね
みんなで相談をして
「じゃあ何ができるんだろう」と
そして翌日には 男性のボランティアが行って
壁にすごい穴が空いていたので
そこをふさいであげたり
その次の日には
布団がカビだらけだったので
新しく布団を持って行ったり
また カウンセラーのような人が定期的に訪問して
色々な話を聞く
そんなことをやっていくうちに
ようやく何ヶ月か経って
私も医者として入ることができたんです
「震災前どんな薬を飲んでいたの」と
そして体を拝見させていただいて
「じゃあこの薬を飲みましょう」と
驚いたことに正吉さんは
どんどん元気になっていったんです
ある時「何やっているの」と聞いたら
「自転車をもらって 友達が被災しているので
その人たちのところに行って
様子を見に行ってあげてるんだ」と
そんなようなことを言っていたんです
私はここから多くのことを学びました
一つは 一人の高齢者の方がいらしたら
その人の情報をものすごくいろんな視点で
取ってこなくちゃいけない
包括的にその人の情報を取ってきて
そして何かできる人たちが集まって
その情報を分析して
それぞれできることを提供していく
こういう仕組みが必要なんじゃないかと
よくプロフェッショナルな人の 問題点っていうのはですね
自分ができることで なんとか対応しよう と思うわけです
例えば 眠れない っていうことがあったとします
まあヤブ医者だったら 睡眠薬を出して終わり
だけど本当に問題なのは
例えば 寒くて 寒いから眠れない
ということだってあるわけです
もしくは 亡くなった人のことを思って眠れない
もしくは カビが生えている布団だから眠れないとか
そういう複合的な状況が
たくさんありますよね
そういうものを共有して
みんなで考えていく
何がその人にふさわしいやり方なんだ と
これが一つです
もう一つ わかったのは
よく高齢者っていうのは
「何かしてあげなきゃいけない
救ってあげなきゃいけない」
普通そう思うじゃないですか
だけど 正吉さんの場合で言えば
もちろん家も大変な状態になって
身体も弱ってしまった
だけど元気になったのは実は
自分が誰かのところに行って見守ってあげる
もしくは 人に頼りにされる
そういう経験 もしくは環境ができて初めて
正吉さんは元気になったわけです
じゃあこの学びを
日本が 全体がこれから
迎える超高齢社会において
どういう風にしていったらいいか
これまたすごく難しい問題です
うーん って悩んで 考えた結果
これを見て思いついたことがあるんです
これ スマートフォンです
このコンセプトを社会に適応できないか
どういうことかって言うと このスマートフォン
まあ皆さん ほとんどの人が 持っていると思いますけども
でもこのスマートフォンにある僕のアプリと
多分皆さんのアプリって
かなりの部分で違うと思うんですよね
それはなんで違うのかというと
それは僕が必要としているサービスと
皆さんが必要としているサービスが
違うからなんですね
じゃあ高齢者の場合はどういうことが言えるだろう
それは 皆さん例えば若い人たちは
自分の思考でいろんなバリエーションってありますよね
だけど高齢者っていうことで考えると
実は身体の様子でバリエーションがある
例えばある人は目が見にくいとか
ある人は耳が聞こえにくい
もしくは認知症の程度でもバリエーションがある
置かれた生活環境の中でもバリエーションがある
だからその人が置かれたバリエーションの中で
いろんなサービスを提供しようと思ったら
たくさんのサービスを揃えなければいけない
つまり アプリをサービスに例えるのであれば
そのアプリをたくさん準備しなければいけない ということです
じゃあたくさんあればそれで良いのか というと
それとも違うんです
その人にあったサービスを選べるような
場所がないといけないんです
それがいわゆるiPhoneみたいなもんなんです
つまりそこから自分が望むサービスを
選べるような場所を作っていかないといけない
今まで高齢者の対策っていうのは
大体行政がやったりしていたんです
もしくはNPOとか もしくは一部の企業がやろうとした
だけど皆バラバラにやっていたから
一つのプラットフォームの上でやっているということは
ほとんどなかったんです
じゃあそれで足りるのかというと
実はそれだけでは足りないんですね
なんでかって言うと高齢者の人たちは
自分が必要なサービスを理解できるかって言うと
理解できない人もいるわけです
だから誰かが
「あなたに必要なサービスはこれなんですよ」
というのを教えてあげる 勧めてあげないといけない
それで 高齢者っていうのは
どんどんどんどん歳を重ねていくと
認知機能とか身体機能とか
変わっていきますよね
だから必要なサービスも変わってくる
多くの情報が集まって
そしてそれを分析すれば
次に必要となるサービスって予測できますよね
例えば皆さんがAmazonからメールが来て
「次にこういう本が出ます 買いませんか?」
というオファーが来ることってあるじゃないですか
ああいう感じなわけですよ
つまり例えば 歩行スピードが落ちてきた人がいたら
次は転倒する危険性が高いかもしれない
だったらこういう道具があったほうがいいよね とか
こういうサービスがあったら転倒を 予防することができるかもしれない とか
いろんな情報が集まってくると
次の近い未来を予測できる
したがって 重症化することも防げるかもしれない
こんなようなことが言えるわけです
もう一つは アプリ同士で情報共有って
今なされているじゃないですか
例えばFacebookとGoogleの間で
いろいろな情報が共有されているので
二重入力をする必要がない とか
そんなことって ありますよね
こちらのプラットフォームでも
この概念ってのはすごく大事なんです
例えば 軽い脳梗塞にかかって
体が動きにくくなった
そういう情報が入ったら
次に来る食事が 例えば食べやすいものに変わっているとか
もしくはリハビリのメニューが変わるとか
外に出て行くときに サポートする体制が変わるとか
そういった情報共有をすると
すぐに その人の変化に合わせて
ありとあらゆるサービスのネットワークが
変わるということができるかもしれない
もう一つは このプラットフォーム
この中で新しいコミュニティが生まれるかもしれない
今の高齢者のコミュニティっていうのは
基本的に地縁なわけですね 地域の
だけれども 例えば 「私はこういうサービスを使っている」とか
「自分はこういうものが好きなんだ」とか
その中で新しいコミュニティが 生まれるかもしれないわけです
もっと大事なのは
例えば「私はこの時間だったら今までの経験とか
知識とかスキルを使って
他の人のためにも何かできるかもしれない」
そういう情報がマッチングできれば
互いに支え合う
つまり自分はサービスを受けるだけじゃなくて
お互いに支えるようなコミュニティが
もう一回創造できるかもしれないわけです
最後に大事なのはインターフェイスですね
つまりこういうシステムが いいシステムが出来上がっても
最後はやっぱり高齢者が使えなきゃいけない
それを誰がやるんだ と
例えば コンビニってありますね
コンビニの店員さんとか
もしくは宅配で持ってきてくれる人とか
こういう人たちっていうのは地域地域で
高齢者ともうコネクションができているわけです
人間的な関係ができている
では例えば こういう人たちがサービスを届けるときに
「今日はどうなんですか?」
もしくは「今の気分はどうなんですか?」
そういうような簡単な質問をするようなことって
できますよね
実際に我々はこれをプロジェクトとして
開始しています
もしくは
皆さんのおじいちゃんとかおばあちゃんのお家に行くと
大きなテレビって多分あって
大音響で 聞いたり見たりしているじゃないですか
テレビっていうのは高齢者の人にとって
実はすごく大きな存在ですよね
大体どの家にもある
そしてそれが社会への窓口の
大きなものであるわけです
例えば テレビに話しかけたら
オペレーターみたいな人が出てきて
必要なサービスを伝えられる
もしくは必要な情報をくれる
そんなようなことも できるわけですね
既存にあるものが 新しいインターフェイスに進化する
こういうこともできるわけです
私はこういったことを考えると
すごいわくわくするんです
つまり今のITの新しい技術
そしてiPhoneに代表されるような
ああいうコンセプト
そして昔はなかったようなコンビニみたいな
社会の新しいインフラ
こういうものを組み合わせることによって
高齢者が必要なサービスをもらえて
そして誰かと繋がって
そして生きがいを感じる
こんなような社会を作ることが
できるんですよね
私はそう考えると
高齢社会ってなんとなく 暗いようなイメージになるじゃないですか
でも違うんですね
ここはイノベーションを生み出せる場なんです
自分はこのテーマに命をかけて取り組んでいる
本当に「これはいいテーマだなあ」と
自分では思っているんです
最後に皆さんにお願いしたいのは
「じゃあこれをどうやって実現していくんだ」 と考えたときには
やっぱりクラウドソーシングの考えなんです
つまり様々な人たちが
自分たちの持っているリソースを集めて
そしてプロジェクトにして進めていく
このコンセプトを使えば
ここにいる皆さん全員が
この高齢社会に対してのソリューションを作る
貢献ができるわけですね
だから今日から始めていただきたいのは
まず自分のおじいちゃんやおばあちゃん
もしくはお父さんやお母さん
もしくは近くにいるおじいちゃんおばあちゃん
その人たちを
よく見て よくお話をして
「何がこの人一番困っているんだ?」
もしくは「なんでこの人は 喜びを感じることができるんだろう?」
そういったものをよく見て 知って欲しいんです
そして皆さんひとりひとりが持っている
技術やスキルを使いながら
アイディアを出して欲しい
私はそういったアイディアと一緒に
高齢者が幸せに生きることのできる
高齢社会
こういったものを一緒に作っていきたいと思います
ありがとうございました (拍手)
翻訳: Yuriya Nakagawa 校正: Mai Iida
翻訳
校正
私が医師としての人生をどうやって過ごすか
医師
人生
過ごす
私
として
そういうものを決めさせた後景があります
決める
させる
そういう
後景
それは私が東大病院で勤務医をしていた時期に
時期
勤務
病院
私
医
東大
自分の患者さんの自宅に訪問する
訪問
患者
自分
自宅
そのような機会がありました
機会
患者さんはこのような家の中に住んでいたんです
患者
中
家
住む
私はびっくりしました
びっくり
私
今まで外来 そして入院の患者さんしか
入院
患者
そして
外来
今
見たことのなかった私にとっては
見る
私
にとって
自分の患者さんがこんな中に住んでいるんだ
患者
中
こんな
自分
住む
と衝撃的なことでした
的
衝撃
だいたい一日中このように布団の上に寝て
だいたい
日
布団
上
中
一
寝る
そして近くにあるパンやジュースを飲んで
ジュース
そして
近く
飲む
そして誰とも話さない
そして
誰
話す
周りはゴミの山です
周り
山
これが高齢社会の現実なんだ と
社会
現実
高齢
そこで色々調べてみたんです
調べる
そこで
色々
そうしたら 私の患者さんだけが特別ではない
特別
患者
私
そうしたら
ということがわかりました
わかる
という
今から 例えば10年経ったら
例えば
経つ
今
年
世帯の4割は高齢者がいる世帯になります
者
世帯
割
高齢
そしてそのうちの7割は
そして
割
高齢者が1人で住んでいたり
者
人
住む
高齢
もしくは夫婦だけで過ごしている
夫婦
過ごす
もしくは
そんなような社会になる
社会
そんな
このようにわかってきたんです
わかる
こんな高齢者が
者
こんな
高齢
非常に孤独な状態で生きている
生きる
非常
状態
孤独
これをなんとかしたい
なんとか
これを人生のテーマに決めたわけです
決める
人生
テーマ
じゃあ医者として何ができるんだろう
何
じゃあ
できる
医者
として
そう思って色々考えた結果が
思う
考える
結果
色々
「在宅医療」という道でした
医療
道
在宅
という
在宅医療というのは
医療
在宅
という
例えばもう病院に通うことができない
通う
例えば
できる
病院
もしくはガンの終末期で もう最期は家で過ごしたい
過ごす
期
家
最期
終末
もしくは
そういった患者さんのお家に医師が訪問して
お家
訪問
医師
患者
そういった
そこで医療やケアをする
医療
そこで
それで何かあったら24時間駆けつけて対応する
それで
何
対応
時間
駆けつける
そんなような医療だったんです
そんな
医療
2010年1月ですね
月
年
文京区に在宅医療のクリニックを作って
文京
医療
区
作る
在宅
クリニック
そして始めた時は
始める
そして
時
「さあこれで 高齢者の孤独に対して何かできる」
何
者
できる
孤独
に対して
高齢
そういう風に思ったんです
思う
風
そういう
ところが始めてみると
始める
ところが
とてもそんな甘いもんじゃないんです
そんな
とても
甘い
我々が訪問して 診断をして 医療やケアをして
訪問
医療
我々
診断
お薬を出したり
薬
出す
もしくは「こういう食事がいいですよ」
食事
こういう
もしくは
そういうお話をするわけなんですけれど
けれど
お話
そういう
ところが 例えば認知症の方とかは
例えば
ところが
方
症
認知
きちんとお薬が飲めない
きちんと
薬
飲める
もしくは「こういう食事がいいんですよ」と
食事
こういう
もしくは
いくら勧めても自分で作れないので
作れる
いくら
勧める
自分
結局食べられない
結局
食べる
られる
一番衝撃的だったのは
一番
的
衝撃
私が患者さんと会った時
患者
時
会う
私
その時はニコニコしている
時
ニコニコ
だけど帰る時には
だけど
時
帰る
ものすごく寂しそうな顔をしている
寂しい
ものすごい
顔
全然高齢者の孤立というものに関して
者
全然
孤立
に関して
高齢
という
一人の医師としては何もできていないんだなあ
何
医師
できる
人
一
として
そんなように思って
思う
そんな
「どうしたらいいだろうか」と思っていたんです
思う
そんな時に一つの出会いがありました
そんな
出会い
時
一つ
それは宮城県石巻市です
石巻
市
県
宮城
東日本大震災があった後 私は
後
私
東日本
大震災
宮城県の石巻市に行って
石巻
市
県
行く
宮城
そして ここにこそ在宅医療の 必要な人がいると思って
思う
必要
医療
そして
人
在宅
クリニックをもう一個建てて
建てる
個
一
クリニック
そこで在宅診療を始めたんです
始める
そこで
診療
在宅
在宅診療をしているだけではなくて
診療
在宅
被災者の支援もしました
者
支援
被災
そうしたらある時 一緒に活動をしているボランティアの人が
活動
時
人
一緒
ボランティア
そうしたら
「だいぶ体の調子の悪いおじいちゃんがいるので
だいぶ
調子
体
悪い
おじいちゃん
診に行ってくれないか」
くれる
診る
行く
と言われて私は行ったわけです
行う
言う
私
その患者さんは安部正吉さん(仮名)という方で
安部
方
患者
仮名
という
72歳の方でした
方
歳
その安部正吉さんの家の周りは
安部
周り
家
すべて流されてしまっていて
流す
しまう
すべて
正吉さんの家は 2階は大丈夫だったので
正吉
階
家
大丈夫
そこに住んでいたわけです
住む
私は行って その人の診察をしようと思いましたら
行う
思う
診察
人
私
「もう生きていてもしょうがない
生きる
しょうが
他の人は死んでしまったのに
他
しまう
人
死ぬ
自分が生き残って本当に申し訳ない
申し訳
自分
本当に
生き残る
だから医者なんていらないんだ」
だから
医者
なんて
と言って家にも入れてくれないわけです
くれる
言う
家
入れる
私は帰って そして一緒に働いている
そして
一緒
帰る
働く
私
活動している人たちに
活動
人
「正吉さんってどういう人なんだろう」と
正吉
人
どういう
聞いたわけなんです
聞く
そうしたら
そうしたら
例えば 「家に風がぴゅーぴゅー入って
例えば
入る
家
風
すごく困っていた」
すごい
困る
もしくは 「眠れなくて辛い」とか
眠れる
辛い
もしくは
「夜中に亡くなった友達のことを思い出している」
思い出す
亡くなる
夜中
友達
「泣いている」 とか
泣く
「とにかく寒いんだ あの家は」 「カビだらけだ」
とにかく
だらけ
家
寒い
そんなような情報が入ってくるわけですね
そんな
情報
入る
みんなで相談をして
相談
みんな
「じゃあ何ができるんだろう」と
何
じゃあ
できる
そして翌日には 男性のボランティアが行って
行う
男性
そして
ボランティア
翌日
壁にすごい穴が空いていたので
空く
壁
すごい
穴
そこをふさいであげたり
あげる
ふさぐ
その次の日には
日
次
布団がカビだらけだったので
布団
だらけ
新しく布団を持って行ったり
布団
新しい
行く
持つ
また カウンセラーのような人が定期的に訪問して
訪問
定期
的
人
カウンセラー
色々な話を聞く
色々
聞く
話
そんなことをやっていくうちに
そんな
ようやく何ヶ月か経って
何
経つ
ようやく
ヶ月
私も医者として入ることができたんです
できる
入る
医者
私
として
「震災前どんな薬を飲んでいたの」と
どんな
前
薬
飲む
震災
そして体を拝見させていただいて
いただく
拝見
そして
体
「じゃあこの薬を飲みましょう」と
じゃあ
薬
飲む
驚いたことに正吉さんは
正吉
驚く
どんどん元気になっていったんです
どんどん
元気
ある時「何やっているの」と聞いたら
何
時
聞く
「自転車をもらって 友達が被災しているので
もらう
自転車
友達
被災
その人たちのところに行って
人
行く
ところ
様子を見に行ってあげてるんだ」と
あげる
見る
様子
行く
そんなようなことを言っていたんです
そんな
言う
私はここから多くのことを学びました
学ぶ
私
多く
一つは 一人の高齢者の方がいらしたら
方
者
人
一
一つ
高齢
その人の情報をものすごくいろんな視点で
情報
ものすごい
人
いろんな
視点
取ってこなくちゃいけない
いける
取る
包括的にその人の情報を取ってきて
情報
的
人
取る
包括
そして何かできる人たちが集まって
何
そして
できる
人
集まる
その情報を分析して
分析
情報
それぞれできることを提供していく
それぞれ
できる
提供
こういう仕組みが必要なんじゃないかと
必要
仕組み
こういう
よくプロフェッショナルな人の 問題点っていうのはですね
ていう
人
問題
プロフェッショナル
点る
自分ができることで なんとか対応しよう と思うわけです
思う
なんとか
できる
対応
自分
例えば 眠れない っていうことがあったとします
眠れる
例えば
っていう
まあヤブ医者だったら 睡眠薬を出して終わり
終わる
医者
出す
睡眠薬
だけど本当に問題なのは
だけど
問題
本当に
例えば 寒くて 寒いから眠れない
眠れる
例えば
寒い
ということだってあるわけです
だって
という
もしくは 亡くなった人のことを思って眠れない
眠れる
思う
亡くなる
人
もしくは
もしくは カビが生えている布団だから眠れないとか
眠れる
布団
生える
もしくは
そういう複合的な状況が
状況
的
そういう
複合
たくさんありますよね
たくさん
そういうものを共有して
共有
そういう
みんなで考えていく
考える
みんな
何がその人にふさわしいやり方なんだ と
何
人
やり方
ふさわしい
これが一つです
一つ
もう一つ わかったのは
一つ
わかる
よく高齢者っていうのは
者
高齢
っていう
「何かしてあげなきゃいけない
あげる
何
いける
救ってあげなきゃいけない」
あげる
いける
救う
普通そう思うじゃないですか
思う
普通
だけど 正吉さんの場合で言えば
正吉
場合
だけど
言う
もちろん家も大変な状態になって
もちろん
状態
大変
家
身体も弱ってしまった
しまう
身体
弱る
だけど元気になったのは実は
実は
だけど
元気
自分が誰かのところに行って見守ってあげる
あげる
誰
行く
自分
ところ
見守る
もしくは 人に頼りにされる
人
頼り
もしくは
そういう経験 もしくは環境ができて初めて
経験
環境
できる
初めて
そういう
もしくは
正吉さんは元気になったわけです
正吉
元気
じゃあこの学びを
じゃあ
学び
日本が 全体がこれから
これから
日本
全体
迎える超高齢社会において
社会
迎える
超
において
高齢
どういう風にしていったらいいか
風
どういう
これまたすごく難しい問題です
すごい
難しい
問題
うーん って悩んで 考えた結果
考える
悩む
結果
うーん
これを見て思いついたことがあるんです
見る
思いつく
これ スマートフォンです
スマート
フォン
このコンセプトを社会に適応できないか
社会
できる
適応
コンセプト
どういうことかって言うと このスマートフォン
スマート
言う
フォン
どういう
まあ皆さん ほとんどの人が 持っていると思いますけども
けども
思う
ほとんど
人
皆さん
持つ
でもこのスマートフォンにある僕のアプリと
僕
スマート
フォン
多分皆さんのアプリって
多分
皆さん
かなりの部分で違うと思うんですよね
思う
部分
かなり
違う
それはなんで違うのかというと
なんで
違う
それは僕が必要としているサービスと
必要
僕
サービス
皆さんが必要としているサービスが
必要
サービス
皆さん
違うからなんですね
違う
じゃあ高齢者の場合はどういうことが言えるだろう
場合
者
じゃあ
言える
どういう
高齢
それは 皆さん例えば若い人たちは
例えば
人
皆さん
若い
自分の思考でいろんなバリエーションってありますよね
自分
思考
いろんな
バリエーション
だけど高齢者っていうことで考えると
考える
者
だけど
高齢
っていう
実は身体の様子でバリエーションがある
様子
実は
身体
バリエーション
例えばある人は目が見にくいとか
例えば
人
目
見にくい
ある人は耳が聞こえにくい
聞こえる
人
耳
にくい
もしくは認知症の程度でもバリエーションがある
程度
症
認知
バリエーション
もしくは
置かれた生活環境の中でもバリエーションがある
生活
環境
中
置く
バリエーション
だからその人が置かれたバリエーションの中で
だから
中
人
置く
バリエーション
いろんなサービスを提供しようと思ったら
思う
サービス
提供
いろんな
たくさんのサービスを揃えなければいけない
サービス
揃える
たくさん
いける
つまり アプリをサービスに例えるのであれば
サービス
つまり
例える
そのアプリをたくさん準備しなければいけない ということです
準備
たくさん
いける
という
じゃあたくさんあればそれで良いのか というと
それで
じゃあ
たくさん
良い
それとも違うんです
それとも
違う
その人にあったサービスを選べるような
選べる
サービス
人
場所がないといけないんです
場所
いける
それがいわゆるiPhoneみたいなもんなんです
いわゆる
みたい
つまりそこから自分が望むサービスを
望む
サービス
つまり
自分
選べるような場所を作っていかないといけない
選べる
場所
いける
作る
今まで高齢者の対策っていうのは
者
対策
今
高齢
っていう
大体行政がやったりしていたんです
大体
行政
もしくはNPOとか もしくは一部の企業がやろうとした
企業
一部
もしくは
だけど皆バラバラにやっていたから
皆
だけど
バラバラ
一つのプラットフォームの上でやっているということは
上
一つ
プラットフォーム
という
ほとんどなかったんです
ほとんど
じゃあそれで足りるのかというと
足りる
じゃあ
実はそれだけでは足りないんですね
足りる
実は
なんでかって言うと高齢者の人たちは
なんで
者
人
言う
かって
高齢
自分が必要なサービスを理解できるかって言うと
必要
理解
サービス
できる
言う
自分
理解できない人もいるわけです
理解
できる
人
だから誰かが
だから
誰
「あなたに必要なサービスはこれなんですよ」
必要
サービス
あなた
というのを教えてあげる 勧めてあげないといけない
あげる
勧める
いける
教える
という
それで 高齢者っていうのは
それで
者
高齢
っていう
どんどんどんどん歳を重ねていくと
どんどん
歳
重ねる
認知機能とか身体機能とか
機能
身体
認知
変わっていきますよね
変わる
だから必要なサービスも変わってくる
変わる
だから
必要
サービス
多くの情報が集まって
情報
集まる
多く
そしてそれを分析すれば
分析
そして
次に必要となるサービスって予測できますよね
必要
予測
サービス
できる
次に
例えば皆さんがAmazonからメールが来て
例えば
来る
皆さん
メール
「次にこういう本が出ます 買いませんか?」
買う
出る
本
こういう
次に
というオファーが来ることってあるじゃないですか
来る
オファー
という
ああいう感じなわけですよ
感じ
つまり例えば 歩行スピードが落ちてきた人がいたら
例えば
つまり
人
落ちる
スピード
歩行
次は転倒する危険性が高いかもしれない
危険
性
高い
次
転倒
しれる
だったらこういう道具があったほうがいいよね とか
道具
こういう
こういうサービスがあったら転倒を 予防することができるかもしれない とか
予防
サービス
できる
こういう
転倒
しれる
いろんな情報が集まってくると
情報
集まる
いろんな
次の近い未来を予測できる
未来
予測
できる
近い
次
したがって 重症化することも防げるかもしれない
防げる
したがって
化
重症
しれる
こんなようなことが言えるわけです
こんな
言える
もう一つは アプリ同士で情報共有って
情報
同士
一つ
共有
今なされているじゃないですか
今
例えばFacebookとGoogleの間で
間
例えば
いろいろな情報が共有されているので
情報
いろいろ
共有
二重入力をする必要がない とか
必要
重
二
入力
そんなことって ありますよね
そんな
こちらのプラットフォームでも
こちら
プラットフォーム
この概念ってのはすごく大事なんです
すごい
大事
概念
例えば 軽い脳梗塞にかかって
例えば
かかる
軽い
脳
梗塞
体が動きにくくなった
動く
体
にくい
そういう情報が入ったら
情報
入る
そういう
次に来る食事が 例えば食べやすいものに変わっているとか
変わる
食事
例えば
来る
食べる
やすい
次に
もしくはリハビリのメニューが変わるとか
変わる
メニュー
リハビリ
もしくは
外に出て行くときに サポートする体制が変わるとか
変わる
外
行く
出る
サポート
体制
そういった情報共有をすると
情報
共有
そういった
すぐに その人の変化に合わせて
変化
合わせる
人
ありとあらゆるサービスのネットワークが
ネットワーク
サービス
ありとあらゆる
変わるということができるかもしれない
変わる
できる
しれる
という
もう一つは このプラットフォーム
一つ
プラットフォーム
この中で新しいコミュニティが生まれるかもしれない
中
新しい
生まれる
コミュニティ
しれる
今の高齢者のコミュニティっていうのは
者
今
高齢
コミュニティ
っていう
基本的に地縁なわけですね 地域の
基本
地域
的
地縁
だけれども 例えば 「私はこういうサービスを使っている」とか
例えば
サービス
使う
私
こういう
だけれども
「自分はこういうものが好きなんだ」とか
自分
好き
こういう
その中で新しいコミュニティが 生まれるかもしれないわけです
中
新しい
生まれる
コミュニティ
しれる
もっと大事なのは
大事
もっと
例えば「私はこの時間だったら今までの経験とか
経験
例えば
今
時間
私
知識とかスキルを使って
知識
使う
スキル
他の人のためにも何かできるかもしれない」
何
他
できる
人
しれる
そういう情報がマッチングできれば
情報
できる
そういう
マッチング
互いに支え合う
合う
支える
互いに
つまり自分はサービスを受けるだけじゃなくて
受ける
サービス
つまり
自分
お互いに支えるようなコミュニティが
お互い
支える
コミュニティ
もう一回創造できるかもしれないわけです
回
できる
創造
一
しれる
最後に大事なのはインターフェイスですね
最後
大事
フェイス
インター
つまりこういうシステムが いいシステムが出来上がっても
つまり
出来上がる
システム
こういう
最後はやっぱり高齢者が使えなきゃいけない
最後
者
やっぱり
いける
使える
高齢
それを誰がやるんだ と
誰
例えば コンビニってありますね
例えば
コンビニ
コンビニの店員さんとか
店員
コンビニ
もしくは宅配で持ってきてくれる人とか
くれる
人
持つ
宅配
もしくは
こういう人たちっていうのは地域地域で
地域
人
こういう
っていう
高齢者ともうコネクションができているわけです
者
できる
高齢
人間的な関係ができている
関係
人間
できる
的
では例えば こういう人たちがサービスを届けるときに
例えば
届ける
サービス
人
こういう
「今日はどうなんですか?」
今日
もしくは「今の気分はどうなんですか?」
気分
今
もしくは
そういうような簡単な質問をするようなことって
簡単
質問
そういう
できますよね
できる
実際に我々はこれをプロジェクトとして
我々
実際
として
プロジェクト
開始しています
開始
もしくは
もしくは
皆さんのおじいちゃんとかおばあちゃんのお家に行くと
お家
行く
皆さん
おじいちゃん
ばあちゃん
大きなテレビって多分あって
多分
大きな
テレビ
大音響で 聞いたり見たりしているじゃないですか
見る
聞く
大
音響
テレビっていうのは高齢者の人にとって
者
人
テレビ
にとって
高齢
っていう
実はすごく大きな存在ですよね
すごい
実は
存在
大きな
大体どの家にもある
大体
家
そしてそれが社会への窓口の
社会
そして
窓口
大きなものであるわけです
大きな
例えば テレビに話しかけたら
例えば
テレビ
話しかける
オペレーターみたいな人が出てきて
人
出る
みたい
オペレーター
必要なサービスを伝えられる
伝える
必要
サービス
られる
もしくは必要な情報をくれる
くれる
必要
情報
もしくは
そんなようなことも できるわけですね
そんな
できる
既存にあるものが 新しいインターフェイスに進化する
進化
新しい
フェイス
インター
既存
こういうこともできるわけです
できる
こういう
私はこういったことを考えると
考える
私
すごいわくわくするんです
すごい
わくわく
つまり今のITの新しい技術
技術
つまり
新しい
今
そしてiPhoneに代表されるような
そして
代表
ああいうコンセプト
コンセプト
そして昔はなかったようなコンビニみたいな
昔
そして
みたい
コンビニ
社会の新しいインフラ
社会
新しい
インフラ
こういうものを組み合わせることによって
組み合わせる
こういう
によって
高齢者が必要なサービスをもらえて
必要
者
サービス
高齢
もらえる
そして誰かと繋がって
そして
繋がる
誰
そして生きがいを感じる
感じる
そして
生きがい
こんなような社会を作ることが
社会
こんな
作る
できるんですよね
できる
私はそう考えると
考える
私
高齢社会ってなんとなく 暗いようなイメージになるじゃないですか
社会
なんとなく
暗い
イメージ
高齢
でも違うんですね
違う
ここはイノベーションを生み出せる場なんです
生み出せる
場
イノベーション
自分はこのテーマに命をかけて取り組んでいる
かける
命
テーマ
取り組む
自分
本当に「これはいいテーマだなあ」と
テーマ
本当に
自分では思っているんです
思う
自分
最後に皆さんにお願いしたいのは
最後
皆さん
お願い
「じゃあこれをどうやって実現していくんだ」 と考えたときには
考える
実現
じゃあ
やっぱりクラウドソーシングの考えなんです
考え
やっぱり
つまり様々な人たちが
様々
つまり
人
自分たちの持っているリソースを集めて
集める
自分
持つ
リソース
そしてプロジェクトにして進めていく
進める
そして
プロジェクト
このコンセプトを使えば
使う
コンセプト
ここにいる皆さん全員が
全員
皆さん
この高齢社会に対してのソリューションを作る
社会
作る
に対して
高齢
貢献ができるわけですね
できる
貢献
だから今日から始めていただきたいのは
いただく
だから
始める
今日
まず自分のおじいちゃんやおばあちゃん
自分
おじいちゃん
ばあちゃん
もしくはお父さんやお母さん
お母さん
お父さん
もしくは
もしくは近くにいるおじいちゃんおばあちゃん
近く
おじいちゃん
ばあちゃん
もしくは
その人たちを
人
よく見て よくお話をして
見る
お話
「何がこの人一番困っているんだ?」
何
人
一
困る
番
もしくは「なんでこの人は 喜びを感じることができるんだろう?」
なんで
喜び
感じる
できる
人
もしくは
そういったものをよく見て 知って欲しいんです
見る
知る
欲しい
そういった
そして皆さんひとりひとりが持っている
そして
ひとりひとり
皆さん
持つ
技術やスキルを使いながら
技術
使う
スキル
ながら
アイディアを出して欲しい
出す
欲しい
アイディア
私はそういったアイディアと一緒に
一緒
私
アイディア
そういった
高齢者が幸せに生きることのできる
生きる
者
幸せ
できる
高齢
高齢社会
社会
高齢
こういったものを一緒に作っていきたいと思います
思う
一緒
作る
ありがとうございました (拍手)
拍手
ありがとう
ござる
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